世界気候研究計画(World Climate Research Programme)では、気候変動に関する最新かつ重要な科学的知見をまとめた報告書を国連気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国会議(COP)にあわせて公開されています。
COP26に公開された「10 New Insights in Climate Science 2021」の日本語翻訳版がこのたび公開されました。
気候変動について今伝えたい、10の重要なメッセージ2021
1. | 温暖化を1.5℃で安定させることはまだ可能だが、世界中で早急かつ抜本的な行動が必要である |
2. | メタンと一酸化二窒素の排出量が急速に増加しており、地球は2.7℃の温暖化に向かっている |
3. | 大規模な森林火災-気候変動によって、火災の規模が新たな次元に達し、甚大な影響を及ぼしている |
4. | 気候変動のティッピングエレメント(地球環境の不可逆的な激変をもたらす事象)がインパクトの大きなリスクをもたらす |
5. | グローバルな気候変動対策は公正でなければならない |
6. | 家庭の行動変化への支援は、気候変動対策において重要だが見落とされがちである |
7. | 政治的課題がカーボンプライシングの有効性を阻害する |
8. | 自然に根差した課題解決はパリ協定の達成のために重要だが、細かい点にも注意が必要である |
9. | 海洋生態系のレジリエンスを高めるためには、気候変動に適応した保全と管理、そしてグローバルなスチュワードシップが必要である |
10. | 気候変動の緩和策は、人々の健康と健全な環境にとって複数の直接的なメリットがあることから、必要なコストを正当化することができる |
「気候変動について今伝えたい、10の重要なメッセージ 2021」の詳細については以下のサイトをご覧ください。
https://www.iges.or.jp/jp/pub/10-new-insights-2021/ja
研究者による概要の説明(国連YouTube、英語)
COP26では、研究者による概要の発表が行われました。