ESDの推進

白滝ジオパーク

 平成28年3月4日(金)、北海道で3番目に日本ジオパークの認定を受けた白滝ジオパーク(遠軽町)の中原誉さん(遠軽町総務部ジオパーク推進課 係長)、熊谷誠さん(同主任)にフィールドでの環境学習の取り組み、産出量が国内で1番である黒曜石を利用した取り組みなどについて伺いましたので、ご紹介します。

 

 

白滝ジオパークとは

 白滝ジオパークは、北海道の東北部、オホーツク海沿岸より20km内陸に位置する遠軽町全域をエリアとした「自然と文化の融合」をテーマとするジオパークです。日本最大級の質・埋蔵量を誇る黒曜石が見どころです。黒曜石を生み出した火山活動と、黒曜石を道具として用いて暮らした旧石器時代の人々について学び・体感することで、大地と人のつながりを感じることができます。(日本ジオパークネットワークホームページより引用・編集)

 

 

 

 

環境学習の取り組みについて

 白滝ジオパークでは、拠点施設である「白滝ジオパーク交流センター」を中心に環境学習の取り組みを行っています。施設では、黒曜石を生み出した火山活動や、先史時代の人々の暮らしについて展示で紹介しています。そのほか、石器づくりなどのものづくり体験や、ジオサイトをめぐるガイド付きツアーの出発点となっています。

 「ジオツアーでは、丸瀬布昆虫同好会などの団体や地域の方々と連携して、それぞれの得意分野を生かした解説を行い、大地の成り立ちから自然と歴史の両方が理解できるような工夫を行っています。」と地域住民との連携による相乗効果についてお話しいただきました。

※体験プログラム等についてはこちらをご覧ください
 ・体験ゾーン
 ・ジオツアー

石育(いしいく)の内容と経緯

 遠軽町白滝地域では、今から約2万年前の旧石器時代の遺跡が数多く発見されています。これら遺跡の発掘調査から、現在よりも寒い時期(氷期)の自然環境で、人々がどのように暮らしていたかがわかってきました。日本最大の黒曜石産地である白滝では、狩りの道具である石器づくりが盛んに行われ、それらを別の場所に持ち運んでいたことがわかっています。白滝産黒曜石で作られた石器は道内各地のほか、北はサハリンや南は新潟県や山形県からも見つかっています。

 このように地域の宝である「黒曜石」から地域の自然や歴史を学ぶ学習プログラムが「石育学習」です。平成22年度から、地元白滝小学校で取り組みが始まり、「石とふれあい、石に学び、石と生きる」ことを重点目標に掲げて、取り組みが行われています。

 白滝小学校では、年間カリキュラムとして実施され、北海道教育大学旭川校と連携した黒曜石の実験教室や、石器づくりなどの体験授業が行われています。

 白滝小学校以外にも、遠軽町内の小中学校ではジオサイトを活用したフィールドワークのほか、展示施設の見学や体験学習が行われています。現在は、総合的な学習の時間や理科もしくは社会科の単元学習として実施されることが多く、石育学習のような年間を通した学習プログラムとして広げていくことが今後の課題となっています。

自然との共生

 遠軽町丸瀬布地域には、豊かな自然環境と触れ合うことができる「森林公園いこいの森」があります。この公園内ではキャンプ場が運営されているほか、かつて林業で栄えていた丸瀬布地域を象徴する「森林鉄道蒸気機関車・雨宮21号(北海道遺産)」が今も園内を周遊しています。豊かな森林地帯のため、野生動物も多く生息し、とくにヒグマとのリスクマネジメントが求められていますが、園内ではヒグマの存在をしっかりと周知しているほか、ゴミの管理の徹底や電気柵を設置することでヒグマの進入を未然に防ぐなど、自然との共生を目指した活動が地域の人の手によって進められています。
「町には豊かな自然環境だけでなく、経験豊富な人材も多くいらっしゃるので、地域経済の貢献にどのようにつなげ、次の世代にどのようにつたえていくべきか考えていきたい」と中原さん。

ジオパークによる地域づくり

 白滝ジオパークの運営についてみんなで話し合うためのワーキングチームを白滝ジオパーク推進協議会内に設置しています。現在は、月1回のペースで集まり、マスタープランの作成を行っているとのことです。

 ※詳しくはこちらをご覧ください。

 拠点施設である「白滝ジオパーク交流センター」は、旭川紋別自動車道・白滝ICを降りてすぐ、遠軽市街地からは車で約50分の場所に位置しています。「ジオパーク活動を通じて、この地域には誇るべき宝がたくさんあることを、遠軽のたくさんの方に知ってもらいたい。町全体がジオパークのエリアであるので、町全体の地域資源を生かして活動を推進していきたい。多くの地域の方々が活動に加わることで、より魅力的に情報を発信することができると考えている。また、持続的に環境学習の場を設けていくことで、地域の担い手や、ゆくゆくはプロのガイドとして活躍できるような人材を育成していきたい。そのような活動の先に、ジオパークの運営が自立できるような組織体制や産業が生み出されていくこと願っています。」とお話しいただきました。

 貴重なお話をいただきました、中原さん、熊谷さん、誠にありがとうございました。地球と人の歴史を物語るきらびやかな黒曜石が待っています。ぜひ、訪問ください。(大崎)

 

●オホーツク地域の情報は、こちらもご覧ください。

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