行政(農林水産省)の環境情報

「令和4年地球温暖化影響調査レポート」の公表について

農林水産省は、都道府県の協力を得て、地球温暖化の影響と考えられる農業生産現場における高温障害等の影響、その適応策等について報告のあった内容を取りまとめ、「令和4年地球温暖化影響調査レポート」として公表しました。

1.地球温暖化影響調査レポートについて

農林水産省では、「農林水産省気候変動適応計画」(令和5年8月改定)に基づく取組の一環として、各都道府県の協力を得て、地球温暖化の影響と考えられる農業生産現場での高温障害等の影響、その適応策等を取りまとめ、普及指導員や行政関係者の参考資料として公表しています。
本レポートでは、水稲をはじめ、果樹、野菜、花き、家畜等における主な影響、各都道府県の温暖化への適応策の取組状況等を取りまとめています。
本レポートに示されている影響、適応策等を参考としつつ、今後とも、適応計画に基づく取組が各都道府県で推進されることを期待するものです。

2.令和4年地球温暖化影響調査レポートのポイント

  • 水稲では、出穂期以降の高温により、白未熟粒の発生による影響が全国2割程度で、西日本では4割程度でみられた。発生抑制のため、水管理の徹底、適期移植・収穫の実施、高温耐性品種の導入(高温耐性品種の作付面積:16万ha、作付割合:12.8%)。
  • ぶどうでは、果実肥大期以降の高温により、着色不良・着色遅延の発生による影響が全国2割程度で、西日本では4割程度でみられた。りんごでは、日焼け果の発生による影響が東日本では3割程度で、うんしゅうみかんでは、日焼け果の発生による影響が西日本では3割程度でみられた。着色不良・着色遅延対策として、着色優良品種や着色を気にしなくてよい黄緑系品種の導入。日焼け果対策として、遮光資材の活用、カルシウム剤の散布、樹冠表層摘果の実施。
  • トマトでは、収穫期の高温により、着花・着果不良の発生による影響が全国では2割程度でみられた。いちごでは、花芽分化期の高温により、花芽分化の遅れの発生による影響が全国では1割程度でみられた。着花・着果不良対策として、遮光資材の活用、細霧冷房・循環扇の導入。花芽分化安定・促進対策として、新品種導入、クラウン部冷却の実施、遮光資材の活用。
  • きくでは、高温により、開花期の前進・遅延の発生による影響が全国では1割程度でみられた。開花期安定のため、日長操作、ヒートポンプの活用による夜冷の実施、高温耐性品種の導入。
  • 乳用牛では、高温により、乳量・乳成分の低下の発生による影響が全国では1割程度でみられた。高温対策として牛舎の送風・換気、細霧冷房の導入。

3.公表について

令和4年地球温暖化影響調査レポートは、当省ホームページから御覧になれます。
URL:https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/ondanka/index.html
    
令和3年以前のレポートはこちらから御覧になれます。
URL:https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/ondanka/report.html

お問合せ先

農産局農業環境対策課

担当者:地球温暖化対策推進班 天野、篠田
代表:03-3502-8111(内線4762)
ダイヤルイン:03-3502-5956

引用:https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kankyo/231031.html