【お知らせ】「生物多様性民間参画ガイドライン(第3版)-ネイチャーポジティブ経営に向けて-」の公表について
環境省では、生物多様性に取り組もうとする事業者のための「生物多様性民間参画ガイドライン」を5年ぶりに改訂しましたのでお知らせします。また、令和5年2月10日(金)から同年2月28日(火)までに実施したパブリックコメントの結果についても併せてお知らせします。
■ 生物多様性民間参画ガイドライン改訂の経緯
環境省では、生物多様性の保全と持続可能な利用を進めていく上で、企業活動が重要な役割を担っているという認識の下、事業者向けに、基礎的な情報や考え方などを取りまとめた「生物多様性民間参画ガイドライン」第1版を 2009年に策定し、 2017年に改訂版である第2版を発行しました。
その後、ビジネスと生物多様性に関する国内外の多くのイニシアチブが発足し、影響評価や情報開示に関する枠組みの検討が活発に行われています。また、2021年にG7で合意された「自然協約」を踏まえ、我が国では陸と海の保全に関する「30by30目標」が設定され、企業等の保有地等も生物多様性保全に貢献する地域としてその一部に組み込むなど、民間による生物多様性保全への期待は年々高まっています。さらに昨年12月に決定された生物多様性に関する新たな世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」には、事業者に関する多くの目標が含まれています。
こうした背景を踏まえ、2021年度に有識者からなる「生物多様性民間参画ガイドラインの改訂に関する検討会」を設置し、同ガイドラインの改訂に向けた検討を進めてきました。改訂に当たっては、国内外の最新の状況に対応すると同時に、事業者が生物多様性への配慮を行う際に課題となっている「目標設定」及び近年顕著な動きがある「情報開示」について詳述しました。
■改訂の主なポイント
(1)生物多様性に関する最近の動向(経営との関わり、昆明・モントリオール生物多様性枠組、国家戦略、目標設定、情報開示等)を追記し、金融を含む事業者に関する依存と影響及びリスクと機会について解説【第1編】
(2)実際に取り組むに当たっての 「基本的プロセス」を明確にし、プロセスごとに取組の内容を解説。また、 自社 の取組レベルを認識し、より高いレベルへステップアップすることを狙いとして、目標設定と情報開示を柱に取組のレベルを明示するとともに、最新の国際的枠組を紹介【第2編】【第3篇】
(3)定量的な影響評価・目標設定の方法と具体的な指標、情報開示の方法、先進的な枠組である SBTs for Na ture 及び TNFD の事例を紹介【第3編】
(4)Q&A集として、中小企業、金融機関を含む実務担当者へのアドバイスなどを紹介【第4編】
■パブリックコメントの結果
(1)意見募集対象 「生物多様性民間参画ガイドライン(第3版)案」
(2)意見募集期間 令和5年2月10日(金)~ 同年2月28日(火)
(3)意見募集の結果 意見提出方法 : 16人・団体
提出意見数 : 41
※上記の他、本件に直接関係ない意見が68人・団体からありました。
■ガイドラインの周知
このガイドラインは、生物多様性に関する活動への事業者の参画を促すことを通じて、生物多様性の保全と持続可能な利用を促進することを目的としており、事業者及びその他のステークホルダーへの普及に取り組みます。
☆詳しくはこちらをご覧ください
https://www.env.go.jp/press/press_01452.html