北海道地方ESD活動支援センター

【参加報告】SDGs担当者のためのジェンダー研修

3月14日に、札幌市男女共同参画センターが主催する「SDGs担当者のためのジェンダー研修」へ参加しましたので、ご報告します。

概要

日時:2019年3月14日(木)13:00~17:00
会場:札幌エルプラザ公共施設2階 会議室3・4

プログラム:
・アイスブレイクー女性の3重の役割を知る
・ジェンダー分析ツールを知る
 実際的・戦略的ニーズ
 政策アプローチ
・ジェンダーセンシティブな計画づくりとは
 <講師:川中 信さん(白百合女子大学准教授)>

主催:札幌市男女共同参画センター(指定管理者:公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会)

内容

はじめに、アイスブレイクとして「自分の立場を選ぶ」ワークショップを行いました。ワークショップでは会場内の壁には5つの表情の描いた絵が貼られていて、いくつかのジェンダーに関する質問に対して、強く同意する場合は笑った表情の絵の近くへ、同意しない場合は怒った表情の絵の近くへ移動する、というものです。

それぞれの質問でなぜこの表情を選んだのか、話を聞いていくことで、参加者のジェンダーに対する考えが共有されました。

研修では、ユニセフ作成のビデオ教材「ミーナ はんぶんこしよう」を視聴し、男性・女性の仕事について振り分けるワークショップを行いました。ビデオ視聴後、講師の川中先生から、ジェンダーは国の文化によって違うこと、ジェンダーが異なることで食事の質や量、教育に差がつくことを教わりました。また、グループごとに男性・女性の仕事の役割について意見交換をし、参加者の中でも考え方の違いが出てきました。

女性の仕事について、<収入を得る仕事「生産」の仕事、家庭の家事育児を「再生産」の仕事、学校など地域社会の手伝いを「地域社会」の仕事>の3つに分けられることを学びました(三重の役割)。実際に身の回りの出来事で3つに分類ができるか、グループ内で話し合う時間もありました。自分の生活に照らし合わせて考えると、無意識のうちに男性と女性に仕事の役割を分けていることに気が付きました(車の運転は男性、調理は女性など)。先生からの説明では、この性別役割分業は文化や社会で異なり、さらに時代によっても変化するものだと話がありました。また、このような女性に対する役割を制約し決めつける固定的な性別役割分業(男性、女性の仕事)は疑問であると説明がありました。

政策アプローチのワークショップでは、「女性の支援策」の優先順位づけを行いました。あらかじめ参加者には女性の支援策が書かれたカードが渡されて、ダイアモンド型の表に上から優先順位の高い支援策を当てはめていくワークを行いました。最初は個人で優先順位を考え、その後グループの中で優先順位について話し合って決定し、各グループで決めた優先順位を発表しました。

最後に、ジェンダーセンシティブな計画づくりとして、自分の仕事における「ジェンダー役割(生産、再生産、コミュニティ管理、コミュニティ政治)」や「ジェンダーニーズ(実践的または戦略的)」を明確にし、それらを達成するためのアプローチ方法を導く表を作成しました。

1.実際的ジェンダーニーズ:PGN(Practical Gender Needs)すぐに解決したい、目に見えて必要とされているニーズ。
 例:保育・子育て支援、介護支援を必要とするニーズ
2.戦略的ジェンダーニーズ:SGN(Strategic Gender Needs)ジェンダーに基づく役割分担を男女で助け合いたい、男女の主従関係を変えていきたい、など平等を求めるニーズ。
例:男性向けの料理講座をやってほしい、など。

今回、初めてジェンダー研修に参加させていただきました。SDGsの目標5「ジェンダー平等」に掲げられているとおり、ジェンダーはSDGsを達成の基盤になる課題です。研修に参加してみて、ジェンダーは環境を含むあらゆる分野に関連する課題だと感じました。今回学んだジェンダー役割やジェンダーニーズについて、事業の組立てに取り込んでいけたらと思います。ありがとうございました!(福田)