OECDによる2019年の各国ODA実績(暫定値)の公表
4月16日,経済協力開発機構(OECD)が2019年(暦年)のOECD開発援助委員会(DAC)メンバーのODA実績(暫定値)を公表しました。
1 我が国のODA実績は,米ドルベースで前年比9.5%増の155億0,672万ドル(円ベースでは前年比8.1%増の1兆6,909億円)となりました。DACメンバーのうち,EUを除く29か国の中で,我が国の実績は,米国,ドイツ,英国に次ぐ第4位であり,2015年以降5年連続で第4位となりました。
2 前年に比べ実績が伸びた主な要因としては,質の高いインフラ整備の促進等を背景に,二国間の有償資金協力(円借款等)の供与額が増加したことが挙げられます。
3 ODAの対国民総所得(GNI)比については,DACメンバー全体で0.30%(前年は0.31%),我が国は0.29%(前年は0.28%)となりました。我が国はDACメンバー中,第13位(前年は第16位)です。
4 DACメンバーのうち,EUを除く29か国のODA実績合計は1,528億米ドル(前年は1,535億米ドル)となりました。
[参考1]DACにおいては,2018年実績から,標準のODA計上方式として贈与相当額計上方式(Grant Equivalent System:GE方式)が採用されている。GE方式は,有償資金協力について,贈与に相当する額(贈与相当額:Grant Equivalent)をODA実績として計上するものであり,贈与相当額は,支出額,利率,償還期間等の供与条件を定式に当てはめて算出され,供与条件が緩やかであるほど(譲許性が大きいほど)額が大きくなる。
従来の標準のODA計上方式であった支出純額(ネット)方式においては,日本の有償資金協力は,過去の貸付の回収額がマイナス計上されることによって支出額が相殺されてしまい,合計がマイナスになる年もあった。一方,新たなGE方式では,回収額のマイナス計上がなくなり,贈与相当額がプラス計上されるのみとなった。また,日本の有償資金協力は額が大きい上に供与条件が緩やかであるため,贈与相当額も大きくなる。その結果,日本の2019年実績の場合,支出純額方式に比べ,GE方式では,3割以上大きく計上される。
[参考2]DAC指定為替換算レート
2018年:1米ドル=110.4378円
2019年:1米ドル=109.0459円
引用 https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_008417.html