行政(環境省)の環境情報

「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)」に対する意見募集(パブリックコメント)について(国内希少野生動植物種の指定等)(締切 2019/1/8)

環境省では、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づいて、絶滅のおそれのある野生動植物種を「国内希少野生動植物種*1」に指定し、個体の捕獲、譲渡し等を原則禁止するとともに、必要に応じ生息地等保護区の指定や保護増殖事業を実施することにより、種の保存を図っています。 
 今般、国内希少野生動植物種(36種。うち特定第一種国内希少野生動植物種*27種)の指定等を行うため、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)」を取りまとめました。
 本政令案による改正内容について、国民の皆様から広く御意見をお聞きするため、本日から平成31年1月8日(火)までの間、郵送、ファックス及び電子メールにより、御意見を募集いたします。

*1)国内希少野生動植物種:我が国に生息・生育する絶滅のおそれのある野生動植物の種であって、政令で定めるもの。捕獲・採取、譲渡し等が原則禁止となる。現在ヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコ等259種の動植物を指定。
*2)特定第一種国内希少野生動植物種:国内希少野生動植物種のうち、商業的に個体の繁殖をさせることができる等、一定の条件を満たすもの。現在、ハナシノブ、キタダケソウ等35種の植物が指定されている。

1.改正内容(概要)

1-1.国内希少野生動植物種の指定

 環境省では、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4年法律第75号。以下「法」という。)に基づき、我が国において絶滅のおそれのある野生動植物種を「国内希少野生動植物種」として同法施行令に基づき指定し、個体の捕獲、譲渡し等を原則禁止するとともに、必要に応じ生息地等保護区の指定や保護増殖事業を実施することにより、種の保存を図っています。

 この国内希少野生動植物種の指定は、環境省が実施する生息状況調査によりその指定に必要な生息情報が把握できた種のうち、指定要件(※)を満たすものについて行っています。

 今般、以下36種について、新たに国内希少野生動植物種として政令により指定することとします。

1) Pteropus dasymallus dasymallus (エラブオオコウモリ)

2) Murina ryukyuana (リュウキュウテングコウモリ)

3) Myotis yanbarensis (ヤンバルホオヒゲコウモリ)

4) Oceanodroma castro (クロコシジロウミツバメ)

5) Puffinus bryani (オガサワラヒメミズナギドリ)

6) Goniurosaurus kuroiwae sengokui (ケラマトカゲモドキ)

7) Odorrana utsunomiyaorum (コガタハナサキガエル)

8) Hynobius tosashimizuensis (トサシミズサンショウウオ)

9) Cobitis striata hakataensis (ハカタスジシマドジョウ)

10) Cobitis takenoi (タンゴスジシマドジョウ)

11) Gymnogobius nakamurae (コシノハゼ)

12) Oryctes hisamatsui (ヒサマツサイカブト)

13) Rhyothemis severini (ハネナガチョウトンボ)

14) Paratya boninensis (オガサワラヌマエビ)

15) Paraleptuca boninensis (オガサワラベニシオマネキ)

16) Sagittaria natans (カラフトグワイ)

17) Polyalthia liukiuensis (クロボウモドキ)

18) Arisaema kawashimae (トクノシマテンナンショウ)

19) Lonicera kurobushiensis (クロブシヒョウタンボク)

20) Lonicera uzenensis (ウゼンベニバナヒョウタンボク)

21) Triosteum pinnatifidum (ホザキツキヌキソウ)

22) Aster asagrayi var. walkeri (ヨナクニイソノギク)

23) Polystichum lonchitis (ヒイラギデンダ)

24) Eriocaulon seticuspe (ヒュウガホシクサ)

25) Geranium shikokianum var. yoshiianum (ヤクシマフウロ)

26) Crotalaria uncinella (エダウチタヌキマメ)

27) Intsia bijuga (タシロマメ)

28) Fritillaria kaiensis (カイコバイモ)

29) Peristylus lacertifer (タコガタサギソウ)

30) Piptatherum kuoi (イネガヤ)

31) Tomophyllum sakaguchianum (キレハオオクボシダ)

32) Pteris formosana (タイワンアマクサシダ)

33) Ranunculus pygmaeus (クモマキンポウゲ)

34) Thalictrum uchiyamae (ムラサキカラマツ)

35) Randia sinensis (ヒジハリノキ)

36) Triumfetta procumbens var. glaberrima (ケナシハテルマカズラ)

1-2.特定第一種国内希少野生動植物種の指定

 国内希少野生動植物種のうち、繁殖技術が確立されており、その流通を認めたとしても種の保存に影響を及ぼさないと認められるものについては、特定第一種国内希少野生動植物種として、事前に届出を行った事業者による商業的取引を認めています。

 1-1で指定する36種のうち、以下の7種については、特定第一種国内希少野生動植物種の指定要件(※)を満たすため、今般、この特定第一種国内希少野生動植物種に指定することとします。

 また、今回指定される特定第一種国内希少野生動植物種の個体等の譲渡し又は引渡しの業務を伴う事業を行っている者が、法第30条に基づき義務づけられている特定国内種事業の届出を行う場合は、施行日から起算して30日を経過する日までの間に行えばよいこととする経過措置を設けます。

16) Sagittaria natans (カラフトグワイ)

18) Arisaema kawashimae (トクノシマテンナンショウ)

22) Aster asagrayi var. walkeri (ヨナクニイソノギク)

24) Eriocaulon seticuspe (ヒュウガホシクサ)

25) Geranium shikokianum var. yoshiianum (ヤクシマフウロ)

28) Fritillaria kaiensis (カイコバイモ)

34) Thalictrum uchiyamae (ムラサキカラマツ)

1-3.採取等の禁止の対象となる卵及び種子の追加

 1-1で指定する36種のうち、以下の9種の卵又は種子については、採取等の対象となるおそれがあることから、採取等規制の対象とします。

<卵>  

4) Oceanodroma castro (クロコシジロウミツバメ)

5) Puffinus bryani (オガサワラヒメミズナギドリ)

6) Goniurosaurus kuroiwae sengokui (ケラマトカゲモドキ)

7) Odorrana utsunomiyaorum (コガタハナサキガエル)

8) Hynobius tosashimizuensis (トサシミズサンショウウオ)

<種子>

26) Crotalaria uncinella (エダウチタヌキマメ)

30) Piptatherum kuoi (イネガヤ)

34) Thalictrum uchiyamae (ムラサキカラマツ)

36) Triumfetta procumbens var. glaberrima (ケナシハテルマカズラ)

1-4.国内希少野生動植物種の削除

 国内希少野生動植物種に指定されている種のうち、以下の2種については、環境省レッドリスト2018において絶滅(EX)とされたため、国内希少野生動植物種から削除します。

1) Falco peregrinus furuitii (シマハヤブサ)

2) Luscinia komadori subrufus (ウスアカヒゲ)

2.意見の募集

 上記の改正内容について、広く国民の皆様のご意見を募集いたします。ご意見のある方は、別紙の「意見募集要項」に沿って、御提出ください。

 皆様からの御意見は国内希少野生動植物種の指定等に当たっての参考とさせていただきます。

 ただし、御意見に対しての個別の回答はいたしかねますのであらかじめ御了承ください。

 新たに国内希少野生動植物種に指定する種の概要等については、「(資料1)平成30年度新規指定候補種の概要」を御参照ください。

※国内希少野生動植物種及び特定第一種国内希少野生動植物種の指定基準

希少野生動植物種保存基本方針(平成30年4月17日環境省告示第38号)(抄)

第二 希少野生動植物種の選定に関する基本的な事項

1 国内希少野生動植物種

(1)国内希少野生動植物種については、その本邦における生息・生育状況が、人為の影響により存続に支障を来す事情が生じていると判断される種(亜種又は変種がある種にあっては、その亜種又は変種とする。以下同じ。)で、以下のいずれかに該当するものを選定(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七十五号。以下、第八を除き「法」という。)に基づく指定ではなく、同法に基づき指定すべき種の選定を指す。以下同じ。)する。

ア  その存続に支障を来す程度に個体数が著しく少ないか、又は著しく減少しつつあり、その存続に支障を来す事情がある種

イ  全国の分布域の相当部分で生息地等が消滅しつつあることにより、その存続に支障を来す事情がある種

ウ  分布域が限定されており、かつ、生息地等の生息・生育環境の悪化により、その存続に支障を来す事情がある種

エ  分布域が限定されており、かつ、生息地等における過度の捕獲又は採取により、その存続に支障を来す事情がある種

3 特定第一種国内希少野生動植物種 

特定第一種国内希少野生動植物種については、国内希少野生動植物種のうち、商業的に個体の繁殖をさせることが可能な種を選定する。ただし、その国内希少野生動植物種が、ワシントン条約附属書Ⅰに掲載された種(我が国が留保している種を除く。)又は渡り鳥等保護条約に基づき、相手国から絶滅のおそれのある鳥類として通報のあった種に該当する場合には、商業的に個体の繁殖をさせることが可能な種であっても、特定第一種国内希少野生動植物種には選定しない。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室
直通:03-5521-8353
代表:03-3581-3351
室長:番匠 克二(6677)
室長補佐:奥田 青州(6685)
係長:杉山 昇司(7474)
担当:田中 里奈(6687)

 

☆引用:http://www.env.go.jp/press/106310.html