【開催報告】気候変動教育連続勉強会 第2回「気候変動教育のエッセンス:国際的に見た日本の課題」
北海道地方ESD活動支援センター(EPO 北海道)では、脱炭素社会への転換を見据えた人材育成のために「気候変動教育」について国内外の動向や事例を学び、その体系確立や普及戦略の構築に向けた連続勉強会を開催します。この度、気候変動教育連続勉強会 第2回を開催しました。
開催概要
[日 時] 2021年7月26日(月)16:00~17:30
[開催方法] オンライン会議システム「zoom」を使用
[参加対象] 気候変動教育の実践者・関係者,関心をお持ちの方
[参加者数] 98人
[主 催] 北海道地方ESD活動支援センター(EPO 北海道)
内容
聖心女子大学現代教養学部教育学科 教授であり、グローバル共生研究所副所長の永田 佳之先生を講師にお迎えし、日本と世界の気候変動教育の動向や課題、今後必要とされる視点や対応などについてのお話をうかがい、質疑応答を行いました。
[講師]永田 佳之 さん(聖心女子大学現代教養学部教育学科 教授・グローバル共生研究所副所長)聖心女子大学教授(博士)。
「国連ESDの10年」以後、ユネスコ本部の専門委員としてESD(持続可能な開発のための教育)の推進に15年間ほど従事し、国内外の若者と気候変動などの地球規模課題に足元の暮らしから取り組む。聖心グローバル共生研究所副所長、日本国際理解教育学会副会長、認定NPO法人フリースペースたまりば理事、学校法人アジア学院理事・評議員、一般社団法人Earth Companyアンバサダーなど。著作に『気候変動の時代を生きる:持続可能な未来へ導く教育フロンティア』『ハーモニーの教育:ポスト・コロナ時代における世界の新たな見方と学び方』(共に山川出版社)『変容する世界と日本のオルタナティブ教育:生を優先する多様性の方へ』(世織書房)など多数。気候変動教育に関する国内外の情報を集めたプラットフォーム「気候変動教育:学びのエッセンス」( https://climate-empowerment.com)を大学院生らと運営している。
当日の講演資料はこちら
https://epohok.jp/wp-content/uploads/2021/07/20210726_shortver.pdf
関連資料:気候変動問題をはじめとした地球環境問題に関する教育の充実について(通知)
関連リンク:聖心女子大学グローバル共生研究所 暮らしから捉え直すSDGs / 気候アクション
グレタ・トゥーンベリとジョージ・モンビオが語る気候変動危機(Youtube)
※肖像権保護のため、動画は公開いたしません。ご了承ください。
参加者からの質問
Q.気候変動教育が関連するところとして、(SDGs)12.8(2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。)も先生のスライドに含めていただくとよいのではないかと思います。
A. ここでは、ユネスコ等による国際会議でよく取り上げられているもの主な3点をとりあげました。個人的には12.8も含めていくほうが良いと思っています。
Q. アフリカの気候教育で世代間格差についてはどう扱っているのでしょうか?
A. アフリカに限らないことかもしれませんが、大人が教育をするに際して、気候変動の文脈では特に若者の声を傾聴する文化の醸成が重要だと思います。アフリカにおけるユネスコ/日本ESD賞の受賞団体ではこの文化が学校やコミュニティで育まれてきたと言えます(スライドでご紹介したナミビアのNaDEETなど)。
Q. 「ナショナルフォーカルポイントを官民で」とのことだが、どのようなフォーカルポイント(焦点)のイメージを持てばいいでしょうか。
A. これからの日本における気候変動教育の成否はダイナミックな動きを作れるかどうかにかかっている、と言っても過言ではありません。官が今回のような民の動きを巻き込んで、世界的な課題と国内のニーズ等を架橋する体制をとり、今後何が必要か、官民で協議して「半歩先」を見据えながら進めていくための体制づくりは急務です。日本は課題先進国であるので、そうした課題を国際貢献として表に出していくようなプラットフォームづくりも重要課題だと言えましょう。