行政(環境省)の環境情報

平成30年度における浄化槽の設置状況等について

浄化槽の設置状況等を把握し、今後の浄化槽関連行政の基礎的な資料とするために、平成30年度における浄化槽の設置状況、法定検査受検状況等について調査を行い、その結果を取りまとめましたので公表します。

1.浄化槽の設置状況

(1)浄化槽の設置基数

浄化槽はし尿と雑排水を処理する個別分散型の汚水処理施設であり、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を目的として整備が進められている。一方、し尿のみを処理する単独処理浄化槽は、平成12年の浄化槽法改正により新設が原則禁止されたが、依然として多くの単独処理浄化槽が残存している。環境省ではより一層、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換を推進するために、補助制度の創設や転換施策を実施している。

平成30年度末時点における浄化槽の設置基数は、以下のとおりである(参考1、参考2及び参考7)。

 

設置基数

平成29年度末の

設置基数

平成29年度末

時点からの増減

全設置基数 7,555,190基 7,580,856基 25,666基減
うち合併処理浄化槽 3,745,513基 3,668,513基 77,000基増
うち単独処理浄化槽 3,809,677基 3,912,343基 102,666基減

また、特に閉鎖性水域における富栄養化を防ぐことを目的として、近年普及している窒素や燐等を除去する大臣認定型の高度処理型浄化槽(窒素又は燐除去型、窒素及び燐除去型及びBOD除去型)の設置基数は1,015,595基(平成29年度は969,604基)であり、合併処理浄化槽の総数の27.1%(平成29年度は26.4%)を占めている(参考1及び参考3)。

(2)合併処理浄化槽の新規設置基数

平成30年度に新たに設置された合併処理浄化槽の設置基数は112,146基である。また、そのうち高度処理型浄化槽の新規設置基数は85,863基であり、合併処理浄化槽の新規設置基数の76.6%(平成29年度は78.1%)を占めている(参考1、参考3及び参考7)。

2.浄化槽の維持管理の状況

(1)浄化槽法第7条に基づく浄化槽の設置後等の水質検査

浄化槽の設置後等の水質検査(以下、「7条検査」という。)は主に浄化槽の設置工事の適否及び浄化槽の機能状況を早い時期に確認するために行うものであり、浄化槽管理者は浄化槽の使用開始後3ヶ月を経過した日から5ヶ月以内に受検することになっている。

平成30年度における7条検査受検率は94.4%であり、平成29年度から増減はなかった。近年は90%程度の水準をほぼ横ばいで推移しており、更なる受検率向上に向けた取組が必要である(参考6及び参考7)。

(2)浄化槽法第11条に基づく定期検査

定期検査(以下、「11条検査」という。)は主に保守点検及び清掃が適正に実施され、浄化槽の機能が正常に維持されているか否かを判断するために行うものであり、浄化槽管理者は毎年1回受検することになっている。

平成30年度における11条検査受検率は43.1%(合併処理浄化槽のみでは61.4%)であり、平成29年度に比べて1.3ポイント増加(合併処理浄化槽のみでは1.0ポイント増加)している。11条検査の受検率は近年堅調に増加しているものの、依然として低い水準にあることから、引き続き受検率向上に向けた取組が必要である(参考6及び参考7)。

3.単独処理浄化槽(旧構造基準型)の設置状況

旧構造基準(昭和44年建設省告示第1726号)に基づく単独処理浄化槽は、平成30年度末時点で908,666基が設置されている。その多くは、設置から40年以上が経過していると考えられ老朽化による破損や漏水等が懸念されることから、より一層、合併処理浄化槽への転換を推進する必要がある(参考4)。

4.参考資料

    • 参考1 平成30年度における都道府県別浄化槽の設置状況等
    • 参考2 浄化槽の設置基数の推移
    • 参考3 浄化槽の設置基数の推移(構造基準別)
    • 参考4 構造基準・人槽別浄化槽設置基数(平成30年度末)
    • 参考5 建築用途別の浄化槽設置割合
    • 参考6 法定検査の受検率の推移
    • 参考7 設置基数・設置割合・新設基数・法定検査受検率の状況

※詳細なデータは、浄化槽サイト「浄化槽の指導普及に関する調査」に掲載している。

「平成31年度(令和元年度)浄化槽の指導普及に関する調査結果」

http://www.env.go.jp/recycle/jokaso/data/shidoufukyu_chousa/index.html

添付資料

連絡先

環境省環境再生・資源循環局廃棄物適正処理推進課浄化槽推進室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5501-3155
  • 室長松田 尚之(内線 6861)
  • 係長板倉 舞(内線 6908)
  • 担当西川 直澄(内線 7870)

 

引用:https://www.env.go.jp/press/107735.html