協働取組

【NEXCO 東日本北海道支社帯広工事事務所】 バードハウスで地域振興〜NPOとの協働で

 NEXCO 東日本高速道路株式会社北海道支社帯広工事事務所(幡鎌俊昭所長:道東自動車道の建設・管理)とNPO法人フェザードフレンド(新津秀幸理事長:バードハウスを利用した産学官連携による環境保全・地域振興などを実施)は、協働で道東自動車道サービスエリアにバードハウスを設置することを通じて、環境教育、地域振興などを進めている。
 
 道東自動車道に設置するバードハウスの製作は、十勝管内の小学生が中心。
  ただ、小学生だけでなく、祖父母、親子、兄弟とともに地域が一体となってつくる。このため、世代を超えた交流も可能となり、地域活性化にもつながる。新津理事長は、「学校側の全面バックアップと近隣住民の皆さんの協力なしには実現しない」と協力体制の重要性を強調する。
 
子供たちが自らバードハウスを製作することで、ものづくりの楽しさや難しさなどを感じることができるのもこの事業の特徴である。バードハウスは子供たちの豊かな発想で作られるため、色、形が様々。環境教育としてだけでなく、芸術的感性の育成にも役立っているようだ。
 
また、バードハウスの材料は、建築端材やダム湖の流木、間伐材を利用している。これらの材料は同社帯広工事事務所が提供。新津理事長は、「材料自体にもメッセージ性、ストーリー性を持たせることが大切。普段いかに自然を粗末にしているのか感じとってもらいたい」と話す。
 
現在、十勝平原サービスエリア、長流枝パーキングエリアに100個以上のバードハウスを設置しているが、バードハウスの役割は野鳥や小動物の住みか、休息 場所としてだけではない。「芸術性が高いため、サービスエリアのトイレ内にインテリアとして置いている。高速道路利用者に対し、自然への興味を持ってもら うきっかけづくりにもなる」と、株式会社ネクスコ・メンテナンス北海道帯広事業所(NEXCO東日本グループ会社、業務:高速道路の維持修繕など)の小川 雅敏所長。
 
実際にトイレを拝見したところ、今まで見たことがないくらい楽しく、綺麗なトイレで、サービスエリアのトイレのイメージを良い意味で大きく変えてくれる。
 
さらに、この事業には帯広畜産大学野生動物管理学研究室(栁川久准教授)および北海道東海大学芸術工学部(織田憲嗣教授)が参加。
 
取材当日、できあがったばかりのバードハウスを受け取りに新津理事長、小川所長と帯広市立啓北小学校(九門好行校長)に伺った。製作したのは同小学校の4 年生。子供たちは自慢げにバードハウスを手渡してくれた。このバードハウスは、11月に東京ビッグサイト(東京都)で開催された「ハイウェイテクノフェア 2008」(主催:財団法人高速道路技術センター)で取り組みとともに紹介された。
 
産官学の協働により、環境教育だけでなく、まちづくり・地域活性化など、多面的な効果が期待できる取り組みではないだろうか。分野を超えた協働が、地域の人、環境などにプラスの影響を与え、可能性を何倍にも広げてくれることを今後も示し続けてほしい。
 
■NEXCO 東日本高速道路株式会社北海道支社帯広工事事務所
 〒080-0341 北海道河東郡音更町字音更西二線7-3
 TEL:0155-42-8151

■特定非活動営利法人 フェザードフレンド
 〒080-0010 北海道帯広市大通南27丁目7
 TEL:0155-22-7002
 E-mail : ff_obihiro@ybb.ne.jp
 
※バードハウス:学術や野鳥保護が主目的の日本型巣箱と違い、欧米型の巣箱は車のナンバープレートや流木などの様々な素材を使い、カラフルな色合いを持つ芸術性の高いものが多く、学術・野鳥保護のほかに、芸術・癒しの要素も有している。

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