IPBESシナリオ・モデルタスクフォース技術支援機関が、2024年３月１日、我が国の公益財団法人地球環境戦略研究機関（IGES）に設置されました。
IPBESシナリオ・モデルタスクフォースは、生物多様性等のシナリオ・モデルに関するプログラムの実施や、各種のIPBES評価プロセスに対しシナリオ・モデルに関する助言や支援を行うために設置された専門家グループです。
このタスクフォースの活動をIPBES事務局の一部として支援する技術支援機関（Technical Support Unit: TSU）のホスト国が公募され、我が国が応募したところ、IPBESのビューロー（管理運営を担う組織）の選考により、我が国への設置が決定し、2024年３月１日付けで正式にIGESに設置されたものです。
IPBESは、今後、生物多様性の2030年までの世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の実施について、進捗状況の評価等に必要な科学的情報を提供することが期待されています。IGESは、これまでもIPBESの「アジア・オセアニア地域評価」「侵略的外来種評価」のTSUのホスト実績を有しており、我が国の有する知見が国際的な生物多様性保全の推進に大きく貢献するものと期待されます。また、アジア太平洋地域における唯一のIPBES事務局組織として、当該地域からIPBESへの貢献を示すことが期待されています。
環境省は、シナリオ・モデルタスクフォースTSUの迅速な運営開始に必要な会合開催の支援等も含め、引き続きIPBESの活動に貢献していきます。

 

（１）名称
IPBESシナリオ・モデルタスクフォース技術支援機関
（Technical support unit for the IPBES task force on scenarios and models of biodiversity and ecosystem services）
 
（２）業務内容
IPBESの生物多様性等のシナリオ・モデルに関するプログラムの実施や、各種のIPBES評価プロセスに対しシナリオ・モデルに関する助言や支援を行うために設置される専門家グループ「IPBESシナリオ・モデルタスクフォース」の活動を支援します。
なお、同タスクフォースのメンバーは、国連５地域から選定される最大18名の専門家により構成されます。その中には、最大３名のビューローや学際的専門家パネル（Multi-disciplinary Expert Panel: MEP）メンバーの他、必要に応じて選定される関連知識を有する専門家が含まれます。当該タスクフォースメンバーは、後日IPBES事務局から公表される見込みです。
 
（３）設置場所
公益財団法人地球環境戦略研究機関（IGES）
東京サステイナビリティフォーラム
（東京都港区西新橋１-14-２　新橋SYビル４F）
 
（４）設置期間
2027年５月末まで(予定。延伸等の可能性あり)

 

●生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム
（Intergovernmental science-policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services：IPBES）
 
　◆生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化する政府間のプラットフォームとして2012年に設立された政府間組織
　◆2024年３月１日現在、145カ国が参加
　◆科学的評価、能力開発、知見生成、政策立案支援の４つの機能が活動の柱
　◆これまでに以下の評価報告書とワークショップ報告書を作成
　　・生物多様性及び生態系サービスのシナリオとモデルの方法論に関する評価報告書
　　・花粉媒介者、花粉媒介及び食料生産に関するテーマ別評価報告書
　　・生物多様性及び生態系サービスに関する地域・準地域別評価報告書
　　・土地劣化と再生に関するテーマ別評価報告書
　　・生物多様性と生態系サービスに関する地球規模評価報告書
　　・生物多様性とパンデミックに関するワークショップ報告書
　　・生物多様性と気候変動に関するIPBES-IPCC合同ワークショップ報告書
　　・野生種の持続可能な利用に関するテーマ別評価報告書
　　・自然の多様な価値と価値評価の方法論に関する評価報告書
　　・侵略的外来種とその管理に関するテーマ別評価報告書
　◆我が国はIPBESに積極的に関与しており、これまでも「アジア・オセアニア地域評価」、及び「侵略的外来種評価」の技術支援機関をホストしています（ホスト機関：IGES）。 

　◆参考情報