ESDの推進

【参加報告】2016年度札幌聖心女子学院SGH研究発表会に参加しました!

 平成28年9月30日(金)札幌聖心女子学院中学校・高等学校において、「2016年度札幌聖心女子学院SGH研究発表会」が開催され、スーパー グローバル ハイスクール(SGH : Super Global High school)の指定を受けた同校のグローバル・イシューズ(GI : Global Issues)という科目の授業が公開されました。午後には道内のSGH指定校5校の生徒の皆さんによる公開ディスカッション「グローバルリーダーに求められる力とは」をテーマにSGHとして求められる力について話し合いが行われました。

 

スーパー グローバル ハイスクール(SGH : Super Global High school)とは?

 高等学校等におけるグローバル・リーダー育成に資する教育を通して、生徒の社会課題に対する関心と深い教養、コミュニケーション能力、問題解決力等の国際的素養を身に付け、もって、将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を図ることを目的としています。(スーパー グローバル ハイスクールのウェブサイトより引用。詳しくはこちらをご覧ください)

道内のSGH指定校(5校 2016年10月現在)

  • 札幌聖心女子学院高等学校
  • 札幌日本大学高等学校
  • 立命館慶祥中学校・高等学校
  • 北海道札幌開成高等学校・市立札幌開成中等教育学校
  • 北海道登別明日中等教育学校

 

札幌聖心女子学院中学校・高等学校の取り組み

 テーマを「Active Dialog-共生の実現へ-」とし、「人との共生」や「自然との共生」について高校1年生や2年生では課題に基づいた調査研究やフィールドワーク、ディベートワークショップなどをとおして学びます。高校3年生では、「18歳の自分が、将来に向けて課題解決のために行動していくこと」を前提としたアクションプランを策定・実行します。目標設定、課題、連携相手との交渉、根拠資料などの整理、ルーブリック評価も含んだアクションプランは、ポスターセッションとして発表がありました。

詳しくは同校のウェブサイトをご覧ください。

公開授業①探究学習およびフィールドワーク報告(高校1年生)

 東京・ニセコ・美瑛研修、オーストラリア姉妹校短期交換留学への参加生徒による報告がされました。ニセコ研修では「多文化共生に必要なことは何か」というテーマを掲げ、海外の方が多く住むニセコに訪問し、農家さんや国際交流員へ生徒自身がインタビューを行い、ヒントを得ていました。

公開授業②テーマごとのディスカッション(高校2年生)

 「自然との共生」にもとづき下記4つのグループに分かれて、事前学習やフィールドワークの内容をもとに、共有したい内容・課題、自分たちが取り組める課題、課題解決のためのアクションプランの策定を目指したディスカッションを行っていました。

①水資源の確保と活用
②メタンガスと地球温暖化の関係
③外来生物との共生
④廃棄物の利活用

 「②メタンガスと地球温暖化の関係」では、メタンガス削減のために農家さんへの金銭的な負担が大きいという課題から補助金をいれることについてメリットとデメリットについて生徒さんから意見が出され、最終的にメタンガス削減のための維持費への補助金が有効であること、乳製品を買っていただくためにエコポイントなど消費者にインセンティブが必要あることがお話されていました。

公開授業③ポスターセッション(高校3年生)

 ごみ問題、世界での水質汚染対策、アイヌ文化、国際理解など多岐にわたる16のテーマによるポスターセッションが行われました。

 「テーマ実現のために18才でできるアクションプラン」では、本州の若者を対象として日常生活にアイヌ文化を取り入れてもらうことを目的に、食べ物などアイヌ文化の紹介を雑誌掲載に向けたアクションプランの発表がありました。

 興味のある下級生がいれば、活動を引き継いでいただきたいとお話されました。 高校生が手に取るファッション誌などへの掲載も交渉してみたが様々な理由から断念せざるを得なかったことなど苦労話もありました。最終的には、全国の高校図書館に配布される高校生向けのフリーペーパー「ch FIELS」への掲載が決まったとのことです。

公開ディスカッションSGH指定校5校の生徒による「グローバルリーダーに求められる力とは」

 道内のSGH指定校である5校(札幌聖心女子学院高等学校、札幌日本大学高等学校、立命館慶祥中学校・高等学校、札幌開成高等学校、北海道登別明日中等教育学校)から2名ずつ登壇し、各校から「○○力」として3つの提起を行い、それをもとにグローバルリーダーとして求められる力についてディスカッションし合意形成を行いました。

・順応力(経験を駆使して課題を解決していくこと)15個の「○○力」を札幌聖心女子学院高等学校の生徒のモデレーターのもとディスカッションをして最終的にまとまったのは以下の5つです。

  • 交信力(交渉+信用を持ちあわせていること)
  • 把握力(世界全体の流れについて知ること)
  • 実行力(アクションを起こしていくこと)
  • 日本人力(自分の国の歴史や魅力について知ること)

 

 生徒の皆さんの活発な議論の様子、独特な発想、社会人の方との連携に挑戦する姿などを拝見させていただき、夢ばかりを描いている取り組み内容が多い中「18歳の自分が、将来に向けて課題解決のために行動していくこと」に沿った実現性の高い(実現がされている)取り組みを伺うことができました。生徒の皆さんが社会に出たときの活躍される姿が目に浮かびました。

 貴重な機会を提供いただきました札幌聖心女子学院中学校・高等学校の北先生、佐藤先生、関係する皆さま、誠にありがとうございました。(大崎)