令和2年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業の公募採択事業(一次公募)について
1.「令和2年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」の公募概要
環境省では、低炭素社会及び循環型社会構築に資するプラスチック資源循環システム構築の加速化を図るため、従来型のプラスチック利用を段階的に改めることとし、化石資源由来のプラスチックを代替する再生可能資源由来のバイオプラスチック等への転換を推進しています。
また、従来リサイクルが困難であったプラスチック等素材に対するリサイクル技術・システムの高度化を図り、プラスチック資源循環システム全体でのエネルギー起源CO2排出の抑制を目的とした以下の事業を行います。
(1)化石由来プラスチックの代替する省CO2型バイオプラスチック等(再生可能資源)への転換・社会実装化実証事業
(2)プラスチック等のリサイクルプロセス構築・省 CO2化実証事業
2.選定結果
本事業(補助事業)の公募(一次公募)に対し14件の応募があり、申請書類による事前審査及び有識者で構成される評価審査委員会による審査を行った結果、以下7件(代替事業6件、リサイクル事業1件)の事業について選定しました。
事業者名 |
事業名 |
事業の概要 |
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① 化石由来プラスチックの代替素材である再生可能資源への転換及び社会実装化に係る技術実証事業 |
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アキレス 株式会社 |
農林業用途におけるポリプロピレン製品から植物由来原料を含有する土壌生分解性製品への素材転換実証 |
造林地で使用されている獣害対策ツリーシェルターについて、ポリプロピレン製である本体を植物由来原材料を含有する土壌生分解性製品(バイオ・ツリーシェルター)へ素材転換を行い、その強度、耐久性、生分解性を検証すると共に、素材の代替によるCO2排出量削減効果について実証を行う。 |
株式会社カネカ | 廃食用油を用いたPHBHの高効率化生産と商業化実証 | 生分解性ポリマーPHBHは国内で、唯一商業レベルで生産されているバイオポリマーである。国内に存在する非可食バイオマスである廃食用油を原料に、効率的にPHBHを生産するための前処理技術を確立し、培養、排水処理の一連の工程が連続する商業化設備での生産実証を行う。 |
株式会社 |
自然回帰性原料による合成系微粒子代替に関する実証 |
ミクロンオーダーのプラスチック微粒子を代替するために、自然回帰性のある酢酸セルロースを用い、かつ当社独自技術による真球微粒子の製造実証を行う。 課題であるコスト低減に向け、プロセス改善による効率化を図り、初期ターゲットとして化粧品用途に展開するまでの実証を行う。 |
株式会社Biomaterial in Tokyo | 古紙由来バイオエタノールを利用したポリエチレンおよびポリスチレンの製造に関する実証 | 古紙由来第二世代バイオエタノールを製造する。さらに難再生古紙等によるエタノール製造技術からバイオポリエチレン及びバイオポリスチレン製造までの触媒反応による合成技術の実証を行う。 |
株式会社リコー | 独自の発泡技術による軽量でしなやかな発泡PLAシート素材開発に関する実証 | 植物由来100%のPLAをリコー独自の超臨界CO₂技術で微細発泡させた素材は、強度としなやかさが両立する特徴を有する。この発泡PLAシートの試作装置導入により技術開発を促進し、柔軟性、耐久性、生分解性等の性能およびコストの実証を行う。 |
レンゴー |
新規連続法による微小セルロース粒子の量産体制確立と、マイクロプラスチックビーズの代替に関する実証 | マイクロプラスチックビーズの代替促進に向けて、海洋生分解性を有する微小セルロース粒子の量産体制確立を目指す。本事業では、新規連続法により、課題であった数ミクロンから10ミクロンレベルの粒径制御、球形化、低コスト化、省エネルギー化を図るための実証を行う。 |
② プラスチック等のリサイクルプロセス構築・省CO2化に係る技術実証事業 | ||
富士機械工業 |
フィルム洗浄装置(脱墨機)によるインキ除去技術実証 | グラビア印刷機のテスト印刷で使用された印刷フィルムは廃棄プラスチックとして廃棄されている。この印刷フィルムからインキを除去する剥離・洗浄技術を用いた装置を製作して、フィルムのリサイクル高度化についての実証を行う。 |
連絡先
環境省環境再生・資源循環局総務課リサイクル推進室
- 代表 03-3581-3351
- 直通 03-5501-3153
- 室長 平尾 禎秀(内線 6831)
- 室長補佐 泉 知行(内線 7889)
- 室長補佐 畠中 太陽(内線 6822)
- 担当 倉石 真純(内線 7893)
- 担当 藤木 駿(内線 6805)