クマ類、カモシカの生息分布調査の結果について
クマ類は全国の54.8%、カモシカは全国の31.6%のメッシュで、捕獲や目撃等の生息分布情報が得られました。
1.調査方法
今回の調査では平成22年度(2010年度)から平成29年度(2017年度)のヒグマ、ツキノワグマ、カモシカの生息分布情報を対象とし、国や都道府県により実施された生息分布情報を含む調査の結果や、野生鳥獣情報システム*1、市町村アンケート*2、専門家ヒアリング等から収集した情報を集約し、5㎞メッシュ単位で整理しました。
平成15年度(2003年度)に公表した第6回自然環境保全基礎調査(以下「第6回調査」という)と今回の調査では調査方法が異なるので、単純な比較検証はできませんが、ある程度まとまったデータ数を多くの関係主体から収集することができたことから、傾向を把握するため第6回調査結果と比較しました。
なお、第6回調査では、クマ類に関しては、都道府県が地域の専門家等への聞き取りを中心とした調査を、カモシカに関しては都道府県が市町村等へのアンケートを中心とした調査を実施し、それら結果を環境省がとりまとめました(調査方法の詳細については報告書p3-18、第6回調査との比較については報告書p22を御参照ください)。
*1:野生鳥獣情報システム:野生鳥獣の科学的・計画的な保護管理を推進する上で必要な基礎資料として活用される鳥獣関係統計の作成や狩猟者の免許更新事務など、行政担当者が使用するPC上で稼働し、低コストで簡便な情報処理を可能とするシステム(現在は捕獲情報収集システムへ移行)。調査時点で公表されていた平成22年度(2010年度)から平成28年度(2016年度)までのデータを使用しました。
*2:市町村アンケート:クマ類、カモシカの生息可能性がある市町村、それぞれ1,029市町村、789市町村へのアンケート調査を平成29年度(2017年度)から平成30年度(2018年度)にかけて実施しました(クマ類:回答率97.0%、カモシカ:回答率99.2%)。
2.調査結果の概要
今回の調査結果は分布域の概要を示すものであり、個体数の増減を示すものではありません。詳細は添付資料及び調査報告書を御参照ください。
(1)クマ類(ヒグマ、ツキノワグマ)
クマ類については、行動範囲が広いため、恒常的な生息ではなく、一時的な出没である可能性がある情報を含んでいることに注意が必要です。
・今回の調査では、全国(計17,068メッシュ)の約半分(54.8%)にあたる9,358メッシュで生息分布情報が得られました。
・第6回調査との比較では、次のようなことが明らかになりました。
-第6回調査では6,735メッシュであった生息分布情報が、今回の調査では9,358メッシュとなり、生息分布情報が得られたメッシュ数が約39%増加しました。
-特に中国地方、近畿地方で生息分布情報が得られたメッシュ数の増加が顕著でした(それぞれ170.2%、68.9%の増加)。一方、四国地方では減少しました(32メッシュから28メッシュ、12.5%の減少)。各地方ブロックの分布図は報告書p27~31を御参照ください。
(2)カモシカ
・今回の調査では、全国(計17,068メッシュ)の約3割(31.6%)にあたる5,387メッシュで生息分布情報が得られました。
・第6回調査との比較では、次のようなことが明らかになりました。
-第6回調査では5,010メッシュであった生息分布情報が、今回の調査では5,387メッシュとなり、生息分布情報が得られたメッシュ数が約7.5%増加しました。
-地方別では、九州地方、四国地方で生息分布情報が得られたメッシュ数が増加し(それぞれ25.0%、22.8%の増加)、近畿地方で減少しました(9.3%の減少)。各地方ブロックの分布図は報告書p36~41を御参照ください。
3.調査報告書について
本調査の詳細につきましては、「平成30年度中大型哺乳類分布調査報告書 クマ類(ヒグマ、ツキノワグマ)・カモシカ」(環境省自然環境局生物多様性センター 2019)をご覧ください。
報告書は、環境省生物多様性センターホームページで閲覧・ダウンロードすることが可能です。
環境省生物多様性センターホームページ http://www.biodic.go.jp/
また、上記ホームページでは、第2回、第6回調査の報告書も掲載しております。
添付資料
連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性センター
- 代表0555-72-6031
- 直通0555-72-6033
- センター長曽宮 和夫
- 総括企画官田口 和哉
- 担当齋藤 佑介