【ESD】ネイパル北見
平成28年3月3日(木)。青少年の集団宿泊活動、自然体験活動その他の体験活動を支援するネイパル北見にて、環境学習の取組などを川崎 真也さん(北海道教育庁 生涯学習推進局 生涯学習課 社会教育主事)に伺いましたので、簡単ではございますが紹介します。
ネイパル北見とは
網走国定公園内のサロマ湖(面積は北海道最大)東岸に位置する、誰もが利用できる道立青少年教育施設です。湖に沈む荘厳な落日や、日本最大の海岸草原とされる北海道遺産ワッカ原生花園に咲き乱れる300種以上の草花、世界最大とも言われる古代遺跡群、冬には水面が真っ白な流氷で覆われるオホーツク海がすぐ近くにあり、広大な自然や深い歴史に恵まれた環境にあります。(ネイパル北見ホームページより引用)
ネイパル北見が行う環境学習とは
ネイパル北見の目の前に広がるサロマ湖では、夏はカヌーやイカダ、冬には氷上チカ釣りが体験できるそうで、学校の宿泊研修では特に人気のあるプログラムとのこと。また、宿泊者の多くが訪れるワッカ原生花園では、地元の常呂高校ボランティア部からワッカ原生花園の花々について説明も受けられます。近年は、周辺の自然環境を生かしたフォトラリーに人気が集まっているそうで、たくさんの子供たちが挑戦しているそうです。
ネイパル北見では、地元の漁業協同組合が主催する植樹を行うイベントへの参加者を募集してきました。「今年からは、植樹をすることの意味をより理解してもらうために、宿泊者限定のプログラムとして、サロマ湖の漂着物調査や工作を行いました。外部講師からのレクチャーを受け、参加者は森と海のつながりをより理解でき、環境への意識醸成につながった。」と川崎さん。
平成27年度からは、北海道教育委員会の施策を踏まえ、「オホーツク自然満喫ツアー」(対象:小学生~中学生、約20名)も開始しました。世界遺産の知床や紋別市のコムケ湖へのバスツアーを行い、自然を守っていくことへの当事者意識を高めることをねらいとしたプログラムを実施しているそうです。今後は、周辺の自然系施設との連携や交流を深め、さらに広がりのある事業を展開することも視野に、環境教育の推進に力を入れていきたいとのことです。
運営体制
ネイパル北見の指定管理者「根釧NET・クロエ_コンソーシアム」は、厚岸町を拠点として道東で自然体験学習や生活体験学習を実施している団体です。指定管理者の職員4名と、北海道教育委員会から派遣された駐在の社会教育主幹と社会教育主事の3名で、利用者の受け入れや年間30回以上の主催事業の企画・実施を行っています。スタッフのスキル向上につながる研修会への参加にも力を入れていらっしゃいます。
たくさんの主催事業を運営する際に欠かせない存在となるのがボランティアです。登録されている方の多くが、北見工業大学や東京農業大学オホーツクキャンパスに通う大学生、近年は、北見市や網走市の高校に通う高校生も増えてきたそうです。「過去に学校へボランティア募集の説明に出向いたことが功を奏しているのかも」と。春と秋には、スキルアップのためにボランティアセミナーも実施されています。
ネイパル北見として展望
「ネイパル北見の認知度は、まだまだ足りない」とのことから、親子向けのプログラムを企画したり、関係機関への広報活動に力を入れたり、様々な角度からのアプローチをされております。ただ、「専門家がいないため、環境に特化したプログラムは十分できていないのが現状。外部の協力を得るためにも、環境に詳しい方とのつながりを深め、最新の情報を得ていきたい」とお話しされていました。
貴重なお話をいただきました川崎さんありがとうございました。ネイパル北見では大人向け、子ども向け、親子向けなど様々な講座を開催していますので、お近くにお住いの方はぜひ訪れてみてください!(大崎)
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