エコガーデン観光ネットワーク事業始まる!~環境モデル都市・帯広市~
十勝地方の中心都市帯広市は、地球温暖化防止のために、二酸化炭素などの温室効果ガスの大幅な排出削減など、低炭素社会の実現に向け、高い目標を掲げて先駆的に取り組みを行う、「環境モデル都市(現在13都市)」として、平成20年7月に政府から認定を受けました。現在、北海道が行なっている「一村一炭素おとし事業」(補助率100%:CO2 1トン当たり10万円に換算し上限3,000万円)において、エコガーデン観光ネットワーク事業が進められています。(実施主体:十勝グリーンベール300コンソーシアム(参加団体:帯広市、NPO法人十勝エネルギーネットワーク、(有)紫竹ガーデン、十勝シーニックバイウェイ~トカプチ雄大空間、帯広駅モビリティセンター運営協議会)
この事業は、「オープンガーデンのエコガーデン化」と「観光ネットワークの構築」という2つの業務で構成されています。
エコガーデン化では、帯広市中心部から南西へ車で約40分のところにある「紫竹ガーデン」の設備を改修し、環境に配慮した熱暖房機器などを取り付けることで冬期間の営業を可能にし、夏期限定の営業から通年営業にするというもの。
約2,400万円の設備投資を行い、灯油ボイラーから廃食用油ボイラー(グリセリンなどBDFの精製時に発生する副産物も一緒に燃料として投入できる)への転換や、太陽光発電設備の設置、レストランへのBDFボイラー設置とLED化などです。
「今まで冬期間の営業は懸案でしたが、この事業が追い風となって通年営業に弾みがつきます」と同ガーデン副社長の隈本さん。また、BDF燃料精製などを行なっている(株)エコERC社長の爲廣さんは「主に海外などから観光目的で来られたお客様が、このガーデンが環境にも配慮していることに気づいてもらう ことで、エコ意識の裾野を拡げられれば」と期待を込めます。
もう一つの事業の柱である観光ネットワークの構築では、帯広駅前のバス案内所に併設されている「エコバスセンターりくる」が中心になっています。りくるでは、前述の紫竹ガーデンとばんえい競馬場、帯広駅や帯広空港を結ぶBDFバス「ふゆのおびひろ“いろどり号”」を運行することなどにより、各施設を有機的に結びつけることを目指して います。今のところ土日のみの運行となっていますが、他の交通機関との接続も考慮したダイヤが組まれ11月20日(土)から運行を開始しました。(料金 1,000円:紫竹ガーデン入園料込み)特に、これから道路が滑りやすくなる冬道においては、旅行者のみなさまに安心した移動手段を提供できることと思われます。
また、既に終了しましたが、レンタルしていた折りたたみ自転車は、「一般の路線バスに積むこともできます」(りくるスタッフ)とのこと。クルマを運転できなくても、行動範囲がグーンと広がりそうですね。
この事業を通して“落とす”CO2排出量の目標は 370トン。これは「約66世帯の1年間のCO2排出量に相当します。」と帯広市市民環境部環境課の幸田さん。課題としては「特に冬の北海道に魅力を感じている東アジアからの旅行客にたくさん来てもらうことで、これらの施設を利用してもらいたいのですが、PR方法が難しい」とのことですが、「このような取り組みを通して、二酸化炭素などの排出削減はもちろんのこと、市民一人ひとりが省エネに対する取り組みに興味を持ってもらえる様、これからも環境モデル都 市おびひろをPRしていきたい」(同課幸田さん)と意気込んでいます。
(取材協力:帯広市市民環境部環境課、(有)紫竹ガーデン、(株)エコERC、エコバスセンターりくる)