「カーボンリサイクル技術ロードマップ」を改訂しました
経済産業省は、CO2を燃料や原料として利用するカーボンリサイクルについて、その拡大・普及の道筋を示し、イノベーションの加速化を目的とした「カーボンリサイクル技術ロードマップ」を改訂しました。
1.カーボンリサイクル技術ロードマップについて
カーボンリサイクルとは、CO2を資源として捉え、これを分離・回収し、コンクリート、化学品、燃料など多様な製品として再利用するとともに、大気中へのCO2排出を抑制する技術です。
「カーボンリサイクル技術ロードマップ」は、カーボンリサイクル技術について、目標、技術課題、タイムフレーム(フェーズ毎の目指すべき方向性)を設定し、広く国内外の政府・民間企業・投資家・研究者など関係者に共有することによりイノベーションを加速する目的で、各技術分野における学識経験者・技術者を中心に、内閣府、文部科学省、環境省の協力を得て、2019年6月に策定したものです。
2.改訂の経緯
本ロードマップの策定後、国内外においてカーボンリサイクル技術に係る研究開発・事業化が加速するとともに、米国をはじめとした国々との国際的な連携が進展する等、多岐に亘って大きな進展がありました。
また、2020年12月に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が策定されるとともに、グリーンイノベーション基金が創設されました。この中で、カーボンリサイクルは、カーボンニュートラル実現に向けたキーテクノロジーとして位置づけられています。
これらの動向を反映し、カーボンリサイクルの取組を更に加速すべく、本ロードマップを改訂しました。
3.改訂のポイント
(1)進展のあった新たな技術分野(DAC、合成燃料)を追記
DAC(大気中からCO2を直接回収する技術)や合成燃料(CO2と水素を合成して製造されるカーボンフリーな脱炭素燃料)について、開発が進展・加速している状況を踏まえ、ロードマップ上に新たに追記しました。
(2)カーボンリサイクル製品(汎用品)の普及開始時期を2040年頃に前倒し
現行版では、①早期の普及を目指すもの(水素が不要なものや高付加価値なもの)の普及時期を「2030年頃」、②中長期に普及を目指すもの(汎用品)の普及時期を「2050年頃」と設定していたところです。
今般改訂版では、上記②について、開発の進展・加速を踏まえ、「2040年頃」に前倒しました。なお、上記①については、引き続き「2030年頃」を目指して取り組みます。
(3)国際連携の取組を追記
国際連携が進展している状況を踏まえ、その取組内容を追記しました(カーボンリサイクル産学官国際会議の開催、米国・豪州・UAEとの協力覚書の締結、日米気候パートナーシップの締結等)。
4.関連資料
5. 関連リンク
担当
資源エネルギー庁
長官官房 カーボンリサイクル室長 土屋
担当者:富永、佐久間、桒原、柴
電話:03-3501-1511(内線 4681)
03-3501-1727(直通)
03-3580-8564(FAX)
引用:https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210726007/20210726007.html?from=mj