「風力発電立地検討のためのセンシティビティマップ」の公表について
センシティビティマップは「環境アセスメントデータベース”EADAS(イーダス)”」で閲覧が可能であり、今後、風力発電事業者等に広く活用いただくことを想定しています。
1.背景・目的
地球温暖化対策の一つとして、再生可能エネルギーの導入を促進する必要がありますが、風力発電設備の一部では、オジロワシ等の希少猛禽類等がブレードに衝突して死亡するバードストライクが生じるケースがあります。
風力発電所は、上記のような鳥類への影響が懸念される区域において事業が計画された場合等には、計画の見直しを行う事例が生じています。
再生可能エネルギーの導入促進と自然環境保全の両立を図るためには、風力発電事業者が事業計画の検討を行う段階から、鳥類に与える影響が大きい区域を認識し、その影響をできる限り回避・低減した上で事業実施区域の選定を行うことが重要です。今般、その一助となるようセンシティビティマップを作成しました。
2.センシティビティマップの構成
「センシティビティマップ」は主に以下の3つのデータで構成されています。
(1)重要種
種の保存法に基づく国内希少野生動植物種や環境省レッドリストの絶滅危惧種を対象に、各種の個体数、分布状況、重要性及び国内でのバードストライクの現状、可能性等を考慮し、対象種を絞り込みました。絞り込みの結果、10種(イヌワシ、チュウヒ、オオヨシゴイ、サンカノゴイ、シマフクロウ、クマタカ、オジロワシ、タンチョウ、オオワシ、コウノトリ)を選定しました。
(2)集団飛来地
ラムサール条約登録湿地、国指定鳥獣保護区、モニタリングサイト1000等、重要な集団飛来地を選定した上で、当該地周辺での主要な塒と餌場の位置やその往来情報を収集しました。
(3)主要な渡りルート(日中・夜間)日中に渡りを行う鳥類については、猛禽類、ガン類、ハクチョウ類等の情報を収集しました。
また、夜間に渡りを行うヒタキ類等の小型鳥類については、春と秋の渡りルートに分けてデータを収集しました。
3.公開情報
センシティビティマップのメッシュは、重要種と集団飛来地のランクを合計し、10kmメッシュの情報として注意喚起レベルA~Cとして公開しました。また、渡りルートについては、地形や天候等によりコースや幅が変化することから、メッシュ化せず、主なルートを表示しました。
4.情報の取扱い
センシティビティマップに掲載されている情報は、出典を明らかにした上で、環境影響評価で利用することができます。
なお、集団飛来地周辺の調査結果等、絶滅危惧種を含む鳥類の詳細情報については、環境影響評価手続の事業構想段階の方、または環境影響評価手続の事業計画段階の方には、所定の手続を行った上で、データを提供いたします。
参考:環境アセスメントデータベース
EADAS(イーダス:Environmental Impact Assessment Database System)
URL:https://www2.env.go.jp/eiadb/
- 連絡先
- 環境省自然環境局野生生物課
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8282
課長 堀上 勝(6460)
課長補佐 中島慶次(6465)
係長 有山義昭(6670)