行政(環境省)の環境情報

令和6年度地方公共団体における効果的な熱中症対策の推進に係るモデル事業の採択結果について

「令和6年度地方公共団体における効果的な熱中症対策の推進に係るモデル事業」を実施する地方公共団体として、福島県、福島県楢葉町、千葉県いすみ市、東京都渋谷区、神奈川県横須賀市、石川県金沢市、静岡県焼津市、大阪府吹田市、広島県府中市の9件を採択しました。
なお、本事業は令和6年度予算の成立が前提となるものです。

■ 事業の目的
我が国における熱中症による救急搬送人員は毎年数万人を超え、死亡者数は5年移動平均で1,000人を超える高い水準で推移しています。
地球温暖化の影響が懸念される中、令和3年8月に公表されたIPCC の第6次評価報告書第1作業部会報告書では、地球温暖化の進行に伴い、今後、「顕著な高温」の頻度・強度がますます高まっていくことが予測されており、海外では熱波の発生が頻発し、甚大な健康被害が生じています。
こうした背景から、令和5年4月に「気候変動適応法及び独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律」が成立し、さらに同年5月に「熱中症対策実行計画」(以下計画という。)が閣議決定されました。
計画では、“地方公共団体及び地域の関係主体における熱中症対策”が柱の一つとなっており、その役割が拡大・深化し、さらに連携を密にしていく必要があります。このことから、令和6年度においても、引き続き「地方公共団体における効果的な熱中症予防対策の推進に係るモデル事業」(以下「地域モデル事業」という。)を実施し、地域におけるより先進的で具体的な熱中症対策の更なる充実、浸透と推進を図っていただく地方公共団体を公募により選定し、取組を進めてまいります。令和6年度に実施する地域モデル事業については、令和5年度内の公募・審査等を環境省が、令和6年度の具体的な支援等を独立行政法人環境再生保全機構が、それぞれ行います。

■ 地域モデル事業の採択
令和6年1月9日(火)から同年2月9日(金)までの期間、地方公共団体の公募を行い、審査委員会における厳正な審査の上、以下の9つの地方公共団体を採択しました。他の地域における積極的な熱中症対策の推進に資するため、令和6年度末には、事業の成果等の結果について公表することを予定しています。

① 福島県
② 福島県楢葉町
③ 千葉県いすみ市
④ 東京都渋谷区
⑤ 神奈川県横須賀市
⑥ 石川県金沢市
⑦ 静岡県焼津市
⑧ 大阪府吹田市
⑨ 広島県府中市

<概要>
① 福島県
庁内及び県内推進体制を活用したメーリングリストを作成し、即時の情報連絡網を構築する。県内の指定暑熱避難施設やその候補施設の登録とマップ公開を行う。県内4市や商業施設等と連携したイベントによる普及啓発を行う。

② 福島県楢葉町
高齢者への啓発及び社会福祉協議会との連携並びに脳の健康と熱中症対策に着目した取組を行う。

③ 千葉県いすみ市
救急搬送者の6割を占める高齢者のリスク低減のため、高齢者が集まる施設の代表者へチラシ等を利用し説明を行う。また、公共施設の一部に休憩スペースを設けて水などの飲料を提供する。

④ 東京都渋谷区
小学校区内の各種イベントにおいて、パネル表示やクールスポットの設置(一部ウェアラブル端末による実証を含む)等を通じて、熱中症対策への理解を促進する。
渋谷区では、既にお休み処の設置等の取組を行っており、熱中症対策の認知度向上を目指す。

⑤ 神奈川県横須賀市
「熱中症に負けない地域づくり」を目指し、民生委員等を対象とした講習会などによる普及啓発に加え、指定暑熱避難施設の整備に向けた「ひと涼み施設」と気軽にひと涼みできる「ちょこっとひと涼み施設」を設置する。

⑥ 石川県金沢市
高齢者への啓発及びクーリングシェルターの取組と合わせて、令和6年能登半島地震による被災者の熱中症対策も本事業で対応を検討。熱中症に対して知見をもつ団体を熱中症対策普及団体に指定する想定。

⑦ 静岡県焼津市
プロジェクトチーム、ワーキンググループ設置など庁内体制を綿密に整備するとともに、民生委員等を通した、熱中症弱者への支援を重点的に行う。

⑧ 大阪府吹田市
元気な高齢者、介護を要する高齢者及び社会的なつながりが弱い高齢者、それぞれに適した効果的なアプローチを検討する。また、これまでのプラットフォーム会議を活用し、「熱中症対策普及団体」の指定に関する課題を整理する。

⑨ 広島県府中市
令和4年から小学生が地域の高齢者に向けて熱中症対策の研究発表会を開催している。高齢者が立ち寄りやすい市街地にある公共施設やショッピングセンターをクーリングシェルターとして指定・開放。

(参考)
令和6年度地方公共団体における効果的な熱中症対策の推進に係るモデル事業の公募について(令和6年1月9日付け報道発表)
https://www.env.go.jp/press/press_02598.html

連絡先
環境省大臣官房環境保健部環境安全課
代表  03-3581-3351
直通  03-5521-8261
課長  川 圭子
課長補佐  矢舩 順也
課長補佐  高田 直美
主査  﨑枝 京子
主査  程藍

引用:https://www.env.go.jp/press/press_02847.html