行政(環境省)の環境情報

【お知らせ】「地域金融機関におけるTCFD開示の手引き~令和4年度TCFD開示に係る地域金融機関向け研修プログラム概要~」の公表について

環境省では、地域金融機関によるTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、気候関連財務情報開示タスクフォース)開示の質の向上とTCFD提言の理解深耕を目的に、69行庫の金融機関に対して「令和4年度 TCFD 開示に係る地域金融機関向け研修プログラム」を実施しました。この度、本研修プログラムの成果等を踏まえ、「地域金融機関におけるTCFD開示の手引き」を策定いたしましたのでお知らせいたします。

■背景
 パリ協定に基づき、今世紀の気温上昇を産業革命以前に比べて理想的には1.5℃に抑えることが世界共通の長期目標となっており、日本においても、2050年カーボンニュートラル宣言に呼応して、民間企業によるサステナビリティ向上に向けた戦略等が開示されつつあります。
 気候変動に係る開示に関しては、2021年6月にコーポレートガバナンス・コードが改訂され、東京証券取引所プライム市場上場企業に対してTCFD 又はそれと同等の基準に基づく開示が実質的に義務付けられました。地域金融機関においてTCFD開示を実施する上では、投融資先のシナリオ分析や移行・物理的リスク把握の手法等に課題が存在する上、これらの知見を有する人材が必ずしも十分であるとは限らない現状もあります。また、地域金融機関として、単に開示をゴールとするのではなく、TCFDの枠組みを通じて、地域の脱炭素化を自らのリスクと機会に落とし込み、地域の事業者とともに戦略的に対応していくことが求められています。

■目的
 環境省では、地域金融機関によるTCFD開示の質の向上とTCFD提言の理解深耕を目的に、令和4年度に、69行庫の金融機関に対して、「令和4年度 TCFD 開示に係る地域金融機関向け研修プログラム」を実施しました。
 本研修プログラムでは、地域金融機関のTCFD開示担当者向けに、TCFD提言の「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」のそれぞれについて実務上に必要な知識を習得いただくとともに、経営層にも部分的に参加いただくことで、金融機関全体としての取組の実効性向上を図りました。
 この度、本研修プログラムの成果等を踏まえ、「地域金融機関におけるTCFD開示の手引き」を策定いたしましたのでお知らせいたします。本手引きでは、TCFD提言の各項目について、具体的な取組内容と事例を解説するとともに、ケーススタディとして、研修参加行庫が取り組んだ課題を演習形式で解説しました。研修参加者のみならず、多くの金融機関に本手引きを活用していただき、TCFD開示の質の向上とともに、TCFDを活用して地域の脱炭素化の促進につながることを期待しております。

連絡先
環境省大臣官房環境経済課
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8240
課長 波戸本尚
室長 今井亮介
課長補佐 稲村晃希
担当 小林加奈
担当 岩村寿子

☆詳しくはこちらをご覧ください
 https://www.env.go.jp/press/press_01447.html