行政(環境省)の環境情報

環境省事業へのSDGsの組込みパイロット・プログラム(環境×SDGs一体推進パイロット・プログラム)の開始について

各府省の持続可能な開発目標(SDGs)への取組は、個別の施策・事業の主目的と重なる項目(例:環境省→目標13 気候変動に具体的な対策を)が中心となっていますが、SDGsの達成に向けた取組をより効果的に進めるためには、SDGsの単一目標にのみ着目するのではなく、他の項目との相乗効果の最大化を目指して施策・事業を実施することが重要です。

環境省ではこれまで「環境と経済・社会的課題の同時解決」という基本方針の下、SDGsの実現に向けて、「気候変動×防災」を始め、複合的な目的達成を重視した取組を推進してきました。このような視点を環境省の事業全体に広げるべく、今般、環境省が実施する事業の主目的のSDGs項目と、副次的効果が期待される複数のSDGs項目についてそれぞれ目標を設定して実施し、その成果を把握・点検して、次年度の事業に反映するPDCAサイクルの仕組みを構築する試行的な取組(パイロット・プログラム)を他府省に先駆けて開始します。

環境省は、今後、本パイロット・プログラムを通じて確立した知見を他府省に展開するとともに、国連大学とも連携して国内外への普及を目指して発信していきます。

1. パイロット・プログラムの概要

(1) SDGs推進のためのPDCAサイクルの構築

環境省の施策・事業の実施を通じた持続可能な開発目標(SDGs)への貢献を促進させるため、1)SDGsに関する目標設定、2)事業の実施、3)SDGs目標に関する実績の把握と自己点検、4)次年度目標の再設定と事業実施からなる、SDGsの配慮に関するPDCAサイクルを導入します。

1) SDGsに関する目標設定

(a) 環境省の予算案が確定後(12月~1月頃)、各局部が2事業程度選定し、(i)事業の主目的と重なるSDGs目標及び(ii)事業の副次的な効果が期待されるSDGs目標をそれぞれ具体的に設定し、「SDGs・PDCAサイクルシート」に記載する(表1参照)。令和2年度予算についてはパイロット・プログラムの開始後、速やかに対象事業の選定とSDGs目標の設定を行う。)

(b)「SDGs・PDCAサイクルシート」を中央環境審議会総合政策部会、SDGsステークホルダーズ・ミーティング等の会合で報告し、有識者からのアドヴァイスを聴取する(5月頃)。

2) 事業の実施

各局部は、有識者のアドヴァイスも踏まえ、(i)事業の主目的と重なるSDGs目標 の実現とともに(ii)事業の副次的効果が期待されるSDGs目標の実現に配慮しつつ事業を実施する(4月~3月)。

3) SDGs目標の実績の把握と自己点検

(a) 各局部は、事業終了後(4月以降)、「SDGs・PDCAサイクルシート」にSDGs目標の実績と、実績を踏まえた自己点検結果(例:今後の方向性など)を記載する。

(b) 環境省はパイロット・プログラムの実施状況を中央環境審議会総合政策部会、SDGsステークホルダーズ・ミーティング等の会合で報告し、SDGsを効果的に推進するための次年度以降の事業の実施のあり方について、有識者からのアドヴァイスを聴取する(4月以降)。これは上記1)(b)のプロセスと同時に行う。

4) 次年度目標の再設定と事業実施

対象事業を次年度に継続する場合、各局部は、3)の自己点検結果と有識者からのアドヴァイスを踏まえ、(i)事業の主目的と重なるSDGs目標の実現とともに(ii)事業の副次的効果が期待されるSDGs目標の実現に配慮しつつ事業を実施する(4月~3月)。

(2) 主要施策のSDGsアイコン表示

環境省の主要事業について、その主目的と副次的効果においてどのようにSDGsに資するかを一覧できるようにすることにより、政策担当者のSDGs各項目への意識を高めるとともに、将来のSDGs・PDCAサイクル対象事業の拡大に貢献します。

1) 環境省予算(案)の主要事業リストに掲載されている事業について、各事業の担当課室において、当該事業の主目的及び副次的効果と関連の深いSDGsの項目をチェックして会計課に提出する(主目的と一致する項目に◎、副次的効果と関連の深い項目に○、表2はアイコン掲載事業リストのイメージ)。

2) 各担当課室は、上記主要事業のPR資料に、事業の主目的及び副次的効果と関連の深いSDGsのアイコンを記載し、各施策・事業の実施に当たって、当該SDGsの各項目への配慮することとする。

2. 期待される効果

  • 多様なSDGsへの配慮が事業のPDCAに組込まれることで、社会的な付加価値の検討が習慣化され、SDGsにより大きく貢献できる施策の企画・立案が促進され、ひいては政府の施策全体へのSDGsの組込みに貢献します。
  • 環境省事業で目指すSDGsの様々な目標が、国内外の様々なステークホルダーが実施する取組の目標と紐付けされ、SDGs推進のための取組のスケールアップやパートナーシップの強化につながります。
  • 本取組を国内外に発信し、自治体や他国政府等と協力することで、国連SDGs2030アジェンダに貢献します。

添付資料

連絡先

環境省大臣官房会計課

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8216
  • 課長角倉一郎(内線 6160)
  • 課長補佐中野剛(内線 6014)

環境省大臣官房総合政策課企画評価・政策プロモーション室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8326
  • 室長岡崎雄太(内線 6051)
  • 室長補佐山口裕司(内線 6053)

環境省地球環境局国際連携課

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8248
  • 上級国際調整官竹本明生(内線 7771)
  • 課長補佐尼子直輝(内線 7760)

 

引用:https://www.env.go.jp/press/107984.html