身近な自然資本の活用に関する意見交換会

【開催報告】地域循環共生圏づくりオンラインフォーラム「千歳川遊水地群でよみがえる湿地と、その賢明な利用」(オンライン 1/29)

グリーンインフラと、その考え方に沿った千歳川遊水地群について理解を深めるとともに、長沼町舞鶴遊水地等の取り組みを共有し、遊水地の活用を地域の社会や経済の発展に結び付けていく可能性を模索することを目的として、本会合を開催しました。

概要

[開催日時]令和3年1月29日(金)13:30~16:00
[開催方法]オンライン ※オンライン会議システム「Zoom」を利用
[参加人数]43人
[主催]EPO北海道
[協力]国土交通省北海道開発局札幌開発建設部、長沼町

 ※イベント詳細はこちらをご参考ください
  https://enavi-hokkaido.net/event/event_id/14373/

内容

2020年4月、国によって整備された千歳川遊水地群のすべてで供用が始まりました。遊水地とは河川に接した土地の一部を堤防で囲んだもので、洪水の一部をためて川の水位の上昇を抑え、洪水被害を減らすための治水施設です。

低平地が広がる千歳川中流域の4市2町に整備された千歳川遊水地群。その遊水地の一部は、平常時は湿地景観を呈しています。先行して2015年に供用を開始した長沼町の舞鶴遊水地には、工事中の2012年からタンチョウが飛来するようになり、2020年5月にヒナが誕生。空知総合振興局管内では100年以上ぶり、人工的な湿地環境での繁殖は世界的にも希な事例だとされています。

千歳川遊水地群は、自然生態系を賢く利用して災害を防止し、生物多様性の保全や社会経済の発展に寄与する「グリーンインフラ」の考え方に沿うものです。その一方で、気候変動による豪雨の多発や渡り鳥の飛来に対して、農業を基幹産業とする地域がどのようにこれを捉え、社会や経済の発展に結び付けていくかを考えていくことが必要になります。

そうした状況を踏まえて、このオンラインフォーラムでは、北海道大学大学院農学研究院の中村太士教授による基調講演の後、国土交通省北海道開発局札幌開発建設部の川住亮太氏から千歳川遊水地群の概要と利活用について、長沼町政策推進課長の駒谷敏氏から長沼町の舞鶴遊水地での取り組みについて情報共有いただき、参加者で意見交換を行いました。ご参加いただいた皆さま、大変ありがとうございました。

プログラム及び公開資料

1 開会・趣旨説明
2 基調講演
  ・遊水地から考える生態系の再生・保全と持続可能な利用
   中村 太士 氏(北海道大学大学院農学研究院基盤研究部門森林科学分野 教授)
3 千歳川遊水地群に関する事業報告
  ・千歳川遊水地群の概要と利活用について 【 説明資料 】(PDF:11MB)
   川住 亮太 氏
  (国土交通省北海道開発局札幌開発建設部千歳川河川事務所 特定治水事業対策官)
  ・長沼町舞鶴遊水地に係る取り組みについて【 説明資料 】(PDF:4MB)
   駒谷 敏 氏(長沼町政策推進課長)
4 参加者意見交換
5 閉会