行政(外務省)の環境情報

第5回国際女性会議WAW!/W20(結果)

2019年3月23日(土曜日)及び24日(日曜日),第5回国際女性会議WAW!/W20を東京にて開催。8か国の外務大臣を始め世界各国からの参加者を含め,2日間合わせて約3,000人が来場した。WAW!とW20との同時開催により,日本及び国際社会が抱える今日的課題について,包括的かつ多角的に議論した。1日目にW20から安倍総理への提言の手交,基調講演(マララ・ユスフザイ マララ財団共同創設者(ノーベル平和賞受賞者),ミチェル・バチェレ 国連人権高等弁務官),パネル・ディスカッション,2日目にパネル・ディスカッションを開催した。また,2日間を通じて,様々な分科会が行われた。なお,7カ国の外相(パナマ,ドミニカ国,ホンジュラス,ブルガリア,クロアチア,グアテマラ,オーストリア)が参加した。
  • 第5回目となる今回の会議では,「WAW! for Diversity」をテーマに,持続可能な開発目標(SDGs)に謳われた「誰一人取り残さない」持続可能で包摂性と多様性のある社会の実現に向け,男性や若者を含む,多様な背景を持つ参加者が,国内外の課題について,女性の視点も踏まえつつ議論。
  • 安倍総理は1日目の開会挨拶を行い,片山さつき 内閣府特命担当大臣(地方創生担当,まち・ひと・しごと創生担当,規制改革担当,男女共同参画担当,女性活躍担当)は,1日目のWAW!パネル・ディスカッション 「地方活性化と雇用創出,そのためのリーダーシップ」に参加。また,阿部外務副大臣は,2日目の外相によるパネル・ディスカッションに参加。総理からは,女性活躍推進のための安倍政権の取組と成果,G20大阪サミットにおいて女子教育を含む女性のエンパワーメントに関し,取り組む決意を表明した。
  • 2日間に亘る議論の結果として提案された提言を総括したものをとりまとめ,W20の提言ともあわせて,G20大阪サミットにつなげていくこととされた。

1 1日目概要

(1)開会挨拶

冒頭,安倍総理より,安倍内閣の6年間における女性活躍推進のための取組みにつき紹介するとともに,社会を変える「行動」のための枠組みづくりに向け,G20大阪サミットにおいて,日本政府としてリーダーシップを発揮していく決意を表明した。さらに,男性のみならず,女性たちの能力も活かす「ダイバーシティ(多様性)」こそが,様々な社会課題を解決し,経済発展へ導く旨述べるとともに,エコシステムの形成の重要性,そしてそのために手本となるようなロールモデルの必要性につき強調した。また,2020年までの3年間で,最低400万人の途上国の女性たちに対して質の高い教育や人材育成の機会を提供するともに,G20大阪サミットにおいて途上国の女子教育の問題につき提起するとした。最後に,WAW!を通じて,女性のエンパワーメントについて,世界を変えるため,参加者と共に,発信し,行動につなげていきたい旨述べた。

(2)基調講演

(ア)マララ・ユスフザイ・マララ財団共同創設者(ノーベル平和賞受賞者)から,女子教育の重要性につき世界に発信することとなった経緯及びSTEM(科学,技術,工学及び数学)分野における女子教育が大いなる革新の鍵となることを,具体的事例をもって紹介した。また,世界の指導者たちが,女子教育の普及の闘いのため,声を揃えていくべきである旨述べた。
(イ)ミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官から,ガバナンス,治安部門,平和構築,経済を始め,あらゆる分野において女性の参画が重要である旨を述べつつ,男女の賃金格差是正,職場における性差別及びセクシュアル・ハラスメントやジェンダーに基づく暴力の解消,ワークライフバランスの見直し,職場の性差別の解消,女性の政治決定過程への参画,年金改革も含めた社会保障制度の改革,自然災害に最も脆弱な存在である女性の気候変動問題における参画等の必要性につき強いメッセージを発した。

(3)特別挨拶

ガブリエラ・ミケティ・アルゼンチン共和国副大統領から,女性に対する暴力の根絶,教育及び雇用の機会均等,教育の質の向上等の重要性について言及しつつ,これに関連して,昨年アルゼンチンで開催されたW20及びG20サミットにおける成果を紹介した。また,一人一人の女性の声,心,そして光が隅々に届くことは,経済,社会,文化そして政治のあらゆる分野の生活を照らす旨を強調し,ジェンダー平等のために弛まない努力を呼びかけた。

(4)山田政務官主催昼食レセプション

各国外相の他,パネル登壇者,W20関係者等約1,000名が招待された。白鳩太鼓の演奏,空手演舞の披露の他,農業女子,水産女子等によるブース展示が行われた。

(5)パネル・ディスカッション「技術革新と変容する社会における人材育成」

技術革新が人々の暮らし方や働き方に急速な変化をもたらす中で,そうした技術革新から取り残されないための人材育成のあり方や,STEM(科学,技術,工学及び数学)の分野における女性の教育の重要性等について,企業,大学,国家政策等における具体的な取組み事例の紹介や提言等がなされつつ,活発な議論が行われた。

(6)WAW!パネル・ディスカッション「地方活性化と雇用創出,そのためのリーダーシップ」

地方活性化に関しては,地方において女性が直面する困難や,女性を含む多様性を地方に取り入れることのメリット,また女性がリーダーシップを発揮するために必要な取組等について意見が交わされた。

2 2日目概要

(1)特別ゲストインタビュー

テニスプレーヤーであり,JICAのオフィシャルサポーターである伊達公子氏から,タイで行われている人身取引被害者の支援能力向上プロジェクトを視察した感想を中心に,脆弱な立場に置かれた女性たちに対する支援活動の重要性が述べられた。

(2)クロージング

西村康稔内閣官房副長官が,2日間の議論の内容を総括するとともに,そうした議論から出された各種提言を踏まえてとりまとめられる総括文書(PDF)の主要な要素について述べた。続いて,阿部外務副大臣とドミニカ国,ホンジュラス,クロアチア,オーストリア外相によるパネル・ディスカッションが行われた。最後に安倍総理夫人から閉会挨拶を行い,WAW!/W20の議論を通じて得た「ひらめき」の共有と実践の重要性を述べた。

3 参考

(1)WAW!2018日程

3月23日
開会挨拶,W20挨拶・提言手交,基調講演,特別挨拶,
WAW!/W20パネル・ディスカッション,分科会パネルディスカッション,W20スペシャルセッション
24日
分科会,パネル・ディスカッション,
W20スペシャルセッション,W20パネル・ディスカッション,特別ゲストインタビュー,外相によるパネル・ディスカッション,W20トロイカ・セッション,クロージング

(2)WAW!分科会パネル・ディスカッションの内容

  1. 多様性を育てるメディアとコンテンツ
  2. 女性の参画と紛争予防・平和構築・復興
  3. 多様性を成長に:企業経営や職場環境
  4. 家族の未来:頼る・活かす・分かち合う

3 W20パネル・ディスカッション,分科会の内容

  1. ジェンダーギャップの解消を通じた新しい成長のカタチ:女性のエンパワーメントを実現するガバナンスとは
  2. 女性起業家が創る新しい市場価値
  3. ジェンダー投資:世界の新潮流
  4. デジタル時代のジェンダー平等
  5. 患者や介護者としての女性の就業:健康格差の是正による男女平等と労働参加の向上
  6. 労働におけるジェンダーギャップを解消する:ハッピーなワークとライフの実現へ

 


 

引用:https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page3_002719.html