行政(環境省)の環境情報

第13回日モンゴル環境政策対話の結果について

 日本国環境省とモンゴル国自然環境・観光省は、令和2年2月18日(火)に東京で、「第13回 日本・モンゴル環境政策対話」を開催しました。
 同対話は、平成23年12月に署名され、平成27年及び平成30年に更新された両省間の環境協力に関する協力覚書に基づき、今回13回目が開催されました。
 政策対話では、佐藤ゆかり環境副大臣が冒頭挨拶を行うとともに、「大気汚染対策」、「GOSATシリーズ」、「二国間クレジット制度(JCM)」、「フルオロカーボン・イニシアティブ」、「気候変動適応策」、「植物の活用」について議論が行われ、各分野における今後の協力の方向性について合意しました。

1.経緯

 日本国環境省とモンゴル国自然環境・観光省は、平成19年に第1回環境政策対話を開催して以来、これまで12回の環境政策対話を開催し、重要な課題について意見交換を行ってきました。

 なお、平成23年には、両国間で包括的な環境協力を進めていくため、「環境協力に関する協力覚書」が署名・締結され、平成27年及び30年には、同覚書が更新されました。

2.開催日時

 令和2年2月18日(火) 11:00~18:00

3.場所

 東京(帝国ホテル)

4.主な出席者

 (モンゴル側)

 モンゴル国自然環境・観光省

バトバヤル自然環境・観光副大臣、バトジャルガル気候変動特使 ほか

 駐日モンゴル国大使館

バッチジャルガル駐日モンゴル国特命全権大使

 (日本側)

 日本国環境省

佐藤ゆかり環境副大臣、森下哲地球環境審議官、近藤智洋地球環境局長 ほか

5.主な議論

 1)大気汚染対策

 東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)の酸性雨からPM2.5を含む大気汚染分野全般における活動範囲の拡大に向けて、モンゴル側も賛同し、本年10月に日本で開催予定のクリーン・エア・ウィークへのモンゴルからの参画について合意しました。また、黄砂については、日中韓三カ国環境大臣会合 (TEMM)の下で実施されている黄砂共同研究に、引き続きモンゴルからも参加し、科学的知見及び優良事例の共有やモンゴル側のキャパシティ・ビルディングに貢献していくことについて合意しました。

 2)GOSATシリーズ(温室効果ガス観測技術衛星)

 平成30年12月の第12回日本・モンゴル環境政策対話での合意事項に基づき、モンゴルのCO2排出インベントリから算出した排出量と、GOSATシリーズの観測データから推計した排出量を比較評価中です。今後も協力を行うとともに、メタンについても同様の比較検証について検討することで合意しました。また、モンゴルの排出インベントリの透明性を高めるとともに、モンゴル側がGOSATシリーズのデータを利活用できるよう、技術や解析方法などについて研修を実施することで一致しました。

 3)二国間クレジット制度(JCM)

 JCMはパリ協定6条を体現する二国間協力として重要であることを確認するとともに、更なるJCMプロジェクトの組成に向けて、民間企業同士のマッチメイキング促進し、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けても協力を拡大していくことで一致しました。

 4)フルオロカーボン・イニシアティブ

 昨年12月に国連気候変動枠組条約第25回締約国会議(COP25)の場において、小泉環境大臣のリーダーシップの下設立された「フルオロカーボン・イニシアティブ」に基づき、フルオロカーボン(フロン)のライフサイクル全体にわたる排出抑制対策によるオゾン層保護や気候変動対策に貢献するため、フルオロカーボンの回収と破壊に関する情報共有や関連会合へ参加することで一致しました。

 5)気候変動適応策

 ゾド(モンゴル特有の冷害)の早期予測システムや家畜のバリュー・チェイン・システム構築を含む緑の気候基金(GCF)案件の実現に向けて協力することで合意しました。また、モンゴルの国家適応計画(NAP)を前進させるため、モンゴルにおける具体的な技術協力のニーズ、日本の知見の共有について、今後協議することを確認しました。

 6)植物の活用

 モンゴル側から、同国における植物種の多様性の減少状況、野生植物の保全法案、植物の製品化を含む持続的な活用による経済効果について紹介がありました。日本側から、SATOYAMAイニシアティブに関する協力への謝意を述べました。植物の保全及び持続可能な利用について、今後情報共有を行い、協力の可能性について議論することを確認しました。

連絡先

環境省地球環境局国際連携課国際協力・環境インフラ戦略室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8248
  • 室長杉本 留三(内線 6765)
  • 課長補佐野本 卓也(内線 7782)
  • 担当有馬 牧子(内線 6766)
  • 担当佐藤 有紀江(内線 7724)

 

引用:https://www.env.go.jp/press/107742.html