環境中間支援会議・北海道

環境学習等推進拠点の運営状況に関するアンケート調査の結果について

調査の背景

 北海道には自然分野を中心に地域の環境学習や環境保全活動の拠点となる施設(以下、「環境学習施設等」)が多数設置されている。その多くは、1992年の地球サミットに端を発する環境保全の潮流や環境学習、自然体験等の活性化等への社会的期待を受けて整備され、来訪者や住民に気づきや学びを提供するとともに、観光や教育・人材育成等の面でも一定の役割を果たしてきた。しかし、東日本大震災・東京電力福島原子力発電所事故以降の人々の環境意識の変化や近年の地域の存続をかけた地方創生の要請等の中で、これらの拠点に期待される役割は変化してきている可能性がある。
 一方、地方財政の悪化や管理運営の民間移行等に伴う新たな問題も指摘されており、施設がさまざまな社会的要請に応えていくうえで解決すべき課題の存在も想定される。
 これまで、環境学習施設等については、データベースの整備等は行われてきており、個別の施設のケーススタディー等に関する研究は行われてきているが、それら運営状況に関する網羅的な調査や課題の把握は行われていない。そこで、道内の環境学習施設等の運営状況や課題を把握することを目的に所要の調査を実施した。

調査の概要

調査期間

 2015年9月10日~2015年11月10日
 

調査対象

 (公財)北海道環境財団がWeb上で公開している環境学習・教育施設データベースより以下の要件を満たす北海道内の205施設を対象に調査票を郵送し依頼した
 

回収結果

有効回答件数(率):106件(51.5%)

 

調査実施者

公益財団法人北海道環境財団(環境省北海道環境パートナーシップオフィス受託団体)

 

結果の概要

 道内の環境学習施設等の多くは設置後20~30年が経ち、今後、修繕・更新負担等が共通課題となることが予想された。相当数の施設が財源を行政に依存し、管理運営や人員体制に一定の課題が存在する中で、地域課題に応じた拠点機能を担っていくためには、施設の価値や成果を可視化し地域と共有して支持を獲得することが有効と考えられる。地元住民との関わりを重視し、地域活性化への貢献志向が高い施設は一定数見られるものの、そのための戦略的な評価・発信や外部の巻き込み等は必ずしも十分には行われていない。こうした現状を踏まえて、今後は施設の価値を向上させていくノウハウやポイントを整理するとともに、施設間の情報交流や協働による課題解決など、効果的な支援策を検討していく。

調査報告書

「環境保全活動及び環境学習等推進拠点の運営状況に関する調査」報告書(PDFファイル)