行政(環境省)の環境情報

「気候変動適応計画の令和4年度施策フォローアップ報告書」の取りまとめについて

背景

気候変動の影響に対処し、被害を回避・軽減するため、適応策を推進することが重要です。政府においては、平成30年6月に公布、同年12月に施行された「気候変動適応法」及び同法に基づく「気候変動適応計画」(令和3年10月22日閣議決定、令和5年5月30日一部変更閣議決定。以下「適応計画」という。)に基づき、関係府省庁において、総合的かつ計画的に適応の取組を進めてきました。
  今般、「気候変動適応推進会議幹事会(第5回)」において、令和4年度に実施した施策のフォローアップを行い、「気候変動適応計画の令和4年度施策フォローアップ報告書」として取りまとめました。
 

報告書の概要

(1) フォローアップの結果概要

適応計画の7分野(農林水産業、水環境・水資源、自然生態系、自然災害・沿岸域、健康、産業・経済活動、国民生活・都市生活)と基盤的施策について、各施策を担当する関係府省庁が、対象となる施策の実施状況を個票に記載することで、令和4年度に実施した全施策の進捗状況を把握しました。
その一環として、持続可能な世界を実現するための17のゴールに資する気候変動適応策の取組との関係を整理し、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献を確認しました。令和4年度に実施した取組・事業について、以下の順で関連するゴールが多いことを確認しました。

  • 13 気候変動に具体的な対策を
  • 15 陸の豊かさも守ろう
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 14 海の豊かさを守ろう
  • 2 飢餓をゼロに

 
  また、分野別施策に関する38のKPIと基盤的施策に関する29のKPIについて、令和3年度の実績値から令和4年度の実績値の変化を確認しました。分野別施策においては、前年度との比較が可能な33のKPIのうち、23のKPIで前年度実績からの進展を確認しました。また、基盤的施策においては、前年度との比較が可能な28のKPIのうち、17のKPIにおいて実績の進展を確認しました。
 ※ 令和4年度の数字を把握できなかったKPIについては、把握可能な直近の年度で確認しています。

(2) 今後の課題と方向性

 フォローアップ報告書の策定・公表は、各府省庁において適応計画の施策の進捗状況を自ら把握し、必要に応じて施策の見直しに活用していく機会にするとともに、国民に情報提供をする上で有効な機会になるものと考えられます。
 また、気候変動適応法第9条では、政府は「気候変動適応計画の実施による気候変動適応の進展の状況をより的確に把握し、及び評価する手法の開発に努める」ものとされています。このため、令和4年度には諸外国における気候変動適応に関する計画の把握・評価手法の検討状況に関する情報収集、整理等を行うとともに、中長期的な気候変動適応の進展及び適応策の効果を把握するための具体的な評価手法の検討を行いました。今年度は、引き続き検討を行い、進捗状況を中間報告書に取りまとめる予定です。令和8年度予定の適応計画見直しに向けて、引き続き今後の事業の進展と適応策による気候変動影響の低減効果の両面を評価する適応計画のPDCA手法の開発を進めてまいります。
 

参考

※「気候変動適応計画の令和4年度施策フォローアップ報告書」は、次のウェブサイトにおいて掲載しております。
  https://www.env.go.jp/earth/earth/tekiou/page_00004.html

※気候変動適応推進会議幹事会の資料は下記のHPを御参照ください。
議事概要についても下記のHPに掲載予定です。
  http://www.env.go.jp/earth/earth/tekiou/post_45.html 

 

連絡先

環境省地球環境局総務課気候変動適応室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8242
室長 中島 尚子
室長補佐 池田 俊
担当 山中 彩紀子

 

引用:https://www.env.go.jp/press/press_02317.html