対話の場づくりと協働

「コスモ石油株式会社」と「富良野種まき塾」のパートナーシップ」

コスモ石油株式会社は、地球温暖化防止を目指し、国内外で様々な活動を展開しています。コスモ石油のエコカードを持っている会員からの寄付金をもとに、エコカード基金活動は、「ずっと地球で暮らそう。」プロジェクトを展開しています。このプロジェクトは、NPO/NGO、地域社会、政府の方々とパートナー を組み、主に地球温暖化防止を目的とした地球環境貢献活動であり、現在9つのプロジェクトが活動をしています。
 「富良野種まき塾」は、その中の「エコ」活動参加型環境教育プログラムのパートナーのひとつとして、2006年度の新プロジェクト「植林のための苗木供給基地プロジェクト」を開始しています。
 (この内容は、2007年6月の富良野種まき塾での種まき体験、および理事長の横市氏への取材より作成しております)
 
● 「苗木の供給基地」として
 「富 良野種まき塾」は、富良野で活動をするNPO法人「富良野自然塾」の関係者が地域の方と協力をして2006年につくったLLP(有限責任事業組合)です。 「富良野種まき塾」の主な目的はふたつ。ひとつは、苗木を供給する基地を作ること。そして、もうひとつは環境教育の場を提供すること。
 この「苗 木供給基地プロジェクト」では、温暖化の原因としてあげられる二酸化炭素の吸収源である森林に注目しています。近年、木材として利用するために植林された 森が、国産材の需要の減少などの理由から、放置され、手入れが行き届かなくなった森が沢山見られるようになりました。単一種で植林をされた森はきちんとし た手入れがされないと、二酸化炭素の吸収源としての働きは鈍くなり、森は荒廃していきます。
 そのため、「富良野種まき塾」では、人の手を借りずに自然循環できる持続可能な森作りを目指して、地域の植生にあった苗木づくりと、人と自然との共生を考える体験プログラムを展開しています。
 
● 植林体験プログラムと環境教育
 体 験プログラムでは、木々の種や小さな苗を採取し、それを苗床に移植して1〜3年間育成します。ある程度育った苗は、その後、カミネッコンという再生ダン ボールで出来たポットに移し変えられて、ポットごと植林されます。カミネッコンは水分調整をしながら苗が育つのを助け、その後自然分解してなくなります。
 富良野の苗木供給基地では、約1Haの土地に、年1万本の苗が供給できるようにと活動を進めています。
 富良野プリンスホテルのゴルフ場は、平成17年に閉鎖をすることが決まりました。富良野自然塾は、そのゴルフ場を昔の森に還すことを提案し、現在はさまざ まな環境活動の拠点として活用されています。その場所で、「富良野種まき塾」体験プログラムの植林も行われており、将来的には広く供給していくことを考え ているようです。
 
● 取り組みに向けたパートナーシップの構築
 「富良野種まき塾」の理事長である横市氏は、コスモ石油とのパートナーシップについてこう語っています。
 コスモ石油の基金は、エコカードの会員からの寄付金を活用した消費者参加型の基金であり、企業だけではなく、ユーザーがそこに入って、しっかりした土台を 作っている。社会に還元する仕組みをつくっていること、それがパートナーを組む理由。企業がしたいことを優先させたパートナーシップだと、それはただの宣 伝の手伝いになってしまう。企業とユーザーのやりたいこと、そして自分たちのしたいことが、一緒になった場合にパートナーシップが可能となる。今ではなくても、未来にマッチするか。その体質を追及していくところが重要である。
 また、企業とパートナーを組む側としても、未来につなげるところが見え ないと自己満足になってしまう。企業が、「離れたくない!」と思うような魅力的なプロジェクトを展開し、どんどんパートナーを組んで大きくしていくこと。 パートナーシップは強ければ強いほどいいと思われがちだが、それだと周りが入ってこられない。緩やかな繋がりと保ちつつ、地元のホテルやお店とも有機的に つながっていくことも大事。また、企業の人も参加しやすいもの、胸をはって言える内容が求められると思う。
  このように、パートナー同士がwin-winである関係が望ましい形であることが絶対条件となるのでしょう。
 企業のパートナーになるためにもうひとつ重要なことは、いかにシンプルに表現できるか、ということ。企業を見るということは、株主を半分見ている。そのため にも、企業のパートナーになるためにわかりやすさ、というのは大事。「語呂のいいキャッチフレーズを心がけている」、と横市さん。
 ふらの種まき塾のキャッチフレーズは、「みらいにたねまき:未来のココロと大地にタネを蒔く」。
 コスモ石油のキャッチフレーズは、「ココロも満タンに」。
 
一本一本苗を育て、木を植える。気の遠くなるような作業ですが、富良野のゴルフ場に森が蘇えることを心にイメージしながら、プロジェクトは続いていきます。
 
企業データ : コスモ石油株式会社
 所在地 東京都港区芝浦一丁目1番1号
 連絡先 tel 03-3798-3211
 CSR・環境報告書の発行 有
 CSR担当部局 有
 URL http://www.cosmo-oil.co.jp/index.html

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