「世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会」の中間整理を取りまとめました
経済産業省は、本年2月から、「世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会」(座長:大橋 弘 東京大学公共政策大学院 院長)を計7回開催し、議論の成果として、中間整理を取りまとめました。
今後、本中間整理に基づき、カーボンニュートラル・トップリーグ(仮称)やカーボン・クレジット市場(仮称)等について、具体的な制度設計を進めます。
1.「世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会」の概要
近年、世界各国で、2050年カーボンニュートラルを目指す動きが加速し、国際的にも、温暖化への対応を経済成長の制約やコストではなく、成長の機会と捉える時代に突入しています。これらの状況を踏まえ、本年2月に「世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会」を設置し、計7回の研究会を開催しました。
本研究会で、我が国にとって「成長に資するカーボンプライシング」とは、いかなる制度設計が考えられるか、炭素税や排出量取引制度のみならず、国境調整措置やクレジット取引等といった選択肢も含めて、幅広く議論を行いました。
2.中間整理の主な内容
本中間整理においては、研究会における議論を踏まえ、
1.日本におけるカーボンプライシングの現状認識
2.成長に資するカーボンプライシングを検討する際に必要となる基本的な考え方
3.具体的な政策対応の方向性
の3点について、議論の中間整理として提示しています。
特に、「3.具体的な政策対応の方向性」については、
(1)足下の企業ニーズに応じた対応(既存の国内クレジット取引市場の活性化)
(2)中長期に亘り行動変容をもたらすための枠組みの検討
(3)成長に資するカーボンプライシングが機能するための基盤の整備
の3つに分け、整理しています。
このうち、(1)については、非化石価値取引市場やJ-クレジット制度などの既存クレジット・証書制度について、市場の活性化のための見直し・環境整備を、速やかに進めていきます。
また、(2)、(3)については、特に専門的な議論を進めることとした、
①カーボンニュートラル・トップリーグ(注1)とカーボン・クレジット市場(注2)の創設、
②重要分野におけるカーボンフットプリントの基盤整備、
③カーボンニュートラル社会を目指す上でのクレジットの位置づけの明確化
といった検討事項については、具体的な制度設計のため、専門的な議論の場を設けて、議論を進めていくこととしています。
(注1)…自ら高い削減目標を掲げ、その目標を資本市場に開示し、気候変動対策を先駆的に行う企業群が、目標達成のための自主的なクレジット取引等を行う枠組み
(注2)…トップリーグ参加企業を含む企業が、国内外の質の高いクレジットを取引することが出来る市場(市場における取引価格の公示も行う。)
関連リンク
世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_neutral_jitsugen/index.html
問い合わせ
経済産業局産業技術環境局環境経済室
電話:03-3501-1511(内線 3453)
03-3501-1770(直通)03-3501-7697(FAX)
引用:https://www.meti.go.jp/press/2021/08/20210825002/20210825002.html