政策コミュニケーション

【開催報告】平成30年度 協働推進研修「持続可能な社会づくりに向けて パートナーシップをすすめよう」

 地域社会を取り巻く環境は大きく変化し、課題も複雑化しています。ひとつの分野や立場だけでは対応できない課題に対して、行政と市民、NPO/NGO、企業など多様な社会の担い手が対話を重ねてビジョンを共有し、協働して持続可能な社会づくりに取り組むことが求められています。そこで、第五次環境基本計画及び平成30年版環境白書の概要を理解し、『環境保全からの政策協働ガイド ~協働をすすめたい行政職員にむけて~』を用いて協働に係る基礎知識及び実践的技術を学ぶことを目的に、この研修を開催しました。

開催概要

日 時:平成30年8月20日(月)13:00~16:00
会 場:札幌市環境プラザ 環境研修室1・2(札幌市)
参加者:協働や環境保全に携わる行政職員等 18人
会 場:札幌市環境プラザ 環境研修室1・2(札幌市)
主 催:環境省北海道環境パートナーシップオフィス

プログラム:
(1)第五次環境基本計画及び平成30年版環境白書について
   解説:環境省大臣官房環境計画課 環境専門員 飯塚友洋氏、佐藤吏氏
(2)協働の進め方について
   講演及び演習指導:一般社団法人コ・クリエーションデザイン
   代表理事 平田裕之氏

● イベントの詳細はこちらをご覧ください(環境ナビ☆北海道サイト)
 https://epohok.jp/event/9411
●『環境保全からの政策協働ガイド ~協働をすすめたい行政職員にむけて~』
 http://www.geoc.jp/content/files/japanese/2018/02/seisakukyoudo_guide2017.pdf

内 容

(1)第五次環境基本計画及び平成30年版環境白書について

環境省大臣官房環境計画課の飯塚友洋氏、佐藤吏氏から第五次環境基本計画及び平成30年版環境白書について解説が行われました。詳細は「平成30年度 環境白書及び環境基本計画を読む会」をご覧ください。

● 平成30年度 環境白書及び環境基本計画を読む会
 https://epohok.jp/act/info/9837

(2)協働の進め方について

一般社団法人コ・クリエーションデザインの平田裕之氏より、持続可能な社会づくりに向けた、協働の進め方について研修が行われました。この研修は『環境保全からの政策協働ガイド ~協働をすすめたい行政職員にむけて~』の内容に基づいたものです。政策協働ガイドには、全国各地のEPOによる協働取組事業の知見が集約されており、様々な悩みを持つ行政担当者やNPO、企業等の民間団体に対して、従来とは異なる協働による環境政策のアプローチの可能性を示した内容になっています。

複雑化している環境問題に対応するためには、政策とつなぎ合わせていく「政策協働」の観点が不可欠です。そして政策協働を含めた協働取組を進めるためには、変化・イノベーションを意識的に組織にもたらそうとする「チェンジ・エージェント」機能が重要です。この「政策協働」と「チェンジ・エージェント」は『政策協働ガイド』の重要なポイントとなっています。

では、「チェンジ・エージェント」は具体的にどのような行為をするのか。『政策協働ガイド』に紹介されているチェンジ・エージェント機能には、変革に向けて刺激を与え関心を呼び起こす「変革促進」、変革の可能性に対して関心を掻き立て解決策の発見を促す「問題解決提示」、事業の内外に存在する資源をつなぎ合わせる「資源連結」、変革を進めていくために様々な段階において立ち止まって考える「プロセス支援」の4つの機能があります。平田氏の説明の後、自分のどのような行動や思考のパターンがどの機能に当てはまるのか、また、何が得意で何が不得意なのか、チェックリストを用いて自己省察。その結果について、グループで意見交換を行いました。

また、チェンジ・エージェント機能の観点から、「活動がマンネリ化している地域の環境保全協議会を変えていくにはどうすればよいか」といったテーマでディスカッション。課題の本質や解決方策について「若手が議論に参加する機会を設けるべき」「事務局を持ち回りで担ってはどうか」などの意見が出され、市民や企業など様々な主体が運営に関わることの有効性が確認されました。

参加者からは「チェンジ・エージェントを目指して、不足する点を埋めていきたい」などの意気込みも。EPO北海道では、引き続き『政策協働ガイド』を用いた研修も展開していきます。ぜひご関心をお持ちの方はご一報ください!(渡辺)