パブリックコメント

「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)」 に対する意見募集(パブリックコメント)について(国内希少野生動植物種の指定等)(締切 1/18)

 環境省では、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づいて、絶滅のおそれのある野生動植物種を「国内希少野生動植物種(*1)」に指定し、個体の捕獲、譲渡し等を原則禁止するとともに、必要に応じ生息地等保護区の指定や保護増殖事業を実施することにより、種の保存を図っています。
 今般、国内希少野生動植物種(49種。うち特定国内希少野生動植物種(*2)19種)の指定等を行うため、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)」を取りまとめました。
 本政令案による改正内容について、国民の皆様から広くご意見をお聞きするため、本日から1月18日(木)までの間、郵送、ファックス及び電子メールにより、ご意見を募集いたします。

(*1)国内希少野生動植物種:我が国に生息・生育する絶滅のおそれのある野生動植物の種であって、政令で定めるもの。捕獲・採取、譲渡し等が原則禁止となる。現在ヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコ等210種の動植物を指定。
(*2)特定国内希少野生動植物種:国内希少野生動植物種のうち、商業的に個体の繁殖をさせることができる等、一定の条件を満たすもの。現在、ハナシノブ、キタダケソウ等16種の植物が指定されている。

1.改正内容(概要)

1-1.国内希少野生動植物種の指定

環境省では、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4年法律第75号。以下「法」という。)に基づき、我が国において絶滅のおそれのある野生動植物種を「国内希少野生動植物種」として同法施行令に基づき指定し、個体の捕獲、譲渡し等を原則禁止するとともに、必要に応じ生息地等保護区の指定や保護増殖事業を実施することにより、種の保存を図っています。

この国内希少野生動植物種の指定は、環境省が実施する生息状況調査によりその指定に必要な生息情報が把握できた種のうち、指定要件(※)を満たすものについて行っています。

今般、以下49種について、新たに国内希少野生動植物種として政令により指定することとします。

1)Carterocephalus palaemon akaishianus(タカネキマダラセセリ赤石山脈亜種(タカネキマダラセセリ南アルプス亜種))

2)Parnara ogasawarensis(オガサワラセセリ)

3)Pyrgus malvae unomasahiroi(ヒメチャマダラセセリ)

4)Nesiohelix omphalina bipyramidalis(オオアガリマイマイ)

5)Nesiohelix omphalina omphalina(ヘソアキアツマイマイ)

6)Arisaema abei(ツルギテンナンショウ)

7)Arisaema aprile(オドリコテンナンショウ)

8)Arisaema cucullatum(ホロテンナンショウ)

9)Arisaema inaense(イナヒロハテンナンショウ)

10)Arisaema ishizuchiense ssp. ishizuchiense(イシヅチテンナンショウ)

11)Arisaema kuratae(アマギテンナンショウ)

12)Arisaema nagiense(ナギヒロハテンナンショウ)

13)Arisaema ogatae(オガタテンナンショウ(ツクシテンナンショウ))

14)Arisaema seppikoense(セッピコテンナンショウ)

15)Asarum hexalobum var. controversum(シシキカンアオイ(シジキカンアオイ))

16)Asarum kinoshitae(ジュロウカンアオイ)

17)Asarum monodoriflorum(モノドラカンアオイ)

18)Asarum sakawanum var. stellatum(ホシザキカンアオイ)

19)Asarum satsumense(サツマアオイ)

20)Asarum yaeyamense(ヤエヤマカンアオイ)

21)Asplenium tenerum(オトメシダ)

22)Deparia minamitanii(ヒュウガシケシダ)

23)Diplazium pin-faense(フクレギシダ)

24)Diplazium subtripinnatum(ムニンミドリシダ)

25)Crepidiastrum ameristophyllum(ユズリハワダン)

26)Saussurea mikurasimensis(ミクラジマトウヒレン)

27)Saussurea yakusimensis(ヤクシマヒゴタイ(ヤクシマトウヒレン))

28)Draba igarashii(シリベシナズナ)

29)Ctenitis microlepigera(コキンモウイノデ)

30)Dryopteris hangchowensis(キリシマイワヘゴ)

31)Polystichum piceopaleaceum(サクラジマイノデ)

32)Claoxylon centinarium(セキモンノキ)

33)Hypodematium fordii(リュウキュウキンモウワラビ)

34)Myrsine okabeana(マルバタイミンタチバナ)

35)Gastrodia albida(ヤクシマヤツシロラン)

36)Gastrodia uraiensis(タブガワヤツシロラン)

37)Odontochilus hatusimanus(ハツシマラン)

38)Platanthera boninensis(シマツレサギソウ)

39)Drynaria roosii(ハカマウラボシ)

40)Leptochilus decurrens(オキノクリハラン)

41)Potamogeton praelongus(ナガバエビモ)

42)Callianthemum kirigishiense(キリギシソウ)

43)Deutzia naseana var. amanoi(オキナワヒメウツギ)

44)Lycianthes boninensis(ムニンホオズキ)

45)Stachyurus macrocarpus var. macrocarpus(ナガバキブシ)

46)Stachyurus macrocarpus var. prunifolius(ハザクラキブシ)

47)Grewia rhombifolia(ヒシバウオトリギ(アツバウオトリギ))

48)Sciaphila yakushimensis(ヤクシマソウ)

49)Procris boninensis(セキモンウライソウ)

1-2.特定国内希少野生動植物種の指定

国内希少野生動植物種のうち、繁殖技術が確立されており、その流通を認めたとしても種の保存に影響を及ぼさないと認められるものについては、特定国内希少野生動植物種として、事前に届出を行った事業者による商業的取引を認めています。

1-1で指定する49種のうち、以下の19種については、特定国内希少野生動植物種の指定要件(※)を満たすため、今般、この特定国内希少野生動植物種に指定することとします。

また、今回指定される特定国内希少野生動植物種の個体等の譲渡し又は引渡しの業務を伴う事業を行っている者が、法第30条に基づき義務づけられている特定国内種事業の届出を行う場合は、施行日から1か月後までに行えばよいこととする経過措置を設けます。

7)Arisaema aprile(オドリコテンナンショウ)

8)Arisaema cucullatum(ホロテンナンショウ)

9)Arisaema inaense(イナヒロハテンナンショウ)

10)Arisaema ishizuchiense ssp. ishizuchiense(イシヅチテンナンショウ)

11)Arisaema kuratae(アマギテンナンショウ)

12)Arisaema nagiense(ナギヒロハテンナンショウ)

13)Arisaema ogatae(オガタテンナンショウ(ツクシテンナンショウ))

14)Arisaema seppikoense(セッピコテンナンショウ)

15)Asarum hexalobum var. controversum(シシキカンアオイ(シジキカンアオイ))

16)Asarum kinoshitae(ジュロウカンアオイ)

17)Asarum monodoriflorum(モノドラカンアオイ)

18)Asarum sakawanum var. stellatum(ホシザキカンアオイ)

19)Asarum satsumense(サツマアオイ)

20)Asarum yaeyamense(ヤエヤマカンアオイ)

27)Saussurea yakusimensis(ヤクシマヒゴタイ(ヤクシマトウヒレン))

28)Draba igarashii(シリベシナズナ)

37)Odontochilus hatusimanus(ハツシマラン)

39)Drynaria roosii(ハカマウラボシ)

42)Callianthemum kirigishiense(キリギシソウ)

1-3.採取等の禁止の対象となる卵及び種子の追加

1-1で指定する49種のうち、以下の種の卵又は種子については、採取等の対象となるおそれがあることから、採取等規制の対象とします。

<卵>  

1)Carterocephalus palaemon akaishianus(タカネキマダラセセリ赤石山脈亜種(タカネキマダラセセリ南アルプス亜種))

2)Parnara ogasawarensis(オガサワラセセリ)

3)Pyrgus malvae unomasahiroi(ヒメチャマダラセセリ)

<種子>

25)Crepidiastrum ameristophyllum(ユズリハワダン)

26)Saussurea mikurasimensis(ミクラジマトウヒレン)

32)Claoxylon centinarium(セキモンノキ)

42)Callianthemum kirigishiense(キリギシソウ)

43)Deutzia naseana var. amanoi(オキナワヒメウツギ)

45)Stachyurus macrocarpus var. macrocarpus(ナガバキブシ)

46)Stachyurus macrocarpus var. prunifolius(ハザクラキブシ)

2.意見の募集

上記の改正内容について、広く国民の皆様のご意見を募集いたします。ご意見のある方は、別紙の「意見募集要項」に沿って、ご提出ください。

皆様からのご意見は国内希少野生動植物種の指定に当たっての参考とさせていただきます。

ただし、ご意見に対しての個別の回答はいたしかねますのであらかじめご了承ください。

※国内希少野生動植物種及び特定国内希少野生動植物種の指定基準

希少野生動植物種保存基本方針(平成4年総理府告示第24号)(抄)

第二 希少野生動植物種の選定に関する基本的な事項

1 国内希少野生動植物種

(1)国内希少野生動植物種については、その本邦における生息・生育状況が、人為の影響により存続に支障を来す事情が生じていると判断される種(亜種又は変種がある種にあっては、その亜種又は変種とする。以下同じ。)で、以下のいずれかに該当するものを選定する。

ア その存続に支障を来す程度に個体数が著しく少ないか、又は著しく減少しつつあり、その存続に支障を来す事情がある種

イ 全国の分布域の相当部分で生息地又は生育地(以下「生息地等」という。)が消滅しつつあることにより、その存続に支障を来す事情がある種

ウ 分布域が限定されており、かつ、生息地等の生息・生育環境の悪化により、その存続に支障を来す事情がある種

エ 分布域が限定されており、かつ、生息地等における過度の捕獲又は採取により、その存続に支障を来す事情がある種

3 特定国内希少野生動植物種 

特定国内希少野生動植物種については、国内希少野生動植物種のうち、商業的に個体の繁殖をさせることが可能な種を選定する。ただし、その国内希少野生動植物種が、ワシントン条約附属書1に掲載された種(我が国が留保している種を除く。)又は渡り鳥等保護条約に基づき、相手国から絶滅のおそれのある鳥類として通報のあった種に該当する場合には、商業的に個体の繁殖をさせることが可能な種であっても、特定国内希少野生動植物種には選定しない。

(参考)上記の政令改正にあわせて、最新の学問的知見に基づき、学名及び和名の表記を、以下のとおり見直します。

1 ) Branta canadensis leucopareia(シジュウカラガン)の学名

Branta canadensis leucopareia」→「Branta hutchinsii leucopareia

2 ) Lunda cirrhata(エトピリカ)の学名

Lunda cirrhata」→「Fratercula cirrhata

3 ) Columba janthina stejnegeri(ヨナクニカラスバト)の和名

「ヨナクニカラスバト」→「ヨナグニカラスバト」

4 ) Haliaeetus pelagicus pelagicus(オオワシ)の学名

Haliaeetus pelagicus pelagicus」→「Haliaeetus pelagicus

5 ) Spizaetus nipalensis orientalis(クマタカ)の学名

Spizaetus nipalensis orientalis」→「Nisaetus nipalensis orientalis

6 ) Lagopus mutus japonicus(ライチョウ) の学名

Lagopus mutus japonicus」→「Lagopus muta japonica

7 ) Carduelis sinica kittlitzi(オガサワラカワラヒワ)の学名

Carduelis sinica kittlitzi」→「Chloris sinica kittlitzi

8 ) Erithacus komadori komadori(アカヒゲ)の学名

Erithacus komadori komadori」→「Luscinia komadori komadori

9 ) Erithacus komadori namiyei(ホントウアカヒゲ)の学名

Erithacus komadori namiyei」→「Luscinia komadori namiyei

10) Erithacus komadori subrufus(ウスアカヒゲ)の学名

Erithacus komadori subrufus」→「Luscinia komadori subrufus

11) Pitta brachyura nympha(ヤイロチョウ)の学名

Pitta brachyura nympha」→「Pitta nympha

12) Diomedea albatrus(アホウドリ)の学名

Diomedea albatrus」→「Phoebastria albatrus

13) Goniurosaurus kuroiwae splendens(オビトカゲモドキ)の学名

Goniurosaurus kuroiwae splendens」→「Goniurosaurus splendens

14) Maculinea teleius kazamoto(ゴマシジミ本州中部亜種)の学名及び和名

Maculinea teleius kazamoto」→「Phengaris teleius kazamoto

「ゴマシジミ本州中部亜種」→「ゴマシジミ関東・中部亜種」

15) Celes skalozubovi akitanus(アカハネバッタ)の学名

Celes skalozubovi akitanus」→「Celes akitanus

16) Satsuma hemihelvus(ウラキヤマタカマイマイ)の学名

Satsuma hemihelvus」→「Satsuma hemihelva

添付資料

連絡先
環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室
直通:03‐5521‐8353
代表:03‐3581‐3351
室長:番匠 克二(6677)
室長補佐:奥田 青州(6685)
係長:田邊 依里子 (6687)

 

引用:http://www.env.go.jp/press/104997.html