行政(外務省)の環境情報

岸田外務大臣の持続可能な開発のための国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)等出席

 岸田外務大臣は,7月17日,ニューヨークの国連本部で開催された持続可能な開発のための国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF),日本政府・関係国政府・UNDP共催サイドイベント,日本政府主催レセプションに出席したところ,概要以下のとおりです。

1 国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)「自発的国家レビュー」セッションにおけるプレゼンテーション

  • (1)17日午後,岸田外務大臣は,国連本部で開催されたHLFP「自発的国家レビュー」セッションに出席し,英語にてプレゼンテーションを行い,「誰一人取り残さない」多様性と包摂性のある社会の実現に向けた日本の取組につきアピールしました(大臣スピーチ(英文(PDF)別ウィンドウで開く / 和文(PDF)別ウィンドウで開く))。
     具体的には,SDGsについて,「日本を元気にし,世界を元気にする取組」であると指摘,その上で,「全ての方々が,その持てる能力を最大限発揮し,あらゆる場で活躍できる多様性と包摂性のある社会」,「一人で厳しい生活の中,子育てしているお母さんやその娘さん,あるいは障害を持って生まれた男の子であっても,誰もが活躍できる,そういう社会を作りたい。」と述べ,「そのような社会の実現に向け,日本は,国内的にも国際的にもSDGs達成にしっかりと取り組んでいく。」旨述べました。その上で,SDGs実施のための「基盤整備」,具体的には「SDGs推進本部」の設置,「SDGs推進円卓会議」等における意見交換を経て「SDGs実施指針」を作成したことにつき説明し,この基盤の下で,掲げたビジョンの実現を目指し,官民パートナーシップ(Public Private Action for Partnership: PPAP)の考え方に基づき,「政府だけでなく,市民社会や民間企業等を巻き込んだ日本の多様な叡智を結集させ,国内外で具体的なアクションを起こしていく。」との決意を表明しました。
  • (2)引き続き,映像資料別ウィンドウで開くを使ってPPAPに立脚した具体例を紹介しました。具体的には,(ア)日本の地方発のテクノロジーによる途上国支援として,北九州市の水道技術による国際技術協力,(イ)母子保健の取組と途上国への展開として,JICAによる母子健康手帳の途上国導入支援,(ウ)食・食料問題に係る製品や循環システムによる企業の社会課題解決への取組として,味の素「KOKO Plus」及び日本フードエコロジーセンターの取組を紹介しました。
  • (3)その上で,SDGsが2030年とその先にある未来を造る取組であり,その実現には次世代を担う子ども・若者のエンパワーメントが鍵となるとの観点から,日本でイノベーティヴな高校を創設・運営に取り組む小林りん氏(インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢代表理事)から,次世代の育成,とりわけ,平和と持続可能性に向け「変化を作る人間(change agents)を育てていくことの重要性につき学校経営の経験を基に発信いただきました。
  • (4)以上を土台として,岸田外務大臣から,次世代に焦点を当てた施策を重視する姿勢を強調の上,日本国内でも,格差是正や女性の活躍など,真剣に取り組むべき課題がある旨指摘,その観点から,子どもの貧困や暴力への対策や若年層雇用対策を含め,SDGs実施指針に盛り込まれた関連施策を総合的かつ強力に実施する旨言及しました。国際協力の面でも,「人間の安全保障」の理念に基づき,SDGsに係る国際協力を推進していく旨表明の上,とりわけ,次世代に着目し,子ども・若年層に焦点を当てて,教育,保健,防災,ジェンダー分野等を中心に2018年までに10億ドル規模の支援を実施する旨表明しました。
  • (5)岸田外務大臣から,こうした取組を強力に展開していく上で,SDGsの認知度向上が不可欠であり,ジャパンSDGsアワードの創設別ウィンドウで開くSDGsにコミットする団体へのロゴマークの付与といった取組を紹介し,地方でのSDGsの普及・推進やエンタメ業界との連携等によって,SDGsの認知度向上と更なる取組の推進のために「国民運動」的活動を展開していく旨発言しました。
  • (6)以上のプレゼンテーションの後,行われた質疑応答では,タイ,カナダ,国連子供・若者メジャーグループ(UN Major Group for Children and Youth)の代表から持続可能な開発目標(SDGs)達成への日本の具体的な取組や,途上国のSDGs達成に向けどう支援していくか等の質問を受けました。これに対し,日本としては誰もが活躍できる全員参加型社会,「一億総活躍社会」の実現に向け,特に若年層支援やジェンダー分野の政策への取組を進めており,今後の途上国支援についてもSDGsの要素を盛り込んだ国家戦略等の策定等に対する協力を行い,若年層支援やジェンダー分野の政策の支援をしていく旨回答しました。
(参考)国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF: High Level Political Forum)
  • (1)2030アジェンダの国際的なフォローアップとして最も重視されるフォーラム。国連経済社会理事会主催(閣僚級,毎年)と国連総会主催(首脳級,4年毎。次回は2019年)。今年は7月17日から19日までニューヨークにて閣僚級会合を開催。
  • (2)ハイレベル政治フォーラムでは,自国の2030アジェンダに関する取組を発表する「自発的国家レビュー」が注目度の高いイベントであり,今年は日本を含む44か国が参加(昨年は22か国)。

2 岸田外務大臣による日本政府・関係国政府・UNDP共催サイドイベント出席

  • (1)17日午後,岸田外務大臣は,日本政府がインド政府,タイ政府,マレーシア政府およびUNDPと共催するサイドイベントの閣僚セッションに,ドーン・タイ外務大臣およびシュタイナーUNDP総裁と共に出席しました。
  • (2)この中で,岸田外務大臣は,あらゆるステークホルダーが国を超えて共通の課題に挑戦していくための「パートナーシップ」の構築が重要であると述べ,国を跨いだ形でのパートナーシップとアジア地域における経験の共有の重要性について訴えました(大臣スピーチ(英文(PDF)別ウィンドウで開く / 和文(PDF)別ウィンドウで開く))
  • (3)損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社及び日本フードエコロジーセンターより,民間セクターの優良事例としてそれぞれの取組を,また,タイからは持続可能な経済モデルの構築に関する取組等,マレーシアからは市民社会との連携等,インドからは地方自治体の役割について紹介されました。

3 岸田外務大臣による日本政府主催レセプション出席

    • (1)国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)に出席のため米・ニューヨークを訪問した岸田外務大臣は,7月17日(月曜日)19時(現地時間。日本時間18日(火曜日)8時)から約20分間,国連本部デリゲーツ・ダイニング・ルームにて,日本政府主催レセプションに出席し挨拶を行いました。
    • (2)挨拶において岸田外務大臣は,SDGs達成に向けた我が国の決意として「誰一人取り残さない」世界へ向け,日本は走り続けることを約束するとともに,その取組にあたっては,あらゆるステークホルダーが国を超えて手を携え,共通の課題に挑戦していくパートナーシップの構築が重要であること及びSDGsの普及が重要である旨述べました。
    • (3)また,ヴィオッティ国連事務局官房長からグテーレス事務総長メッセージが代読され,日本のSDGs達成に向けた取組へ感謝し,今後の取組にも期待する旨述べられました。さらに,SDGsに関する広報啓発動画を制作したピコ太郎によるパフォーマンス(オリジナルPPAPとPPAPのSDGsバージョンを国連学校の子供たちとともに)が行われ,SDGsの推進において日本政府が重要視する「Public Private Action for Partnership(PPAP)」を発信しました。
    • (4)さらに、本レセプションでは,広島産の日本酒や日本食が振る舞われるとともに,SDGsの実施に積極的に取り組む民間企業や市民社会団体もブースを出展し,その先進的な取組を紹介した他,国連広報センター(UNIC)による写真展示も行われ,日本のSDGs推進に向けた取組をアピールする本レセプションを華やかに彩りました。

(参考)
 本レセプションは,19時から21時まで開催され,HLPFに参加する各国代表団,国連職員,国際機関関係者等,約300名が出席しました。


 

引用 http://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/gic/page1_000359.html