行政(環境省)の環境情報

美瑛富士避難小屋携帯トイレブースの完成及び現地説明会について

北海道地方環境事務所は、山岳のトイレ問題を解消し、平成30年7月の「大雪山国立公園携帯トイレ普及宣言」の実効性を高めるために、美瑛富士避難小屋の横に携帯トイレブースの設置工事を行いました。

令和元年8月27日(火)より部分供用を開始していますが、9月10日(火)に工事が全て完成しましたので、お知らせします。

また、9月29日(日)に維持管理を協同で行う関係者と一緒に現地説明会を開催します。

1.整備概要

  • 名称:携帯トイレブース
  • 位置:北海道上川郡美瑛町(上川中部森林管理署1075林班イ小班)
  • 設置基数:1基
  • 規模構造:木造 縦2,368mm×横910mm×幅1,517mm
  • 供用期間:6月から9月(夏山登山シーズン)
  • 事業費:およそ790万円

携帯トイレブース

2.維持管理

美瑛富士携帯トイレブースの維持管理に関する協定書に基づき北海道地方環境事務所、美瑛町、美瑛富士トイレ管理連絡会※の3者が協同で維持管理を行います。

※美瑛富士トイレ管理連絡会・・・大雪山国立公園の美瑛富士避難小屋・野営指定地周辺におけるトイレ問題の解決のための活動に賛同した山岳団体等の連絡を目的とし、美瑛富士避難小屋の携帯トイレブースの定期的な点検と清掃などに参加する山岳団体等の連絡・調整を行う組織。

現時点の構成団体は、北海道山岳連盟、札幌山岳連盟、北海道勤労者山岳連盟、北海道道央地区勤労者山岳連盟、北海道道北地区勤労者山岳連盟、日本山岳会北海道支部、北海道山岳ガイド協会、大雪山国立公園パークボランティア連絡会、山のトイレを考える会の計9団体。

3.現地説明会

供用終了時の冬囲いに合わせ、維持管理を行う3者により、現地説明会を以下の日程で行います。
日時:令和元年9月29日(日)6:00~15:30(予定)
場所:美瑛富士避難小屋横携帯トイレブース
北海道上川郡美瑛町(上川中部森林管理署1075林班イ小班)
集合場所・時間:美瑛富士登山口駐車場・6:00
主な内容:携帯トイレブースの使用方法、周辺の自然環境の説明 ほか
申し込み:令和元年9月25日(水)までに東川自然保護官事務所(電話0166-82-2527)にお知らせください。

4.参考事項

○大雪山のし尿問題

・大雪山には、総延長300kmにも及ぶ登山道がありますが、本州の山岳地と比べて避難小屋や常設トイレなどが極めて少なく(登山口以外の、山岳地にある常設トイレは、全線通じて5カ所のみ)、常設トイレのない宿泊地を中心にし尿の問題が深刻となっています。登山者がし尿を排出するため登山道を外れて歩き、繰り返し歩いた跡が踏み分け道となり、高山植物が消失して裸地が拡大し、土壌が流出するほか、排出されたし尿が放置されることによる景観の悪化、不快感の増加による利用上の支障の他、土壌の富栄養化など周辺植生への悪影響や水場や沢水等の汚染も懸念されています。

○美瑛富士避難小屋及び野営指定地の携帯トイレブース設置の背景

・美瑛富士避難小屋及び野営指定地は、トイレのない宿泊地の一つであり、し尿問題が特に深刻な場所であったことから、山のトイレを考える会及び北海道地方環境事務所は、常設の携帯トイレブースの設置の有効性や設置後の運用方法等を検証する目的で、平成27年度から山岳団体や関係自治体と協働し、携帯トイレのシステムの試行的導入を開始しました。

・平成27年度からのアンケート調査により、携帯トイレブースの設置の必要性及び有効性は明らかとなり、美瑛町及び美瑛富士トイレ管理連絡会と協同で維持管理を行う体制が構築されたことから、環境省の直轄による常設携帯トイレブースの設置に至りました。

○大雪山国立公園携帯トイレ普及宣言について

・平成30年7月に大雪山国立公園連絡協議会及び関係18団体(合計19団体)が大雪山国立公園全体で携帯トイレを普及させていくことを宣言したもの。

・主な内容は、①携帯トイレを適切に使用することによる雄大で原始的な景観と共存する登山の推進、②登山者に快く携帯トイレを使ってもらえるような環境づくり、③登山者に対して携帯トイレの利用を推進するための呼びかけ、④携帯トイレの普及に協力してくれる人の輪の拡大。

※関係18団体…旭川勤労者山岳会、旭川山岳会、上川山岳会、上富良野十勝岳山岳会、新得山岳会、十勝山岳連盟、美瑛山岳会、富良野山岳会、札幌山岳連盟、日本山岳会北海道支部、日本ヒマラヤ協会北海道、HAT-J北海道支部、北海道勤労者山岳連盟、北海道山岳ガイド協会、北海道山岳連盟、北海道道央地区勤労者山岳連盟、山のトイレを考える会、大雪山国立公園パークボランティア連絡会

5.連絡先

環境省北海道地方環境事務所
自然環境整備課 課長 大林 圭司
自然保護官 長谷川 修一
(電話:011-299-1953 FAX:011-736-1234)
東川自然保護官事務所
自然保護官 齋藤 明光
(電話:0166-82-2527 FAX:0166-82-5086)

引用:http://hokkaido.env.go.jp/to_2019/post_186.html