【開催報告】北海道地方ESD活動支援センター発足記念事業 持続可能社会と教育の力 ~2050年の北海道をつくるESDを考える~
2017年9月29日に北海道地方ESD活動支援センターがEPO北海道内に設立されました。その設立を記念して、RCE北海道道央圏協議会と共催で「北海道地方ESD活動支援センター発足記念事業 持続可能社会と教育の力~2050年の北海道をつくるESDを考える~」を開催しましたので、ご報告いたします。
[日時] 2017年12月14日(木)13:30~17:00
[場所] 北海道自治労会館3階 中ホール(札幌市北区北6条西7丁目5-3)
[参加者]85名
[主催] 北海道地方ESD活動支援センター、RCE北海道道央圏協議会
[後援] 北海道、札幌市、北海道教育委員会、札幌市教育委員会、JICA北海道
フォーラムでは、環境省北海道地方環境事務所の德丸久衞所長より開会のあいさつに引き続き、ESDについての講演とパネルディスカッションを行いました。
講演
大津 和子氏(北海道教育大学名誉教授)による講演「私たちが望む地域づくりに向けてESDが教えてくれること」では、ESDのD(開発)をポイントに、国連の定めたMDGs(ミレニアム開発目標 2000~2015)からSDGs(持続可能な開発目標 2015~2030)への流れや、SD(持続可能な開発)のための教育実践をアフリカでの事例等をご紹介いただきながら、ESDの背景やESDで培う能力・態度等についてご講演いただきました。
【資料】
・「私たちが望む地域づくりに向けてESDが教えてくれること」(PDF)
北海道地方ESD活動支援センターのご案内
北海道地方ESD活動支援センター(以下「北海道センター」とします)の運営団体である公益財団法人北海道環境財団の久保田学より、北海道センター設置に至る経緯や設置目的、事業のほか、ESD推進に関わる国の推進ネットワークについて説明しました。
【資料】
フォーラム「2050年の北海道を支える学びの場づくりに向けて」
後半のセッションでは、道内各地でESDに取り組む6名の方にご登壇いただき、「2050年の北海道を支える学びの場づくりに向けて」をテーマに意見交換を行いました。(各登壇者のプロフィールはこちら)
<パネラー>
金澤 裕司氏(羅臼町教育委員会自然環境教育 主幹)
寺田陽子氏(公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会 市民参画部長)
【さっぽろ青少年女性活動協会は、札幌エルプラザ公共4施設の運営団体】
札幌市男女共同参画センター 札幌市消費者センター 札幌市市民活動サポートセンター 札幌市環境プラザ 札幌エルプラザ情報センター
中田 和彦氏(国立大雪青少年交流の家 次長)
大﨑 美佳 (北海道地方ESD活動支援センター(EPO北海道))
<コーディネーター>
有坂 美紀 (RCE北海道道央圏協議会 事務局長)
フォーラムでは、パネラーの皆さまの日ごろの活動を共有した後、「学びの場を作るときに重視していること」等についてお話しいただきました。
「教育委員会として、学校教育・授業だけではなく、教員研修も学びの場。子どもも先生も当事者意識をもってものごとを見てもらうことを心掛けている」(金澤氏)、「子どもたちの多様な気づきを活かしていくことが大切。保護者にも関わってもらい、子どもたちの豊かな気づきを見てもらう機会を増やしている」(中田氏)、「地域の児童館等では、職員だけではなく地域サポーターの皆さんに参画してもらっている。多様な方との交流が子どもたちにとって貴重な体験となり、ひいては地域再生にもつながる」(寺田氏)、「震災時の中小企業の復興事例を聞く等、企業は何ができるかを勉強する機会は多い。話を聞くだけで終わらず、社会課題に対して自社がどのように取り込んでいくかが課題と捉えている」(清水氏)等、それぞれの活動の中での「学びの場づくり」のポイントを共有しました。
会場との質疑応答では、地域活性化とESDの関係について「何のために学ぶのかを常に問いかけていきたい」(金澤氏)、「専門的な人材の確保・育成に課題がある」(寺田氏)、「ESDという言葉のわかりにくさと、それに起因するハードルの高さを払しょくすることが大切」(中田氏)、「日本の労働者のキャリアアップが自己責任でないことが大きな課題。やらされるのではなく、自ら学んでいくような働き方が必要ではないか」(清水氏)等、持続可能な社会の担い手を育てていくために必要な様々な意見が交わされました。
また、休憩中にはJICA北海道の野吾奈穂子さんによるSDGs推進応援ソング「持続可能な未来のために~Go for SDGs!」(動画:YouTube)を披露いただきました。開設記念フォーラムに花を添えていただきありがとうございました。
改めまして、ご参加いただいた皆さま、ご登壇いただいた皆さま、共催者のRCE北海道道央圏協議会の関係者の皆さま、誠にありがとうございました。
本フォーラムを受け北海道センターでは、分野や世代の対話等ESDについて議論を深めるような場づくりや、ESDに関する教材等の一元化等お役に立てるような情報発信をしていきたいと思っております。引き続き、ご関心をお持ちいただき、また、ご一緒していただけますと幸いです。