【開催速報】一人ひとりの想いが地域を、日本を変える パブリックコメントワークショップ‐ESD国内実施計画(案)‐(札幌 香川高松同時開催)
平成28年1月13日(水)に開催されたパブリックコメント・ワークショップには、34人(札幌会場:23人、高松会場:11人)の方がご参加いただきました。誠にありがとうございました。こちらは「ESD国内実施計画(案)」に対する模造紙への書き込みや、コメントのあった意見の一覧です。ページ番号は「ESD国内実施計画(案)」に対応しています。また「○」は「その意見が最も重要だと考えた参加者がいた」ことを示すものになっています。主に書き込みから起こしたものであるため、一部、解釈が難しい内容や作業上の不備もあると思いますが、皆さんがパブリックコメントに取り組む参考になれば幸いです。
なお、このページ最下段に、パブリックコメント・ワークショップの実施ガイドラインを掲載しました。こちらも合わせてご参考ください。
「ESD国内実施計画(案)」パブリックコメントWS 開催概要はこちら
http://epohok.jp/news/index.php?page=article&storyid=387
「ESD国内実施計画(案)」パブリックコメントについてはこちら
※締切 1月17日(日)
https://www.env.go.jp/press/101799.html
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●全体を通して
あまり企業が書かれていない。もう少し具体的に書かれても良いのではないか
●1ページ
(1)ESDの定義
・「世代間倫理の問題」の意味を見直して欲しい。『人類の活動により、…などの問題が起き』という書き出しにして欲しい
・項目に関連性を持たせ、ストーリーを見直すべき
・最初の一段落は、広義すぎる
・「人類が将来の世代にわたり恵み豊かな生活を確保」とあるが、書きぶりを直した方がよい。環境を悪くしている人類が豊かな生活を求めるのは適当なのか?
○21行目、「環境教育や開発問題等の理解を深め」の部分について、以下共通だが、開発教育、人権、平和教育等の表記が少ない。SDGsの17の目標をフォローできるような記載となるとよい。後段では「環境等」と片づけられているものは前のほうで文字にされているとよい
・「我が国は、東日本大震災から~」の段落は、つけたしっぽい
・「防災・減災の視点からもESDは重要である」の部分について、重要だと言っているわりに知らない国民が多い気がする。もっと認知度を広める努力も必要では?
○「防災・減災の視点からもESDは重要である」の部分について、日本は古来より、自然災害を受け易い環境に有り、幾度もの被害を乗り越えて来た経験を有する。特に阪神大震災では「ボランティア元年」と言われたように、その要素がDNAにしみついている。これらの経験を活かし、海外にも発信していく
●2ページ
(イ)DESDにおける我が国の取組
○「また、誰もが教育から恩恵を受ける機会を有し~基本的ビジョンとしていた」の部分については、ビジョンが見えない。「必要な価値観、ライフスタイルを学習する機会を有する」とあるが具体的に見えずビジョンを持ちにくいので、そのあたりをもっと学習する機会がほしい
●3ページ
ii DESDの課題
・「一部の地域社会での変革に留まっている」のはなぜか
・「多様なステークホルダー」とは誰のことか具体的に明記を。なぜ連携が必要なのか踏み込むべき
・「多様なステークホルダーの参加」とあるが、参加よりも前に、そもそも知らない、自分たちの活動とESDとの接点があると見えていない(ESD=環境教育のようなイメージしかない)。そこから変える必要がある
○「各学校においてもESDの理解や活動の程度に差があるという課題」部分、差があるどころの話ではない。実感としては9割以上の教員が知らない。広めるにはどうしたらいいのか
・95%以上の教員は知らない
・「今後のESDの更なる推進を図るにあたっては~力を入れるべきである」については、今まで真剣にやってこなかったから
・根源的なのに余裕の中でやるイメージ(優先度が低くなる)
・全体的に地域間格差の是正を課題としているが、取り組みに目新しさがなく、今までの取組の評価をきちんとする必要がある
●5ページ
(4)本計画実施の位置づけと実施体制
・ESD関係省庁連絡会議について、連絡会議だけでは行政の縦割りを崩せない。行政の縦割りをなくすのが一番のESD
・ESD円卓会議について、何が話されているのか分からない。公開性を高めるべき。地域での開催は?
・円卓会議よりも市民社会との対話が必要
2.基本的考え方
・ESDの活動分野に関して、ビジョンと達成の為の図が欲しい。現状があって、目標があって、ビジョ
ン
○最初に国民に対するESDの浸透を図る政策の展開を入れるべき。ESD=環境養育という意識もあり、ステークホルダーがESDに関わっているという意識がないので、そこを最初に書くべき
(1)優先行動分野の推進
○本実施計画では、GAPにおいて示された以下の5つの優先分野の下で~とあるが、目的・目標が書かれず、いきなり優先分野が記載されている。GAPの前半部分(原則・目的ががかれている)について触れらえていない。目的がないということは、つじつま合わせしたとしか思えない(GAPの原則・目的にふれるとしたら、「2.基本的考え方」の前になるだろう)
○GAPの推進に感じる不足点として、(行政内のウエイトは別として)世界的な取組、かつ省庁、政府として重要事項としての扱いであるのに、マスコミのとりあげ、宣伝が少なく感じ、「市民」がほとんど知らないと感じる。行政ルート、教育ルートだけでなく、宣伝戦略を言える取組、年次計画がある方がよい(新たな項目として作ることも)
・優先分野については、概念図・構成図(重点分野とステークホルダーを結びつけ、整理をしたもの)があった方が全体像を掴みやすい
(2)ステークホルダーへの期待
・地域の活動の場に対する支援などあれば言及して欲しい
・「ステークホルダー」という語を使いすぎ(文章になっていない)
・企業については、CSRとESDとの関係を周知するなどか
・「ユースをキーとなるステークホルダーとして~」という部分は、なぜユースが一番のキーなのか
・「国は、各ステークホルダーの~」という部分について、「政府は」とした方がよい
●6ページ
3.優先行動分野の概要とステークホルダーの取組
・「政府以外の各ステークホルダーの取組腰が中心であることは言うまでもない」という部分は、国民がESDを知り、取り組んでいけるようなサポートをしているのか?
①政策的支援(ESDに対する政策的支援)
・「なお、政策立案にあたっては、先進的な自治体の取組において…参考になると考えられる」という部分が弱気である
●7ページ
・7ページ以降には、「~を実施する」「~を図る」「~を実施していく」という記述が各所にあるが、主語がない。政府の実行計画であることから、主語は「政府」であると思うが、正しく記載すべき。その上で、政府ではなく、文科省は、環境省は、国交省は、と責任の所在を明らかに記載すべき
・手引き、モデル校、あまりいいと思えない。浸透している気がしない
a)教育政策へのESDの位置づけに関すること
・「持続可能な社会の構築の観点はすでに」について、うすくまだまだである
・「学習指導要領にも盛り込まれており」について、前から入っている。遅きに失すると思う
〇新学習指導要領の小・中・高それぞれの「総則」に文章のせるべき。書かれれば違う
〇観点が書かれているとあるが、観点読めるほど教員は賢くないので、明記して欲しい
・全国の学校でのEDS実践はない
「ESDについての教育委員会や教職員等の理解の不足」について、なぜそう分析したのか。推進していくべき
・「質の高いESDの実践」の実施を。
●ESDに関する教材・資料の作成・活用と教員研修の実施
〇「教員研修」は、免許更新にも必要。教職課程に位置付けないと教員になってからだと遅い。大学や高校から養成したほうが良い
〇教職課程の学生だけではなく一般教養の学生にも必要な部分と思う。インフォーマルな教育に落とす必要があると感じる
・「ESD実践の手引き(仮称)」は絶対に刊行を。環境教育のやき直しは避けて欲しい
・「研修の実施」について、全国各地で実施としてほしい
・「ユネスコスクール=ESDとしていいのか?大いに疑問である
・「ユネスコスクール」すべてをESDモデル校として位置付けるのか?ピンキリである
●体験活動を通じたESDの推進
・「児童生徒の健全育成等を目的として、宿泊体験活動を行う…」の部分において、「宿泊体験活動」だけに絞らない方がよい。『宿泊体験活動“など”』が望ましい
・「世界遺産や伝統行事」の記載は、ユネスコ特有である
b)持続可能な開発に関する政策へのESDの反映に関すること
・ESDは環境教育ではない
・「持続可能な消費と生産など」のところに、フェアトレードも明記して欲しい
●8ページ
〇北海道の地域特性からエコツーリズムを特だしで扱ってほしい
〇北海道のステークホルダーに対しての希望
〇方針については宣伝、アクションについては既存の箱、組織等を想定する。地域に落とし込むストロングポイントとして、エリアの強みを出すエコツーリズムがある
〇47都道府県が共通目標とエリア目標を設定しストロングポイントを活かすと地域に落ちてくるのではと感じる
●多様な自然環境における学習機会の提供
・自然環境に対してのみ「学習機会の提供」とし、その他は「多様な分野」は、「広報啓発」なのか。こちらに対しても「学習機会の提供」となるとよい」
c)多様なステークホルダーの連携の促進に関すること
●全国的なESD支援のためのネットワーク機能の体制整備
〇センターを新たに作るのではなく、ビジターセンターや科学館、博物館の中につくるのはどうか。教育施設であり、ネットワークもある。似たようなものがたくさんあっても仕方がないし、人的資源や資金が分散するので、既存のものを活かし含ます方がいい。ITの活用などを駆使すると低予算でできる可能性があり、現実的か
・岡山市の公民館のように、学習拠点にもなっている
・現状の支援グループが体制を作る方が現実的だと思える(例:EPOなど)
・支援センターは具体性に欠ける。もう少し踏み込んで、記載すべきではないか
●9ページ
d)国際的なESDの推進等に関すること
・「ユネスコ等の国際機関等」にUNDBや外務省との連携も含めて欲しい。ODA大網が国際協力大網
へ変わったことも含め
●ESDに関する政策的な取組
・企業が支援して、大学生がNGOで活動する場と、資金を提供し、それが学位になるプログラムのような助成があるといい
・「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を教育として続けて欲しい
・「カンボジアにおける持続可能な…」は、なぜカンボジアだけなのか?
●国際機関を通じたESDの推進
・国内のESDとRCEの目的や体制を明確に分けるのがいいと思う
●10ページ
②機関包括型アプローチ(ESDへの包括的取組)
・様々な機関と言いつつ「学校」しか対象になっていない
・環境だけはなく、人権や文化の多様性等にも配慮すべきでは
●学校における教科横断的なカリキュラムづくり、ネットワークの形成・強化
・学校全体のカリキュラムを通じて取り組まれないと、「ESDをする」という意味になってしまう
・検討ではなく、実施をお願いする
●モデル校などの育成
・エコスクールになるためには、ハードルが高すぎる。一般学校も指定校とすべきである
・太陽光パネルを学校につけても、一助の盛り上がりで終わる。学校学位で取り組むことが効果的なのか
・学校単位で取り組むこと自体、そろそろ限界ではないか
③教育者(ESDを実践する教育者の育成)
・学校教員にもファシリテーターの能力・態度を身につける必要あり
・「ノンフォーマル、インフォーマル…」の言葉の定義が分からない。18歳の人に分かるものでないと、意見を出してもらえない。18歳で分かるという前提で出してもらいたい。役所言葉を租借できる人が何人いるのか考えて欲しい。注釈が必要。これでは意見を出せない
●11ページ
●教職員研修
・「ESDに関する教員の指導力向上…」は、教員の「指導力」ではなく「コーディネート力」
〇教員の負担増加による弊害はないのか。高校教員は、業務が多い
〇教員以外の人材も必要。教員以外の資源の活用は非常にいいと思う
・平成27年度に手引きを必ず作り、平成28年度に合同研修会の実施を望む
●教職員を対象とした交流
・現役教員は大変そうである。OBが活躍するのはどうか
●ESD実践者を支援する者の育成
・「支援する『者』「人材」は、誰のイメージなのか?育成する側の人達のイメージは?
・環境教育だけではなく、一般市民への環境情況紹介や解説が必要
・「地域においてESDの視点を取り入れた環境教育等」について疑問
④ユース(ESDへの若者の参加の支援)
・ユースと書いてあるが、ユースにも分かるように注釈すべき
・教職員希望者に対する教務課程にカリキュラムを
・教員養成系の大学や教職課程の科目としてESDを必修にしてほしい
●13ページ
・「地方環境パートナーシップ等におけるコーディネートの推進」について、EPOや各県の温暖化センター、同じような組織が乱立?
・「地域の身近な場におけるESDの取組の推進」という項目に、地域の身近な場においてESDの視点を取り入れた環境教育等を受けられるよう、とあるが、等はあるものの、なぜここであえて「環境教育」と書いてあるのか
・いつのまにかESD=環境教育になってしまっているのが最大の課題
・「地域の身近な場におけるESDの取組の推進」という項目の4行目について、誰がこの取り組みを行うのか主語がないので記載すべき(政府は…ではないと思うので)
●地域レベルでのネットワークの形成や学習の機会の提供
・「伝統文化の継承」を盛り込むべき
・取組に関して、民間ユネスコ運動との協力も盛り込んで欲しい。フェアトレードなど、さまざまな対象にESDを具体的にアピールできる方法があるということを盛り込んで欲しい
●14ページ
(1)取組状況の点検・見直し
○ステークホルダーが主体的に点検するには、分かりやすくて、やりやすい点検の仕方を提示すべき(ステークホルダーがどうやって評価するか抽象的)
・変容や反省を踏まえた書き込みにすべき。(ESDの10年の反省を踏まえ、次期は評価をしっかり)
・「関係ステークホルダー各自が~自主的な点検を行うのが望ましい」とあるが、余計なお世話。政府の計画なのだから政策の点検を真剣にやるべし
・「関係ステークホルダー各自」に点検を求めることについて、この実行計画が政府の実行計画として策定されるものであることから、不合理ではないか。責任の転嫁ではないか
・点検・評価できる市民組織、市民科学者の登場が必要
・数値的目標が必要ではないか。数値目標がなければ、最終年における評価があいまいになるのではないか
以 上
● ダウンロード用ファイル
パブリックコメントWS 開催ガイドライン(PowerPoint文書:97kb)
※(参考)パブリックコメント
環境省 http://www.env.go.jp/info/iken/
政府「電子政府の窓口」 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public