行政(経済産業省)の環境情報

「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」を策定しました

2050年カーボンニュートラルに向けては、産業界が脱炭素化に向かって行くための移行(トランジション)の取組へのファイナンスも不可欠です。経済産業省は、金融庁、環境省とともに、「トランジション・ファイナンス環境整備検討会」(座長:伊藤邦雄一橋大学CFO教育センター長)を開催し、トランジション・ファイナンスを実施する際の手引きとして、「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」を策定しました。

1.背景

2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けては、再生可能エネルギー等の既に脱炭素の水準にある事業へのファイナンスを促進していくことと合わせて、温室効果ガスの多排出産業が脱炭素化に向かって行くための移行(トランジション)の取組へのファイナンスについても促進していくことが重要です。我が国においては、2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言しており、その実現に向けた一歩として、国際取組の進捗を注視しつつ、国内でのトランジション・ファイナンスの促進のため、金融庁・経済産業省・環境省の共催で、「トランジション・ファイナンス環境整備検討会」(以下、検討会)を開催し、トランジション・ファイナンスを実施する際の基本指針の策定を検討してまいりました。 

令和3年4月5日(月曜日)から令和3年4月16日(金曜日)の間、検討会が取りまとめた「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(案)」についてのパブリックコメントを実施しました。併せて、トランジション・ファイナンスを含めた国際的な原則を策定している国際資本市場協会(ICMA)に対しても意見を照会しました。

今般、パブリックコメント等の結果を取りまとめるとともに、第3回検討会を開催し、寄せられた御意見を踏まえて「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」を取りまとめました。 

2.基本指針の概要

本基本指針は、黎明期にあるクライメート・トランジション・ファイナンスを普及させ、トランジション・ファイナンスと名付けて資金調達を行う際の信頼性を確保することで、特に排出削減困難なセクターにおけるトランジションへの資金調達手段として、その地位を確立し、より多くの資金の導入による我が国の2050年カーボンニュートラルの実現とパリ協定の実現への貢献を目的としています。

トランジション・ファイナンスは資金調達を必要とする個別プロジェクト(資金充当対象)のみに着目するのではなく、脱炭素に向けた事業者の「トランジション戦略」やその戦略を実践する信頼性、透明性を総合的に判断するものです。
 

グリーンボンド原則等を公表しているICMAが令和2年12月に公表した「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」(以下、ハンドブック)が示す4要素(①トランジション戦略とガバナンス、②ビジネスにおける環境面のマテリアリティ(重要度) 、③科学的根拠のある戦略、④実施の透明性)に基づき、開示に関する論点、開示事項・補足、独立したレビューに関する事項を記載しています。ICMAは、本基本原則のハンドブックとの整合性を歓迎すると表明しています。

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担当

産業技術環境局環境経済室長 梶川
担当者: 小川、松本

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03-3501-1770(直通)
03-3501-7697(FAX)

引用:「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」を策定しました (METI/経済産業省)