行政(経済産業省)の環境情報

「成長志向型の資源自律経済戦略」を策定しました ~本戦略の実現に向けた次のアクションを始動します~

経済産業省は、2023年3月31日に、「成長志向型の資源自律経済戦略」を策定しました。また、本戦略の実現に向けた今後のアクションとして、①産官学CEパートナーシップを今夏(6から7月頃)に立ち上げます。加えて、②動静脈連携の加速に向けた制度整備の検討を今夏(6から7月頃)から開始します。
 

1.背景

経済産業政策の新機軸の一つに、「成長志向型の資源自律経済の確立」が位置付けられています。その「成長志向型の資源自律経済の確立」に向けて、2020年5月に策定した「循環経済ビジョン2020」を踏まえ、資源循環経済政策の再構築等を通じた国内の資源循環システムの自律化・強靱化と国際市場獲得を目指し、総合的な政策パッケージである「成長志向型の資源自律経済戦略」を2022年度中に策定することとしていました。
本戦略の検討のために、2022年10月3日に「成長志向型の資源自律経済デザイン研究会」と「資源自律経済戦略企画室(通称:資源自律経済デザイン室)」を立ち上げ、同研究会において半年に亘って議論を重ね、この度、「成長志向型の資源自律経済戦略」を策定しました。
 

2.成長志向型の資源自律経済戦略の概要

①成長志向型の資源自律経済の確立に向けた問題意識

  • 資源制約・リスク:資源枯渇、調達リスク増大
  • 環境制約・リスク:廃棄物処理の困難性、カーボンニュートラル実現への対応の必要性
  • 成長機会:経済活動への影響

②サーキュラーエコノミーへの非連続なトランジション

リニアエコノミー VS サーキュラーエコノミー

  • リニアエコノミー:大量生産・大量消費・大量廃棄の社会システム(動脈産業の活動を静脈産業がカバーする一方通行の関係)
  • サーキュラーエコノミー:市場のライフサイクル全体で、資源の効率的・循環的な利用(再生材活用等)とストックの有効活用(製品のシェアリングや二次流通促進等)を最大化する社会経済システム

サーキュラーエコノミーに転換しないリスク

  • 潜在成長率の低下や世界のビジネスからの排除

サーキュラーエコノミーを通じた「新しい成長」

  • 関連市場規模:世界全体では2030年4.5兆ドル、2050年25兆ドル、日本国内では2020年50兆円、2030年80兆円、2050年120兆円

 

③成長志向型の資源自律経済の確立に向けた総合パッケージ

競争環境整備(規制・ルール)

  • 4R(3R+Renewable)政策の深堀り
  • リコマース(Re-commerce)市場の整備
  • 海外との連携強化

サーキュラーエコノミー・ツールキット(政策支援:GX先行投資支援策「資源循環分野において、今後10年間で約2兆円以上の投資」)

  • サーキュラーエコノミー投資支援
  • DX化支援
  • 標準化支援
  • スタートアップ・ベンチャー支援

サーキュラーエコノミー・パートナーシップの立ち上げ(産官学連携)

  • ビジョン・ロードマップ策定
  • 協調領域の課題解決
  • サーキュラーエコノミーのブランディング

 

3.本戦略の実現に向けた次のアクション

①「産官学CEパートナーシップ」の立ち上げ【今夏(6から7月頃)】

  • サーキュラーエコノミー(Circular Economy:CE)への非連続なトランジションを実現するに当たっては、個社ごとの取組だけでは経済合理性を確保できないことから、関係主体の連携による協調領域の拡張が必須。
  1. 自治体、大学、企業・業界団体、関係機関・関係団体等が参画するパートナーシップを立ち上げ。

    ※ パートナーシップの「名称」と「ロゴ」については公募予定

  2. ビジョン・ロードマップ策定、CE情報流通プラットフォーム構築についての検討を皮切りに、その他の個別テーマ(標準化、マーケティング、プロモーション、国際連携、技術検討等)についても順次検討を実施。 

②動静脈連携の加速に向けた制度整備【今夏(6から7月頃)】

  • 現在の資源循環に係る政策体系は、3R(Reduce, Reuse, Recycle)を前提としており、特に静脈産業に焦点を当てた政策が中心であることから、「動静脈連携(動脈産業と静脈産業の有機的な連携)」を基本とするサーキュラーエコノミー型に政策体系を刷新することが必須。
  1. 「GX実現に向けた基本方針(令和5年2月10日閣議決定)」を踏まえ、動静脈連携による資源循環を加速し、中長期的にレジリエントな資源循環市場の創出を目指して、「資源循環経済小委員会(※ 現在の「廃棄物・リサイクル小委員会」を改組予定)」を立ち上げ、3R関連法制の拡充・強化の検討を開始。
  2. 検討項目は、①資源有効利用促進法(3R法)の対象品目の追加、②循環配慮設計の拡充・実効化、③表示制度の適正化、④リコマース(Re-commerce)市場の整備、⑤効率的回収の強化を中心に検討を実施。

 

関連資料

関連リンク

担当

産業技術環境局 資源循環経済課長 田中
担当者:吉川、廣谷、山口、藤井、柏

電話:03-3501-1511(内線 3561~3564)
03-3501-4978(直通)

E-mail:3r-info★meti.go.jp
※ [★]を[@]に置き換えてください。

引用:https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230331010/20230331010.html