SDGs 持続可能な開発目標

【開催報告】道東における地域学習情報交換会

 遠くは東京、道東の様々な地域より38名の方(関係者含む)にご参加いただきました道東における地域学習情報交換会の開催報告をします。

 

 

 開催概要

[日時] 2019年3月17日(日)14:00~16:30

[場所] 野付半島ネイチャーセンター 2階(別海町野付63)

[プログラム概要]

(1)開会・趣旨説明

(2)事例紹介

  ・羅臼町「知床学」 羅臼町教育委員会 自然環境教育主幹 金澤 裕司 氏

  ・別海町「野付学」 野付半島ネイチャーセンター センター長 藤井 薫 氏

  ・浜中町「浜中学」 NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト 

            理事 瓜田 勝也 氏、事務局長 工藤 吉治 氏

  ・持続可能な社会づくりに向けた学び~動画教材を使ったSDGs.TV~

    株式会社TREE 代表取締役 水野雅弘氏

(3)意見交流

(4)閉会

[主催] EPO北海道  [共催] 北海道教育大学釧路校ESD推進センター

[協力] 別海町、株式会社別海町観光開発公社、道東SDGs推進協議会、株式会社TREE(SDGs.TV)

事例紹介

 道東の3地域からそれぞれ成り立ちや重点項目等についてお話いただきました。

羅臼町「知床学」

金澤 裕司さん(羅臼町教育委員会)

 知床学の理想を「知床学綱要」として2017年に発表しました。中高一貫教育の柱の1つとして誕生した知床学は、町内全校をユネスコスクールに登録し、ユネスコの精神を教育に入れ る等をとおして少しずつ形になっていきました。知床学は場の学びであり、子ども達、先生方が知床学をとおして変容することを期待しています。

 羅臼町に住むことはクマとの共生です。安全教育だけではなく、クマがいるとはどういうことなのか、マイナスではなく誇りに思うような考え方を段階的に学習することも知床学の特徴です。

 「何のために学ぶのか」を常に問い続け、生徒一人ひとりが幸せになっていく視点がなければ教育は成り立たないのでしょうか。

 

別海町「野付学」

藤井 薫さん(野付半島ネイチャーセンター)

 地域学習が注目された時期、熱意のある 野付小学校の先生方の方向性を整える必要性、地域の様々な取り組み(持続可能な漁業、植林等)等、変化に富んだ2010年から1年かけて、野付小学校6年間をとおした野付学を当時の校長先生が中心に作成しました。このころは学校そのものが地域学習を進めなければならないという意識がありました。

 私が野付中学校に赴任した時、知床学からヒントを得て、野付学を幼稚園から野付中学校までの12年間につながる可能性を見出し、2015年に編成されました。野付学を持続可能な教育にするために外部の方との連携や野付学指導支援計画「『野付学』でつなぐ郷土の夢~幼少中一貫ふるさとキャリア教育」を作成しています。

 ここで学んだ子ども達はどこにいても野付学を活かせるようになってほしいです。

 

浜中町「浜中学」

工藤 吉治さん(NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト)

 浜中学は「霧多布高校の存続」が念頭にありました。道立高校の適正配置で高校が廃校になった浦幌町へ私と霧多布高校の教員3名で視察に行き、高校生が町からいなくなると地域の疲弊感があると関係者から伺い、高校を浜中からなくしていけないと強く思いました。

 霧多布高校は、町立高校という自由が利くこともあり、まずは地域を知ることから始めようと高校3年間をとおしたカリキュラム「浜中学」を作成しました。

 

瓜田 勝也さん(NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト)

 浜中学の 「ふるさと再発見」を担当しています。人との出会いによる自分自身の価値観の変化から、浜中町に住み続けたいと思いペンションポーチをスタートしたこと、NPO法人霧多布湿原ナショナルトラストのミッション「豊かな自然を活かし、楽しさを尺度としたまちづくりを目指す。この湿原を子ども達へ」を軸にした霧多布湿原の保全活動の2つをとおして、まちづくりについて生徒に伝えています。

 自分の住んでる街を知ってもらいたい。多様な価値観を理解し、幸せのあり方とは何か考えてもらう。生まれ故郷の宣伝マンになってほしい。これらが生徒の皆さんへの私の願いです。

 

 また、SDGsや動画をツールとして地域学習を全国で展開する水野さんより、動画の持つ可能性についてお話いただきました。

持続可能な社会づくりに向けた学び~動画教材を使ったSDGs.TV~

水野雅弘さん(株式会社TREE)

 SDGsに関わっていると、社会課題意識が高く、地域や未来を自らが作っていきたいという子ども達が多いように思います。未来を創造する力や 地域学習に動画は有効的に活用できます。動画は見た人それぞれで捉え方が全く違うので対話が生まれ、その意見が多様な課題解決につながると考えています。また、短い動画で地域の素材やNPOの取り組み等の価値をつなげていくことで、見た人は共感を得てつながっていきます。

 動画づくりは難しいと思われていますが、短い動画であれば子ども達自らが作ることもできます。子ども達自身が考え、地域との連携していく時代が訪れてくると思います。

 

意見交流

 「4つの事例紹介を聞いてあなたが大切だと思ったことはなんですか」「担い手の育成であなたが大切にされていることは何ですか」「今でのお話を聞いて、これからやってみたいと思ったことは何ですか」について参加者でグループディスカッションを行いました。

 参加者からは「SDGsをとおして自分ごと化すること」「教える側が好きとか楽しいと思うこと」「地域学習は学校の負担を減らしキャリア教育に充てることができる」「地域に魅力的な企業をつくり担い手を受け入れる」「地域を良くするために動画を使うことに挑戦していきたい」という声がありました。

 

 最後に共催いただいきました北海道教育大学釧路校ESD推進センター事務局長の野村卓先生から閉会の言葉をいただき、情報交換会を終了しました。

 情報交換会の開催にあたり、ご参加、ご登壇いただいた皆さん、共催の北海道教育大学釧路校ESD推進センター、協力いただいた別海町、株式会社別海町観光開発公社、道東SDGs推進協議会、株式会社TREE(SDGs.TV)等々ご関係の皆さんに感謝申し上げます。(大崎)