行政(環境省)の環境情報

生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)の専門家公募について(締切 12/7)

生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)(※1)事務局が、「侵略的外来種に関するテーマ別評価」の報告書の執筆等を行う専門家の募集を開始しました。
 日本政府による推薦を希望する方は、平成30年12月7日(金)までに、環境省へご連絡下さい。

1.実施する評価の概要

 侵略的外来種に関するテーマ別評価(thematic assessment of invasive alien species)は、侵略的外来種の種類、侵略的外来種が生物多様性や生態系サービスに与える脅威の範囲、侵略的外来種が侵入・拡散する要因、地域・準地域ごとの侵略的外来種による影響や傾向及びそれに伴う管理、侵略的外来種とその影響の範囲に関する意識のレベル、現在の管理手法や政策オプション等に関して評価することを目的とし、2019年から2022年にかけて実施される予定です。

2.専門家の役割・選出方法

 選出された専門家は、以下のいずれかの役割を果たすことが求められますが、応募時に役割の希望を出すことはできません。IPBES補助機関である学際的専門家パネル(※2)、ビューロー(※3)等が、参加国政府、IPBESに関わる団体や機関による推薦を受けた応募者の中から、専門性、経験、学際性、地理性、ジェンダー等に関して全体のバランスを考慮して、最適な専門家を選出します。

(1)共同議長(assessment co-chairs)

 評価報告書及び政策決定者向け要約(SPM)を監督する責任があります。評価報告書の一部を執筆することも可能です。関連分野においてシニアレベルであり、専門家との調整業務の経験があり、個人の業務時間の30%に相当する時間を本業務に貢献できる人が求められています。年間およそ4つの会合(海外出張含む)への出席が求められています。

(2)統括執筆責任者(coordinating lead authors (CLAs))

 評価報告書の章毎に配置され、執筆に加え、主執筆者・フェロー・協力執筆者(contributing authors)と執筆内容を調整し、各章全体を監督する責任があります。また、各章からキーメッセージを抽出し、各章の要旨を執筆する作業の調整を行うとともに、SPMの執筆も行います。個人の業務時間の20%に相当する時間を本業務に貢献することが求められています。年間およそ3つの会合(海外出張含む)への出席が求められています。

(3)主執筆者(lead authors (LAs))

 評価報告書のうち指定された箇所を、既存の優れた科学、技術及び社会経済的な情報に基づき執筆する責任があります。個人の業務時間の15%に相当する時間を本業務に貢献することが求められています。毎年開催される執筆者会合への積極的な参加に加えて、毎年およそ1つのIPBES関連会合に招へいされる可能性があります。

(4)査読編集者(review editors (REs))

 評価報告書及びSPMのレビュープロセスにおいて、学際的専門家パネル(MEP)及び執筆者チームに対し、レビューコメントが適切に検討されているか、専門的用語の統一、文章の整合性が取れているか等について助言を行います。評価実施期間中に2つの会合に参加し、第1回レビュー後から個人の業務時間の10%に相当する時間を本業務に貢献することが求められています。加えて、シニアレベルであり、自然科学または社会科学の専門性を1つ以上有し、伝統的知識についても理解のある専門家である必要があります。

3.活動経費・謝金等の支給について

 会合に出席する際の旅費や執筆その他の作業に必要となる経費は、原則として自己負担であり、謝金等も支給されません。

4.応募手順

 日本政府による推薦を希望する方は、氏名・所属・連絡先を明記の上、平成30年12月7日(金)(必着)までに、英文履歴書(論文リスト付きで、応募時に用いる予定のもの)を電子メールで下記連絡先までご送付ください。その際、電子メールの内容が分かるように、表題を「IPBES専門家推薦希望(氏名)」としてください。

環境省は、IPBES事務局による公募情報

https://www.ipbes.net/sites/default/files/em_2018_22_call_experts_ias_20180921_tsu3.pdf

等に示されている基準により各応募者を推薦するか否かを決定し、平成30年12月21日(金)までに、推薦の可否をご本人あてにご連絡いたします。結果は非公表としますので、予め御了承ください。

 

日本政府推薦希望者連絡先

環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性戦略推進室

電話:03-5521-8275

E-mail:NBSAP@env.go.jp

 推薦可と通知された方は、平成31年1月11日(金)までに、IPBESのウェブサイト

https://ipbes.us8.list-manage.com/track/click?u=5da0fed71c7e4399fb28ab549&id=45134381af&e=245192f005

のApplication formに必要事項を記入するとともに履歴書等を添付して、各自御応募ください。Application form の「Details of Government/Organisation supporting your nomination」の項は以下のとおり御選択・御記入ください。

Name of government : Japan

National focal point : None

Name of organization : Ministry of the Environment

Job title : Director of Biodiversity Strategy Office

First name : Keiichi

Last name : Nakazawa

Email (nominator) : NBSAP@env.go.jp

Phone number (nominator): +81-3-5521-8275

5.応募・選考スケジュール

2018年

 12月7日(金):日本政府による推薦希望者の環境省への連絡期限

 12月21日(金):環境省による推薦可否の通知期限

2019年

 1月11日(金):IPBES事務局への応募期限(web上)

 2月1日(金) :日本政府による応募者の推薦期限(web上)

 4月29日(月)~5月4日(土):IPBESによる応募者の選考

 6月:応募者への選考結果の通知(予定)

 8~9月頃:第1回執筆者会合(予定)

(参考)

※1:生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム

  (Intergovernmental science-policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services:IPBES)

 IPBESは、生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化する政府間のプラットフォームとして、2012年4月に設立された政府間組織です。2018年10月1日現在、IPBESには130カ国が参加しており、事務局はドイツのボンに置かれています。科学的評価、能力開発、知見生成、政策立案支援の4つの機能を柱とし、気候変動分野で同様の活動を進めるIPCCの例から、生物多様性版のIPCCと呼ばれることもあります。

 IPBESの成果物は世界中の科学者・専門家らによって執筆され、加盟国政府により構成される総会による承諾後、公表されます。設立以降、IPBES 第1次作業計画に基づき、18の成果物(評価報告書等)の作成作業が進められ、これまでに以下の評価報告書の政策決定者向け要約(SPM)が承認されています。

・生物多様性及び生態系サービスのシナリオとモデルの方法論に関する評価報告書(2016年)

・花粉媒介者、花粉媒介及び食料生産に関するテーマ別評価報告書(2016年)

・生物多様性及び生態系サービスに関する地域・準地域別評価報告書(2018年)

・土地劣化と再生に関するテーマ別評価報告書(2018年)

 2019年には、生物多様性及び生態系サービスに関する地球規模評価報告書のSPMが承認される予定です。

IPBES webサイト http://www.ipbes.net/ 

環境省webサイト http://www.biodic.go.jp/biodiversity/activity/policy/ipbes/index.html

※2:学際的専門家パネル(Multidisciplinary Expert Panel(MEP))

 IPBESの補助機関で、国連の5地域区分から5名ずつ選出された計25名が、IPBESの作業の科学的・技術的側面を監督します。

※3:ビューロー(Bureau)

 IPBESの補助機関で、国連の5地域区分から2名ずつ選出され、議長(1名)、副議長(4名)、メンバー(5名)が、IPBESの運営全般を監督します。

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性戦略推進室
代表   03-3581-3351
直通   03-5521-8275
室長   中澤圭一 (内 6480)
室長補佐 中嶋健次 (内 6484)
係長   鮫島茉利奈(内 6485)

 

引用:http://www.env.go.jp/press/106060.html