SDGs 持続可能な開発目標

【ESD/ユースの取り組み(2)】ユースの活躍。全国の若者の声を発信したい JBYN

2010年に名古屋で開催された「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」を機に、若者(ユース)も生物多様性へ継続的な政策提言を行っていくためのネットワーク「生物多様性わかものネットワーク(JBYN:Japan Biodiversity Youth Network)」が設立されました。通称「わかものネット(JBYN)」の役割や取り組みについて代表の引地慶多さんにインタビューさせていただきました。

(インタビュー日:平成28年10月10日(月))

HP:https://biodiversity-youth-network.jimdo.com/

生物多様性わかものネットワークについて教えてください

COP10で生物多様性の提言に向けたプロジェクトに参加し「ユースも何かできる!」と感じた国際青年環境NGO A SEED JAPAN、NPO法人エコ・リーグに所属していたユースなどが集まり、2012年に発足しました。主に愛知目標の達成に向けた取り組みを行っています。

 

生物多様性わかもの会議の集合写真(提供:わかものネット)

生物多様性わかもの会議の集合写真 (提供:わかものネット)

運営は、幹事会・実働メンバー・サポートメンバーに分かれます。幹事会は、5名(社会人と学生は半々。引地さんは社会人)で組織運営にかかわる資金管理や事業計画について進行管理をしています。現在はメンバーから会費の徴収はしていません。

具体的なプロジェクトは、「生物多様性わかもの白書 Vol.2」の作成です。これは、生物多様性のキーワードで取り組みを行う学生団体へインタビューやアンケート調査についてまとめたものです。Vol.2は、学生に限らず社会人にも発信することを目指して作成しています。

(Vol.1についてはこちらを参照ください)

ユースで交流する場「生物多様性わかもの会議」を合宿形式で年に1回開催しています。年齢制限の設定はないため門戸は広く30代も参加しています。また、遠方の方には交通費の補助を設けています。北海道からの参加もお待ちしております!

環境問題について体験しながら学ぶ「ごとごとプロジェクト」も開催しています。今年は潮干狩りを行いながら、生態系の話やアサリの食文化について学びました。(詳しくはこちらをご覧ください)

他にも出前講座も実施しています。これらはメンバーそれぞれが、興味を持つプロジェクト入って企画・運営を行っています。

COPなど国際的なつながりはどのようなものがありますか

国際会議は、COPとSABSTTA(生物多様性条約科学技術助言補助機関会合)への参加です。COPでは、ユース席が設けられており、発言することができます。また、メイン会議の他に開催されるサイドイベントでアクションをしています。

お話しいただいた引地さん

SABSTTAは、生物多様性の専門機関等が参加して科学的な視点から生物多様性にとって何がいいのか議論する場です。COPとCOPの間に2回開催され、1回はカナダのモントリオール、もう1回は他の場所で開催されます。事前に登録して、許可を得れば誰もが参加可能です。COPの場では、生物多様性にかかわる世界中のユースが参加するネットワーク「GYBN(Global Youth Biodiversity Network)」と連携してメイン会議での発言内容や発言者を決めています。会議への参加だけではなく、他国の方との意見交換や交流の時間もあります。ただ、ここに集うユースは、GYBNと開催国のユース、私たちが大半を占めており、少し寂しいです。

国際会議に参加するメンバーは、議論するテーマ、この国はこれぐらい賛成するなど国際会議特有の政治的なことを事前に勉強しています(もちろん英語)。また、国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)のサイドイベントをお手伝いさせていただきます。ある時、サイドイベントの場でいきなり発表を求められることもありました。日本の生物多様性の現状やユースとしてどう考えているのかGYBNの方とともに発表をしてなんとか乗り切ったと伺いました。

 

国際会議報告会の様子(提供:わかものネット)

国際会議報告会の様子(提供:わかものネット)

帰国後は報告会を開催しています。自分たちの学びと会議の内容について報告します。ただ、メンバーのみの参加になる回もあり、広報が課題です。

今後は、継続して国際会議に参加できるような体制を作っていきたいです。予算などの関係もありますが、2名行けるときは、1名は前回の参加者、1名は新しい方とすることで国際会議の流れを絶やさないようにしていきたいです。希望者が増えれば、それに合わせて予算の捻出を考え、できるだけ多くの方が参加できるようにしていきたいです。

 

社会人(団体)のサポートはありますか。

国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)が、ユース支援として国際会議参加への資金補助、事前の情報提供、日本のユースの考えを書いたシート作成へアドバイスをいただいています。他にもIUCN-Jへのアルバイトの受け入れ、わかもの会議の講師を担っていただいたり、頼りにしすぎています・・・(笑)

また、生物多様性わかものネットワークは、国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)にも籍を置いていますので、国際会議前には日本からの参加者による打ち合わせの機会もいただいています。

国際的な場を知る、参加することによる変化はありましたか。

国際会議の参加者は「ユースは何かできる!ユースがしっかりすべき!」と感じて帰ってくるメンバーが多いです。国際会議の期間中、キャンペーンの実施、会議での発言、ロビーイングなど自分たちの考えを多くの方にPRしてきました。このことはユースでもできることであり、声を届けるチャンスはたくさんあるということ実感する機会になっています。他にも「海外の方との交流が楽しかった」、「最先端の情報が英語なら英語読まないと!」という声も聞かれました。

今後はどのようなことに取り組みたいですか。

取り組みを継続するために他のユース団体と協働するなどネットワークの基盤づくり、運営の資金調達を行っていきたいです。他にも私たちはフィールドを持っていないこと、学生メンバーが主体性を持ち始めても、その後社会人になって時間に制約がでてきてしまうなどの課題がありますが、1つ1つ解決していきたいです

今のメンバーは関東圏に集中していますが、全国のユースが参加することで影響力をもつネットワークになることを目指していきたいです。

「ユースは何かできる!ユースがしっかりすべき!」と日本団表として参加する場である国際会議に行くことで責任が芽生える、この機会をつくりだしている生物多様性わかものネットワークさん、それを支えるIUCN-Jさんの絶妙な連携が生まれたことの賜物です。

貴重なお話をいただきました引地さん、ありがとうございました。(大崎)