SDGsコラム~第2回 SDGsの特徴~MDGsからどのように変化したのか
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第2回のテーマは「SDGsの特徴~MDGsからどのように変化したのか」です。
SDGsは、持続可能な社会をつくるための2030年までの達成目標であり、17のゴ
ールと169のターゲット、230の指標で構成されています。MDGsの後継として定
められたSDGsの特徴について今回は紹介します。SDGsの特徴1~「貧困の解消」と「環境の保全」の2点を重視~
MDGsでは主に「貧困の解消」を重点目標として構成されていました。当初、
MDGsをより深化・拡大し達成期限を延長した「MDGsの第2フェーズ」として案
が出されていましたが、国連総会では採択されませんでした。
その理由は、2012年リオデジャネイロで開催された「国連持続可能な開発会議」
で、SDGsをMDGsの次の開発目標として策定が合意されていたからです。これは、
1992年リオデジャネイロで開催された「環境と開発に関する国連会議(地球サ
ミット)」において、「アジェンダ21」等地球環境の保護や持続可能な開発の
考え方が大きく変わったことがきっかけとなっています。こうして、SDGsは
MDGsでの未達成課題である「貧困の解消」、「環境の保全」2つの目標を掲げ
環境・経済・社会の持続可能な開発の三側面のバランスがとれ、それらが統合
された形で達成するものとなりました。SDGsの特徴2~普遍性~
「誰一人として取り残さない」というキャッチフレーズをSDGsでは持っていま
す。MDGsは、貧困や飢餓といった主に「開発途上国」が対象となった達成目標
でしたが、SDGsには、「先進国」にも関係する達成目標、女性の権利、エネル
ギー、雇用、格差、防災・減殺、持続可能な生産と消費が組み込まれています。
また、MDGsの達成目標にも挙げられていた「先進国と途上国間の格差」ですが、
現在でも収入や教育、保健における格差が生じています。SDGsの特徴3~野心的な目標~
SDGsはMDGsで課題となった部分に加えて新たに課題が追加されており、とても
野心的な目標を掲げています。※例として、SDGs4:教育に関しては、初等教
育に加えて、乳幼児や中等教育、識字習得、職業訓練と技術教育といったあら
ゆる段階の教育にアプローチしており、範囲が広がっています。また、これら
目標は、達成するための実施手段が全て明記されています。これは、MDGsの多
数が達成されなかった要因として実施手段が不明確であったことが挙げられて
いるためです。MDGsを経て新しく採択されたSDGsは、世界が一丸となって取り組む達成目標と
なっています。関連情報については下記をご覧ください。関連情報
☆持続可能な開発目標とは(国連開発計画(UNDP))
http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals.html参考図書
☆SDGsと開発教育 持続可能な開発目標のための学び
(編著:田中治彦 三宅隆史 湯本浩之 出版:学文社)
☆SDGs(世界の未来を変えるための17の目標)2030年までのゴール
(編集・出版:日能研)