災害対策を考える

【開催報告】「札幌圏での大規模災害対策を学び、考える」連続セミナー第2回(札幌 12/15)

 

札幌ではどのような対策が計画されているのか

12月15日(木)18:30より、札幌エルプラザ公共4施設4階大研修室にて、「札幌圏での大規模災害対策を学び、考える」連続セミナー第2回を開催しました。第2回のテーマは「札幌ではどのような対策が計画されているのか」。今回は、札幌市の出前講座を活用して、札幌市危機管理対策室危機管理対策部危機管理対策課長の坂上新次氏をお招きして開催しました。

テーマは大きく6本。
  1 札幌市地域防災計画等について
  2 札幌市の地震想定等について
  3 札幌市の自主防災組織について
  4 札幌市の防災教育について
  5 災害時における相互支援
  6 避難情報のお知らせ
 ※当日配布資料については、こちらをご利用ください
  http://www.epohok.jp/file/ss/161215_handout2.pdf

地域防災計画の中では、災害時における市民(近隣負傷者の救出や避難場所運営への協力参加等)や企業(ボランティアへの支援や防災関係機関の活動への協力等)、自主防災組織や地域団体等(地域住民の安否確認や避難誘導、負傷者の救出や避難場所の主体的な運営等)の役割や、札幌市においては札幌市社会福祉協議会が、災害ボランティアセンターの運営を担うこと等について、坂上氏より説明がありました。

「地震想定等」については、驚きの情報。札幌市内に3種の伏在活断層が存在しており、厳冬期の早朝5時、最大規模の地震が札幌を襲った場合の被害を試算。想定された死者数(8,234人)のうち、凍死によるものが 6,184人にもなります。阪神・淡路団震災でお亡くなりになった方が 6,434人であることからも、その被害の大きさがうかがえます。建物の全半壊は11万棟を超えると推計されています。札幌市は災害時をシミュレーションした映像を作成しており、以下のサイトでご覧いただけます。
 ※「札幌市防災DVD 今、あなたにできること。」
  http://www.city.sapporo.jp/kikikanri/torikumi/duties/bosai-dvd_doga.html

「自主防災組織」については、町内会が主力です。全町内会(2,272団体)のうち 2,040団体が登録しています。「企業との協力協定を締結」「病院との協力協定を締結」「町内会、商店街、社会福祉協議会で自主防災組織を結成」「大学との連携協定を締結」「避難場所運営マニュアルの作成」「地域防災マップの作成等」等、先進的な取り組みある一方で、町内会の多くでは未加入世帯が増えており、担い手の不足や形骸化も心配されています。避難所開設における役割の付与や「避難行動要支援者名簿」の配布及び活用のほか、地区防災計画制度の導入を進めており、平成28年度にはモデル地区が選定され、計画策定に向けた支援が行われているそうです。さらに「防災教育」では、今回利用した出前講座やパンフレットの配布等が行われていますが、「次代の担い手である「働く世代」に対する普及啓発」「企業に対する地域防災活動への参加促進」が課題であるとのことでした。

災害時においては正確な情報の共有が何より重要であり、全国的にもあらためてその整理が行われています。例えば、「避難勧告(災害による危険が及ぶ可能性があるため、発令された地域の方々に避難を勧め促す情報)」「避難指示(災害による危険が目前に迫っている場合に、逃げ遅れた人に、直ちに避難することを促す情報)」「避難準備情報(市民が事前に避難のための心構えをし、避難時の携行物の準備等をするための情報)」の区分等、中間支援組織として知っておくべきことも多く確認しました。札幌市では、普段から住んでいる地域のことをより深く理解するための素材として、「札幌市防災情報マップ」もウェブ上で見ることができます。
( http://www.city.sapporo.jp/kikikanri/higoro/hazardmap/bosai_map/

出前講座終了後には、北海道危機対策防災グループの藤川主事より、「北海道防災教育アドバイザー制度」及び「避難所運営ゲーム(HUG)北海道版」をご紹介いただきました。
 ・ 北海道防災教育アドバイザー制度
  http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/ktk/bousaikyouikuadviser.htm
 ・ 避難所運営ゲーム(HUG)北海道版
Doはぐについて
  http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/hodo/kaiken/h28/280603haifu-01.pdf

このほかEPO北海道より、第1回セミナーの内容に関連した資料を配布。「札幌市災害ボランティアセンター設置運営マニュアル」の一部とともに、全国社会福祉協議会が、ボランティア・市民活動センターが最も重点的に取り組むべきポイントを共有するため、今後のあり方を強化方策としてまとめた冊子をお渡しし、中間支援セクターとの協働・連携に言及されている箇所をご紹介しました。
 ※ 全国社会福祉協議会「市区町村社協ボランティア・市民活動センター 強化方策2015」

上記のような情報を踏まえ、参加者同士での対話は、「あなたはどのような防災活動・支援活動に取り組んでいきたいですか」というテーマで実施。出前講座で提示された、学生等、町内会への未加入者が要支援者ではなく支援者になるためにはどのようにすればいいかといった話題や、「我が家の防災ハンドブックを作成している」等、少人数での意見交換、情報交換が行われました。第3回、第4回はこの流れから、より具体的な「つながる備え」を考えていきます。

☆開催案内はこちら
 https://epohok.jp/act/epo_activity_info/intermediate_support/disaster_countermeasure/458

☆当日のアンケート集計結果
 アンケート集計結果 http://www.epohok.jp/file/ss/16125_results2.pdf

以 上