協働取組

4者(市、団体、市民、企業)協働によるエコチャレンジ家族コンテスト ~道北最大の都市・旭川

2010年10月に街の玄関口であるJR旭川駅が新しくなるなど、現在、駅周辺が刻々と変化している旭川市。今回は、旭川市NPO法人旭川NPOサポートセンターが共催で実施している「エコチャレンジ家族コンテスト」についてご紹介します。

表彰式の様子1


このコンテストは、家庭の中から省資源・省エネルギーを目指したエコライフを身につけてもらうことを目的に,旭川市民を対象として「あさひかわ環境家計 簿」を利用したコンテストで、電気・ガス・水道のほか,身のまわりや地域で実践したエコライフ活動についてもご報告いただくことで優秀な家族を表彰すると いうものです。

まず、旭川市内に住所のある各世帯がエントリーします。(今年は実施期間内の途中参加も可能)次に、開催期間である8~11月の4ヶ月間、二酸化炭素 (CO2)の削減やエコにつながる取組を行いながら、電気、ガス、水道の使用量を記録していきます。そして、審査対象書類を提出しCO2の削減率などが審 査されます。

参加者はそれぞれ工夫を凝らして節約に取組んでいきますが、中には希望者に貸出しを行なっている「電気使用量測定機器(省エネナビ)のコンセントまで抜い てしまった方もいます」と旭川市環境部環境保全課の井上さん。また、「期間中に起きた家族構成の変化や、ペットの数まで教えてくれる方もいます」と同課の 山下さん。(※ペットの有無は審査に影響しません)

 3月にはイオンショッピングセンター旭川西店において表彰式が行なわれ、優秀者には協賛企業(20社)から副賞が進呈されます。副賞には商品券や お食事券をはじめ、工場視察ができる“1日工場長権”というユニークなものもあるそうです。毎年の参加世帯数は50~120件程で、毎年応募されてくる方 が半分位いるとのことです。

 このコンテストは、環境家計簿をつけて省エネに係わる意識を高めてもらうことを目的とし、2005年にスタートした「エコチャレンジ家族事業」 が、2006年からコンテスト形式となったことにより現在の名称になりました。5回目になる今年は一般家庭だけではなく、企業も3人以上のチームでコンテ ストに参加できるようになり、今まで協賛していた企業から参加する企業も出てきました。参加者の中には審査対象書類の「エコライフ実践ノート」に、家族で エコ活動をしている写真を添付する方や、「毎年楽しみにしています」とコメントしてくれる方もいらっしゃるそうです。
表彰式の様子2

  

 一方、実際に応募する時点でエントリー時には記入しなかった各世帯の現況(一戸建てやアパート等の住居形態、家族構成)を提出する必要があり、審 査対象書類には電気代等も記入することとなるため、応募をためらわれる方も少なからずいることが、参加者数を増やしていく上で課題のひとつになっているそうです。

 また、近年の不況下において気になる企業の協賛件数ですが、その件数が減る傾向はなく、「環境問題に対する意識が高いからではないでしょうか」と井上さん。協賛企業のひとつでもある(株)イトーヨーカ堂は、環境に関する取組について、北海道新聞全面広告内に掲載の「eco mix2010」((有)協同アドコム)にも取り上げられるなど、コンテストの相乗効果が出てきています。

 コンテスト以外に、1年を通して環境家計簿をつける「エコ家族登録」という制度があります。環境家計簿にはコンテストで記載する3項目以外に、灯油、ガソリン・軽油の計5項目を記入してCO2削減に取組んでもらうものですが、こちらは現在登録数が9件とまだ少ないため、コンテストと合わせて今後参加者の裾野を拡げていきながら継続させていこうとしています。


(取材協力:旭川市環境部環境保全課、(有)協同アドコム)