「モニタリングサイト1000第3期とりまとめ報告書概要版」の公表について
今般、第3期とりまとめとして、モニタリングサイト1000の特徴や、モニタリングの必要性、各生態系の成果を取り上げ、「日本の自然に何がおきている? -市民・研究者・行政が力を合わせわかってきたこと- モニタリングサイト1000第3期とりまとめ報告書概要版」(以下、「とりまとめ報告書概要版」という)を作成しました。
1.モニタリングサイト1000とは
モニタリングサイト1000は我が国を代表する様々な生態系の変化状況を把握(モニタリング)し、生物多様性保全施策への活用に資することを目的とした調査で、全国約1,000か所の調査地(モニタリングサイト)において、平成15年度から長期継続的に実施しています。
研究者をはじめ、NPO団体や市民調査員など、様々な主体の方達に調査の協力をいただき成り立っています。
2.とりまとめ報告書概要版について
生物多様性やモニタリングの重要性について理解を深め、生物多様性保全のために何ができるのか考えていただき、保全施策への活用を促していくことを目的として、モニタリングサイト1000の特徴やモニタリングの必要性、これまでの各生態系の調査成果を取り上げ、専門知識を有さない方でも理解いただけるよう作成したものです。
3.主な結果について
高山帯調査
○ハイマツの生長から夏の暑さを知る
ハイマツの年枝伸長量(一年間に伸びた枝の長さ)は、夏の気温が高い年には大きくなることが知られています。過去20 年程度遡って測定した結果、年枝伸長量が増加しており、夏の気温の上昇が推定できました。
里地調査
○減少する里山の生きもの
調査の結果から、本調査のサイトでの傾向に限ってみると、調査したチョウ類の約4割の種で減少していることがわかりました。この他、ホタル類やノウサギなどにおいても減少傾向が見られました。
陸水域調査
○絶滅の危機にあった渡り鳥シジュウカラガンの増加
日本に国内外から飛来するガンカモ類について、その個体数調査の結果、絶滅の危機に瀕していたシジュウカラガンが近年増加傾向にあることがわかりました。
沿岸域調査
○巨大地震が与えたインパクトとその後
東北地方太平洋沖地震は、沿岸の地形やその周辺にすむ生きものに大きな影響を与えましたが、沿岸域調査では、実際に生態系がどれほど影響を受けたのかわかりました。
4.各生態系の第3期とりまとめ報告書について
○沿岸域調査の報告書は平成31年(2019年)3月に公表をしております。
○里地調査の報告書は本日公表いたしました。
http://www.biodic.go.jp/moni1000/findings/reports/index.html#2458
○その他の報告書については、完成次第、順次今年度中に公表する予定です。
添付資料
連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性センター
- 直通0555-72-6033
- センター長曽宮 和夫
- 総括企画官田口 和哉
- 保全科長串田 卓弥
- 調査科員川 紀愛