【開催報告】気候変動・脱炭素への対応から 北海道の産業移行を考える

この会は2050年カーボンニュートラル達成に向けた「公正な移行」をテーマとしたオンライン企画シリーズの一環として、北海道経済部GX推進局GX推進課地域脱炭素係と環境省北海道環境パートナーシップオフィス(EPO北海道)の共催により実施しました。
気候変動の影響はすでに災害等にとどまらずさまざまな形で北海道にも現れ、農林水産業など地域を特徴づける産業においても影響が出ています。しかし気候変動緩和策として脱炭素社会へ移行していく過程ではネガティブな影響を受ける産業もあり、全ての産業において取り組みが加速しているとは言えません。
地域の産業が持続可能であるかは、次世代の就労先という観点で人口維持に直結する課題であり、産業・企業まかせではなく行政から地域の未来を見据えた対応も必要です。
温室効果ガスの削減がひとつの大きな指標として、基礎自治体単位でも削減目標を定めて取り組まれていますが、そのように脱炭素化へ社会が向かっていく中で、地域の産業・経済の構造が変わる可能性があります。その変化によって地域で働いているひとが取り残されないために、自治体がどう対応していけるかということに今回は注目しました。
まず「気候変動が北海道の地域経済に与える影響と移行」について、株式会社価値総合研究所 山崎 清さんから講演をいただきました。
北海道の産業移行に対する問題意識から、国内外のトランジションの事例、地域裨益型・共生型再エネ事業の事例と要件、企業撤退が起きた場合の施策検討方法といった内容をお話しいただきました。
つづいて、道内の自治体の取組みとして、下川町での公正な移行に向け町民を巻き込んだ対話とそこからの実践について下川町 山本敏夫さんから事例紹介をしていただきました。
下川町は循環型森林経営と連動して森林バイオマスエネルギー(熱)利用による地域づくりを進めていく中で、化石燃料事業者の業種変換、まさに行政の関与のもと産業移行を経験しています。そのような背景の上で、町と地域のNPOとが共同事務局を担う形で2023年2月に立ち上げられた「下川町ジャストラ研究会」についてお話しいただきました。
地球温暖化対策実行計画(区域施策編)は多くの市町村で策定されているものの、排出削減施策が中心で、産業構造の変化を見据えた議論が深まっているとは言えません。
意見交換の中では、実行計画策定のポイントとして
・市町村の総合計画、そのほか都市計画マスタープランや産業振興プラン等と連動してつくっていくこと
・自治体が主導しやすい民生部門・運輸部門で、住民の行動変容を促していくこと
・環境部局だけでなく、企画部局や首長直下の部局と横断的に取り組むことで実効性を高めること
といったことが挙げられました。
脱炭素社会への移行が単なる環境問題ではなく、雇用、経済、地域社会に関わる重要なテーマであることを改めて認識する機会になりました。
気候変動への対応を危機対処ではなく、地域の持続的な戦略として位置づけ、今から議論を始めることが地域の選択肢を広げることにつながります。
EPO北海道は、環境分野での協働取組の推進のための中間支援組織です。
・国内外の事例や制度動向についての情報提供
・部局横断の取組みのサポート
・地域での勉強会や議論・対話の場づくりのサポート
・検討プロセスの設計 等
支援メニューをご用意しておりますので、皆様の取組みにお役立てください。
お困りごとがございましたら、お問い合わせフォームからもご相談いただけます。
◇参考情報
経済波及効果測定ツール (環境省 ホームページ)
https://chiikijunkan.env.go.jp/manabu/bunseki/
ジャストラ!(特定非営利活動法人ETIC. ホームページ)
https://justra.etic.or.jp/
開催概要
[日時] 2026年2月16日(月)15:00~16:40 / オンライン配信(Zoom)
[参加者] 自治体職員、地域脱炭素・地域の持続可能性向上への関心層 60名
[内容]
– 趣旨説明(5分)
– 講演 気候変動が北海道の基幹産業・地域経済に与える影響と移行(40分)
講師:株式会社価値総合研究所 執行役員 事業統括 山崎 清さん
1970年生まれ。東京理科大学理工学部卒業後、2000年6月(株)価値総合研究所入社、2017年6月パブリックコンサルティング第四事業部長就任、2022年4月執行役員 事業統括就任。その間、東京大学にて博士(工学)を取得し、東京大学大学院公共政策学連携研究部客員研究員、立教大学経済学部非常勤講師、筑波大学理工学群社会工学類非常勤講師を兼務。担当分野は、公共事業評価、地域経済、産業政策、都市計画、地球温暖化等の分野における定量的な分析・予測・評価の業務。中央官庁、地方公共団体等にビッグデータを活用したEBPM( Evidence-Based Policy Making ) に関するコンサルティングを展開。
- 事例紹介 下川町での「公正な移行」の議論と実践(20分)
話者:下川町総務企画課長 兼 地球温暖化対策推進室長 山本 敏夫さん
– 質疑応答・意見交換(30分)
[共催] 環境省北海道環境パートナーシップオフィス(EPO北海道)
北海道経済部GX推進局GX推進課地域脱炭素係


